月刊国際税務 Worldwide Tax Summary 10月号

2022-11-10

2022年10月号Worldwide Tax Summaryトピックス

  1. 第2の柱の法令案を公表(スイス)

  2. 税務戦略グループ(TSG)文書の公表(アイルランド(1))
  3. デジタルサービス税の損金算入に関するガイダンスを公表(アイルランド(2))
  4. 2022年財政法案(ドイツ(1))
  5. クロスボーダーの合併差益への5%課税はEU合併指令に適合する旨の判決(ドイツ(2))
  6. 政府による税制改革法案(コロンビア)
  7. 外国の助成金による市場の歪曲に対処するための欧州委員会(EC)提案(EU)

第2の柱の法令案を公表(スイス

2022年8月17日、スイス連邦議会は、スイスにおける第2の柱の実施に係る重要な側面を規定する法令に関するパブリックコンサルテーションを開始した(2022年11月17日まで意見募集)。

要旨

  • 本法令案は、2024年1月1日からの移行期間中での、スイスにおける第2の柱の導入の主要な側面を規定している。OECD準拠のGloBEルール(すなわち、適格国内ミニマムトップアップ税(QDMTT)、所得合算ルール(IIR)および軽課税支払ルール(UTPR))を導入予定である。
  • 本法令案には、GloBEモデルルールとそのコメンタリー、それに続く実施フレームワークへの直接の言及が含まれている。さらに、グループの様々なスイス法人/支店(異なるカントンに所在する場合も含む)へのトップアップ税額の配分を扱うなど、スイス固有の規則が追加されている。
  • 本法令案は2022年11月17日まで意見公募が行われており、今後修正の可能性がある。
  • 本法令案は、スイス連邦議会が公表すると見込まれる法令案の第一弾である。第二弾では、本法令案より詳細になることが見込まれており、手続き面を扱うことになる。第二弾では、トップアップ税額を課すカントン、トップアップ税額の納税が求められる事業体、スイス連邦税務当局による監督などの側面を含むことになろう。
  • 本法令案の発効日は2024年1月1日とされている。しかし、本法令案では、国際的に実施が遅れた場合、スイス連邦議会にその実施日を延期する裁量権を与えている(注)。

その他の検討事項

  • 全体として、第2の柱に関連する実施課題に取り組むスイスのアプローチは、モデルルールおよび関連するコメンタリーとの整合性を確保することである(スイスのルールがOECDに準拠しており、国際的に受け入れられることを納税者に示す)。
  • スイスのQDMTTは、最終親事業体(UPE)の年間売上高が7億5千万ユーロ以上の場合、スイスの税務上の居住者である法人や支店に適用される。しかし、国外UPEの国・地域が、第2の柱の適用閾値を低く設定している場合、当該国・地域のUPEが最終的に保有するスイスの事業体に係るスイスのQDMTTにも、その低い閾値が適用されよう。
  • グループが様々なカントンにスイスの税務上の居住者である法人や支店を持つ場合、QDMTTからの税収は因果関係の原則(causality principle)に従ってそれらの事業体間で配分される(トップアップ税額に「貢献」した特定の法人/支店に配分)。
  • IIRは、スイス国外の税務上居住者である法人および支店の株主/本店がスイスのUPEまたはスイスの中間親事業体(IPE)で国外UPEの年間売上高が7億5千万ユーロ以上である場合に適用される。IIRはGloBEルールに従って、それぞれスイスのUPE/IPEに配分されよう。
  • スイスは、軽課税の子会社/支店を持つグループに対して、当該グループにスイスの税務上の居住者である法人または支店があり、当該軽課税所得がIIRの適用対象でない場合に限り、UTPRを適用する。複数のスイス法人/支店がある場合、GloBEルールに準じた配分方法でUTPRが配分されよう。
  • スイスは、国際的な活動の初期段階にある法人に対して、最大5年間UTPRを免除することを計画している(GloBEモデルルールで予定・定義の通り)。ただし、スイスがいわゆる基準国・地域(Reference Jurisdiction)として認定されるような場合、つまり、スイスの税務上の居住者である法人/支店が、グループが最初にGloBEルールの適用範囲となる事業年度において、グループが活動する他の国・地域と比較して、合算ベースで最も高い有形資産価値を有する場合、この免除は適用されない。
  • UTPRを含む全てのGloBEルールは、2024年1月1日から実施される予定である(QDMTT/IIRとUTPR間での実施に遅れは生じない)。

(注)2022年8月15日、香港の金融サービス・財務局(FSTB)は、様々な利害関係者に向けた文書を公表し、GloBEルールの実施を2024年に延期することを示唆した。香港税制の競争力保持の観点から、特に、IIRの実施は早くて2024年(当初計画では2023年にIIR実施)に延期、UTPRとQDMTTの実施時期は「他国・地域を参考に検討・決定する」としている。また、FSTBは、政府が2022年末までにパブリックコンサルテーション(公開協議)を開始する意向を示している。その際、「OECD実施フレームワークの恩恵を受けることができる」とした。(Source: PwC, Latest digital tax byte)

出典:PwC Switzerland website
「月刊 国際税務」2022年10月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

税務戦略グループ(TSG)文書の公表(アイルランド(1)

2022年8月10日、予算に先立って公表される年次の税務戦略グループ(TSG)文書が公表された。TSGは政府高官や政治顧問で構成され、税制政策を担当する財務省の事務次官補エマ・カニンガム氏が議長を務めている。TSG は意思決定機関ではなく、本文書は、予算編成プロセスで検討されるオプションと論点の単なるリストである。法人税関連では、以下の重要ポイントがある。

本文書では、法人税の好調な実績(2021年の純税収は153.2億ユーロで、総税収の22.6%を占める)や、国際競争と企業に確実性を与える魅力的で安定的かつ透明性のある法人税制を規定するという目的から、12.5%の税率の重要性を指摘している。また、特定の税額控除制度を見直すとしている。

  • 研究開発税額控除は、同省のガイドライン(Tax Expenditure Guidelines)に沿って評価されている。2022年初めにコンサルテーション(本誌2022年7月号参照)が行われ、その回答や税額控除の見直しに関するより詳細な分析が2022年後半に公表される見込みである。本文書では、同控除が第2の柱上の「適格」還付税額控除として扱われるために必要なこと、また、米国の外国税額控除規則(本誌2022年3月号参照)の対象となるために必要なことを示している。
  • 2022年12月31日に期限切れとなるKnowledge Development Box(KDB)は、そのサンセット条項を前に、第2の柱の租税条約特典否認ルール(STTR)との関連で見直しが行われている。本制度について3つのオプションが検討されている。
  1. KDBを現行の実効税率6.25%で延長
  2. KDBは延長するが、実効税率を9%以上に引上げ
  3. 本制度を廃止
  • 2024年12月31日に期限切れとなる税額控除制度(Film Relief credit)も見直されている。

また、本文書では、2021年法人税ロードマップで取り上げられている項目や、継続中の項目の進捗状況も検討されている。

  • テリトリアル制度: テリトリアル制度への移行を検討中(2022年前半にコンサルテーション実施)であり、その焦点は資本参加免税や支店免税であるとしている(完全なテリトリアル免税は考えていない)。また、第2の柱のグローバルミニマム税率の導入で、アイルランド・グローバル税制にBEPS対抗措置が追加導入されるとしている。したがって、仮にテリトリアル制度への移行が決定した場合、現在2023年財政法案で見込まれているGloBEルール導入と並行して進めることを意図している。
  • 利子制限ルール: 長期公共インフラ免除の適用を公正に評価するためのプロセスが提案されている。しかし、その判断基準は技術的であり、国家補助ルール違反を判断するためには高度な専門知識が必要である。
  • 国際相互支援法案(International Mutual Assistance Bill): 本法案は間もなく政府に提出見込みとしている。
  • EUの非協力的法域リスト上の国・地域への対外支払いおよび追加的な防御措置: 本文書では、2021年12月に対外支払いに係るコンサルテーションを開催し、引き続き検討中としている。また、本リストの掲載国・地域について、必要に応じた追加的制限措置の導入を検討中としている。これらの措置には、アイルランドから掲載国・地域への相当な支払いについて、控除否認や源泉税の賦課などが含まれる可能性がある。

以上のほか、国際税務の動向として以下も含まれている。

  • 第1の柱と第2の柱: 本文書では、これまでのプロジェクトの進捗状況とアイルランドの関与についてハイレベルな概要が記載されている(本誌2022年7月号も参照)。また、2023年にGloBEルールをアイルランドの税法に統合するため進行中の作業についても言及している。なお、このOECD合意により、現時点で年間20億ユーロ程度のコスト(税収減)を見込んでいるが、この合意は国際課税の枠組に安定性をもたらし、投資決定に重要であるとしている。
  • EU税制の動向: 本文書では、EU委員会が提案した、ペーパーカンパニー(shell companies)の利用に関連するアグレッシブなタックスプランニングに対処するための指令(ATAD 3)(本誌2021年7月号、2022年2月号参照)、資本と負債のバイアス削減に係る控除(DEBRA)(本誌2021年7月号、2022年7月号参照)、BEFIT(欧州でのビジネス:所得課税の枠組み)(本誌2021年7月号参照)の立法案について、またこれらに係る理事会の全会一致の承認の必要性について言及している。このほか、税制上のEU非協力的法域リスト年2回の更新や、技術発展に歩調を合わせたEUルールの伸展によるDAC8(暗号資産と電子マネー)の改正などが近いうちになされるとしている。いずれも2022年後半の見込みである。

その他の留意点として以下がある。

  • Apple社の国家補助訴訟(143億ユーロの還付案件): 本文書では、同訴訟の進捗状況について概観している(本誌2020年9月号参照。その後2020年9月25日、欧州委員会(EC)は欧州連合司法裁判所(CJEU)に上訴)。しかし、ECの上訴について欧州連合司法裁判所(CJEU)による審理期日が未設定で、2022年中の新たな進展はない。
  • デジタルゲームに係る税額控除 - 第 481A 条: デジタルゲームに係る税額控除の導入は、欧州委員会の国家補助に係る承認、開始命令が必要であり、準拠のためにいくつかの細かい技術的な修正が必要である。
  • 非ユーロ通貨取引: 非ユーロ通貨(特に、英ポンドと米ドルを念頭)の変動に係る取引の特例的税務取扱い(キャピタルゲイン税(33%)ではなく、法人税(12.5%/25%)の対象)を、i) 取引債務者(現在は、取引債権者のみ)、およびii) 取引銀行口座に保有する非ユーロ通貨(現在は、非ユーロ現金のみ)に拡大することに関連して、TSGから意見を求める。

出典:PwC Ireland website
「月刊 国際税務」2022年10月号収録 Worldwide Tax Summary
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PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

デジタルサービス税の損金算入に関するガイダンスを公表(アイルランド(2))

2022年8月5日、アイルランド歳入庁は、Revenue eBrief No. 158/22として、デジタルサービス税(DST)の控除可能性に関する新たなガイダンス(Tax and Duty Manual Part 04-06-03)を公表した。DTSは、一般的に、デジタルサービスや広告の提供に関連する収入に対して課される。Schedule DのCase IとCase II(Taxes Consolidation Act, 1997)に係る税は、税法で認められている控除以外、いかなる控除もなく課されること、また、Section 81は、完全にかつ専ら取引目的のために発生した費用に関して控除を認めていることを改めて示している。以下の DST(リストは随時更新)が完全にかつ専ら取引目的のために発生した場合、歳入庁は、当該取引の所得計算において、控除可能な費用であると認める用意があるとしている(注)。

  1. フランスのデジタルサービス税
  2. イタリアのデジタルサービス税
  3. トルコのデジタルサービス税
  4. 英国のデジタルサービス税
  5. インドの平衡税(Equalisation Levy)

他の国・地域で課税されるDSTについても、書面での問い合わせを受け付けている。

(注) GloBEモデルルールのコメンタリー第4章パラ36c.によると、DSTは、一般に、特定のデジタルサービスの提供による総収入に適用されるように設計されており、所得税とはみなされないであろうとしている。DSTは、一般に、各国・地域の法律の下で一般に適用される所得税の代わりではなく、それに追加して適用されるように設計されているので、対象税額に係る代替(in lieu of)テストにも該当しないであろうとしている。なお、米国連邦税上、DSTは外国税額控除の対象にならないとされている(本誌2022年3月号参照)。

出典:Irish Tax and Customs website
「月刊 国際税務」2022年10月号収録 Worldwide Tax Summary
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PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

2022年財政法案(ドイツ(1))

2022年7月28日、連邦財務省(MoF)は、2022年財政法案の草案を業界団体に送付した(2022年8月11日まで意見募集)。本草案の改正案には、ドイツの登記簿に登録された権利に係る支払いに関する課税の改正(ドイツ所得税法第49条)が含まれる。2022年6月29日の「簡易手続」の1年延長に関する通達公表(本誌2022年8月号参照)、および2020年11月の限定的納税義務の廃止法案公表に続き、MoFは、2022年7月28日に、特に非居住者である納税者間でのロイヤルティー支払いに係る課税改正案を公表した。本法案では、ドイツ国内の登録簿に登録された権利の売却によるキャピタルゲイン課税も以下の通り改正されよう(注1、2)。

  1. 2022年12月31日までに受領したロイヤルティーとキャピタルゲインについて、課税対象は、関連者間支払いに限定されよう(非関連者(第三者)への支払いは本規定の範囲外)。
  2. 2022年12月31日後に受領する支払いについて、ドイツ所得税法第49条に含まれていた限定的納税義務が全面的に廃止されよう(関連者、第三者間支払いのいずれも)。
  3. 2022年1月1日以降に受領するすべての支払いは、ドイツタックスヘイブン対策法第10条に基づき規制されよう(関連者、第三者間のすべての支払い)。本改正規定によると、タックスヘイブン対策法上のタックスヘイブンに居住する納税者への支払いのみ、原権利がドイツの国内登録簿に登録されている場合に、課税対象となろう。現在、同法上のタックスヘイブンは、米領サモア、フィジー、グアム、パラオ、パナマ、サモア、トリニダード・トバゴ、米領バージン諸島、バヌアツである(タックスヘイブンのリストは、MoFの提案とドイツ連邦議会の承認を条件として変更の可能性がある)。

以上のほか、法人へのビジネスユニットの出資(事業、ビジネスセグメント、パートナーシップ持分または企業の100%持分の継続簿価または中間値での出資)に係る繰延ルールについて、EU/EEAケースと第三国ケースの統一繰延ルールへの改正がある。これらはATAD実施法によって導入され、財政法(Abgabenordnung)第6条(4)に盛り込まれた。したがって、条件を満たせば、申請により、年7回の均等分割納税(延滞利子なし)が可能である(保証/担保が必要)。このほか、2023年12月31日後に完成した居住用建物の定額減価償却率3%への引上げなどもある。

(注1) 本法案によると、ドイツで登録された権利を、ドイツと租税条約(源泉地国の課税権規定なし)がある締結国の拠点グループ法人に移し始めている多国籍企業もあるとしている。なお、OECD第1・第2の柱導入により、ドイツで登録された権利を、ドイツと租税条約がない国の企業に移すインセンティブは減少するとみられている。
(注2) 2022年7月5日、MoFは、クロスボーダーの機能移転の場合におけるドイツ外国税法第1条(1)に基づく独立企業原則の適用に関する新政令(FVerlV 2022 - E)案を公表した。本政令案は、2021年12月31日後開始賦課期間から適用され、現行のFVerlVに取って代わることになろう(2022年7月22日までパブリックコメント募集、2022年秋に修正法案を公表見込み(ドイツ連邦議会の上院(Bundesrat)で可決後、発効))。本政令案によれば、納税者の挙証責任が強化される可能性がある。

出典:PwC Germany website / PwC, Tax Insights
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PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

クロスボーダーの合併差益への5%課税はEU合併指令に適合する旨の判決(ドイツ(2)

2022年3月24日付の判決(1 K 181/19)で、財政裁判所(シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州)は、クロスボーダー合併差益への5%の課税はEU合併指令第7条に適合するとの判決を下した。

原告は、EUに拠点(seat)または管理地のある5法人の株式を100%所有するドイツ法人である。2010年 4月1日以降、これらの事業体は原告に吸収合併された(資産は簿価移転)。原告の貸借対照表上の株式簿価が低いため、合併による合併差益が生じた。ドイツの税務当局は、この合併差益の5%を、株式売却の場合のキャピタルゲイン同様、控除対象外の事業費用として扱った。原告は、合併差益の95%のみの免税は、合併指令第7条が合併差益の全額免除を予定していることから、これに違反することになるとの見解である。

当財政裁判所は、税務文献における優勢な見解はEU法違反を前提としていると詳細に説明しているが、それにもかかわらず、反対する少数の見解に同意した。財政裁判所は、損金算入不可能な費用という考えを合併差益への課税とみなすことできない、との見解である。合併差益自体は依然としてドイツ国内法の下で完全免除のため、財政裁判所は本件のCJEU(欧州連合司法裁判所)への付託を差し控えたが、連邦財政裁判所への控訴は認めた。

本控訴事件(no. IR 17/22)は、連邦財政裁判所で係争中である。

出典:PwC, EU Tax News
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PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

政府による税制改革法案(コロンビア)

2022年8月7日、左翼連合「Pacto Histórico」のリーダー、グスタボ・ペトロ氏が第61代コロンビア大統領に就任し、行政府は新たな税制改革法案を提出した。政府は、2022年内の可決を見込んでいる。その場合、本法案の規定のほとんどは、2023年1月1日から適用されることになろう(注)。なお、コロンビア議会では現在、野党の議席数は20%以下であるが、大統領の政党単体では議会で過半数を占めていない。そのため本法案は技術的および政治的な観点から議論の対象となることが予想され、一部の条項は、議会審議の過程で変更される可能性がある。

本法案のうち、主要な法人所得税(CIT)措置には以下が含まれる。

  • 2年以上保有する固定資産の譲渡などに適用されるキャピタルゲイン税の税率を現行の10%から30%に引上げ
  • 特定の非課税所得項目、特別控除、税額控除の額を納税者の純所得の3%までに制限
  • 現在非課税である諸項目(コロンビア上場株式の売却益(現在、その株式を一個人が保有し、発行済株式総数の10%を超えない場合は免除)、上場株式/インデックスファンド/集合ポートフォリオを原資産とする金融派生商品の取引による利得、株式で分配された配当金/再評価勘定の資本化、コロンビア税法第48条および第49条に規定される非課税所得の閾値を超える株式による分配/利益の資本化、および証券化された債券からの利回り)が課税対象となろう
  • 産業貿易税(ICA)の50%一部税額控除から、費用控除に切り替え
  • 現在、特定の金融機関に適用されている一時的な3%法人税付加金(CIT surcharge)が恒久化されよう
  • 適格自由貿易地域(FTZ)利用者に適用される20%のCIT軽減税率を受けるための年間最低輸出高要件の導入
  • 特例(single-company)FTZに適用されるCIT税率を20%から35%に引上げ
  • ホテル業界のCIT税率を9%から35%に引上げ
  • コロンビアで大規模な投資を行う納税者に適用される優遇税制(メガ投資税制)を廃止

国際税務関連では、以下がある。

  • 重要な意思決定が行われる場所のみをテストするのではなく、コロンビアでの日常的な活動を含むよう、実質的管理の場所(effective place of management)の概念を広げる。提案されている新規定では、法人の実質的管理の場所は、法人の活動を日常的に行うために必要な商業上・経営上の決定が実質的に行われる場所となろう
  • 重要な経済的プレゼンスを有する非居住者に対する新たなタックス・プレゼンスの形態の採用。提案された新規定によると、非居住者がコロンビアの事業体との商品やサービスの取引による所得額、コロンビアのウェブサイトやドメインの使用、同国内の一定数の顧客の維持に関して一定の閾値を超えた場合、重要な経済的プレゼンスが生じることになろう

以上のほか、非居住者への配当金に係る適用源泉税率の10%から20%への引上げ、富裕税の再導入(居住者および非居住者個人に加え、CITを申告していない非居住者である事業体(純資本(net equity) 72,000 Value Tax Units(約 70 万米ドル)超のコロンビア資産(株式、売掛金、ポートフォリオ投資及びその他特定の資産を除く)を有する場合。なお、富裕税は0.5%から1%の累進税率で適用され、CITの控除対象にはならない)、石油・ガス・鉱業関連税制の改正(石油、ガスの生産および鉱業活動に際して支払われる採掘権(いわゆる「ロイヤルティー」)の現行控除の撤廃、石油・ガス・鉱業法人に対する還付納税証明書(CERT)の廃止、石油・鉱業に対する経過的な5年間の定額償却控除の撤廃、炭素税の適用範囲の拡大(一般炭の販売、輸入、回収を含め(輸出は免除のまま)、2028年度までに52,215コロンビアペソ/トン(約12.5米ドル/トン)まで税率を段階的に引上げ)、原油・炭素・金の輸出に適用される月額10%の輸出税を導入(一定の閾値あり))、「グリーン」関連税制の導入(包装用の使い捨てプラスチック製品への課税(課税標準は、使い捨てのプラスチック容器または包装のグラム単位の重量)、超加工甘味飲料の消費に対する課税(適用税率は、飲料100mlあたりの糖分含有量によって異なり、1製品あたり最高35コロンビアペソの税額)、糖分を多く含む超加工食品の消費に対する課税)や、祖父条項(提案された法律により段階的に廃止される税制上の優遇措置や恩典を享受している納税者に適用)の採用がある。

(注) 2022年8月5日、日本・コロンビア租税条約(2018年12月19日署名)を発効させるための外交上の公文の交換が行われた。本条約は、2022年9月4日に効力を生じ、コロンビアでは、源泉徴収される租税に関しては2023年1月1日以後に支払われ又は貸記される額、その他の全ての租税に関しては2023年1月1日以後に開始する各課税年度から適用される。(Source: 財務省website)

出典:PwC, Tax Insights
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外国の助成金による市場の歪曲に対処するための欧州委員会(EC)提案(EU

2022年6月30日、欧州連合理事会と欧州議会は、特定のケースで域内市場を歪めている外国助成金に関する規制案の文書について、政治的合意に達した(当初提案について、本誌2021年7月号参照)。当初提案から追加された措置として、追加的な報告や透明性の確保、ガバナンスストラクチャーの適合などがある。最新の合意文書では、外国の助成金は、受益者が外国の助成金を受領する資格を得た時点で付与されたとみなされるべきとしている(実際の支払いは必要条件でない)。外国の助成金が本規制の対象となるには、競争を歪めるものでなければならない。市場の歪曲とならないための閾値として、3年連続で4百万ユーロ(当初提案は5百万ユーロ)未満が示されている。本規則案は、欧州理事会および欧州議会で正式に採択され、官報に掲載された後、発効する見込みであり、発効から6カ月後にEU全体で直接適用される(通知義務は、発効の9ヶ月後から適用)。仮に2022年末に本規制が採択された場合、2023年半ばからの適用となる。

出典:PwC, Tax Policy Alert
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PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

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