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2015-07-08
従来のオンプレミス型ITシステムに加え、仮想化、クラウドサービスの普及などにより近年IT環境の多様化、複雑化が増している一方、ソフトウェアベンダーによる監査の活発化、高まるITコストの削減要求など、IT資産管理の重要性が増してきています。
今回は日本企業のIT部門およびIT人材を取り巻く環境の変化について触れながら、もう少し大きな視点でIT資産管理の重要性についてお話しします。
まず簡単にIT資産管理とは何か?について説明します。
IT資産管理とは、ITに関するコストとリスクを低減しつつ、ハードウェアやソフトウェアなどのIT資産を、調達から廃棄までのライフサイクル全体を通じて追跡し管理する組織横断的なプロセスを意味しています。IT資産管理の最終目的は、組織の経営戦略に合致するようにIT関連支出、人的資源、リスクおよびIT資産を管理・運用することにあります。
多くの組織では適正な金額と比べて、25~35%以上余計にソフトウェア関連費用(ソフトウェアの購入、サポートや維持のための費用など)を支払っているという状況です。
また、コンプライアンスという観点からは、ベンダーによるライセンス監査対応のみならず、米国の不正競争防止法(UCA :Unfair Competition Act)により、米国外であっても違法なソフトウェアが利用されている場合、米国への商品の輸入時に賠償金や差し止め請求がなされる可能性があります。
IT資産管理は、段階を踏んで整備することにより、最終的には企業にとっての大きな利益(コスト削減、コンプライアンス、セキュリティ強化)につながります。
収益性向上や新サービス・新事業の開発の必要性、グローバル化、事業基盤の強化/M&Aなど日本企業を取り巻くビジネス環境は日々変化しています。
一方でクラウドコンピューティング、仮想化技術、SNS、BYOD、IoT、ビッグデータの活用などITの分野についても新しい技術、サービスの登場により急速に変化を遂げています。
2020年にはITコストの45%がクラウド関連になるとも言われています。
ビジネス環境の変化
IT環境の変化
ビジネス環境、IT環境の変化に伴い、日本企業のIT部門に期待される役割にも変化が見られます。かつての開発・保守運用といった業務を主としていたところから、ビジネスインテグレーターへの変革が期待されています。
それを裏付ける情報として、「企業IT動向調査報告書2015」によれば、企業規模に関わらず多くの企業が現在「ビジネスモデルの変革」をミッションとしています。
出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会 「企業IT動向調査報告書2015」
では今後求められる役割のために今何をすべきでしょうか。以下の図はIT部門の成熟度を表した表で、日本企業の多くはLevel 1、Level 2の段階に位置していると言われています。
IT部門の成熟度レベル
最終的な目標であるLevel 5のビジネスインテグレーターとなるべく、段階を経て成熟度を上げていく必要があります。注目すべきは、表の中で(*)印がつく項目はIT資産管理に関連するという点です。
IT部門がビジネスインテグレーターとなるべく、その成熟度を上げていく上で、IT資産管理が重要な役割を果たすことがお分かりになると思います。
IT部門の今後を考える上で、まずはその企業にとってIT部門、IT人材が注力すべき業務を把握する必要があります。その企業のIT業務におけるコア業務、ノンコア業務の切り分けが大事となりますが、それを行うためにもIT資産管理が重要となります。
ビジネス戦略とリンクしたIT戦略を検討する上で、現在の複雑化、多様化したIT環境の棚卸、企業が抱えるIT人材とそのスキルセットの把握など、まずは現状を把握する必要があります。IT部門がビジネスインテグレーターとなるための第一歩がIT資産管理といっても過言ではありません。
今回はIT資産管理の重要性について見てきました。次回のコラムでは今後のIT資産管理の在り方について詳しく解説します。