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2022-04-08
PwC Japanグループは2021年10月22日、メディア関係者の方を対象にパネルディスカッション形式のセミナー「パワーシフト~エンタテイメント&メディア業界における力学の変容~」を開催しました。当日は社外からも登壇者をお招きし、活発な議論が繰り広げられました。
セミナーの様子を紹介する連載の最終回は、PwC Japanグループの運営メンバーが本セミナーを振り返り、エンタテイメント&メディア業界(以降、E&M業界とする)の現状と今後について議論した後日座談会の内容をお届けします。
PwCコンサルティング合同会社 エンタテイメント&メディアセクター リードパートナー
原田 雄輔
PwCコンサルティング合同会社 エンタテイメント&メディアセクター ディレクター
土岐 正二
PwCコンサルティング合同会社 エンタテイメント&メディアセクター マネージャー
谷口 大輔
PwCコンサルティング合同会社 エンタテイメント&メディアセクター シニアアソシエイト
葛貫 拓哉
PwCコンサルティング合同会社 エンタテイメント&メディアセクター アソシエイト
椿 夏葉
PwCコンサルティング合同会社 エンタテイメント&メディアセクター アソシエイト
金 有利
(上段左から)原田、土岐、谷口(下段左から)葛貫、椿、金
葛貫:
先日のパネルディスカッションでは、ゲストの高木美香さん(経済産業省コンテンツ産業課長)、岩永朝陽さん(エイベックス・テクノロジーズ株式会社代表取締役社長)からさまざまなお話しを伺いました。印象に残っている発言はありますか。
椿:
第2回で登場した「ブロックチェーンゲーム」の話が印象に残っています。リアルとバーチャルの掛け合わせとして、ゲーム上の役割や作業を通してリアルマネーを得るという「Play to earn」の概念はビジネスとして新しい市場ができていることを示す、非常に面白いお話でした。
ゲーム関連の領域では、eスポーツ市場が近年盛り上がりを見せています。eスポーツ関連産業の活性化に向けたサービス・製品の提供が活発になるなど、企業がeスポーツをビジネス機会とみなして参入するケースも増えてきたように感じます。例えば、PwCコンサルティングの藤島太郎シニアマネージャーが登壇した先日の東京eスポーツフェスタ2022でも、ビジネスアイデアのプレゼンテーションイベントがありました。また、最近バズワードとなっている「メタバース」についても、私たちZ世代は、仮想空間上でのゲームやイベントに非常に高い関心を持っています。
谷口:
それらは、今まさにPwC Japanグループが力を入れて取り組んでいる領域です。
eスポーツビジネスのエコシステムや参入のポイントについては、2021年末にPwCのeスポーツ事業推進室が発刊したレポート「eスポーツビジネスにおける海外市場への挑戦―日本企業への提言―」において、詳しく述べられています。
また、メタバース活用にむけたコンサルティングサービスも開始し、メディアや大手企業の皆さまより大きな反響をいただいています。
金:
第3回で述べられた、音楽市場において楽曲がヒットする順番が変わってきているという話も興味深かったです。言われてみれば、自分自身の感覚でも「CDも出さずに歌番組に出る」といった事例はあまり特別なものだとは感じていません。実際に韓国では、動画サイトでK-POPの曲に合わせて15秒程度で踊る「チャレンジ」のようなUGC(User Generated Content)が流行しており、CDの販売やメジャーデビューがなくとも、動画サイト上で話題になれば曲がヒットすることもよく見受けられます。
岩永さんより「法則のようなものはない」という発言がありましたが、ビジネスの観点から、企業はどのようなアクションを取っていけばよいのでしょうか。
土岐:
従来の常識が揺らぎ始め、新たな潮流が生まれつつある局面では、これまでのセオリーに頼ることができません。事実をもとに新たな傾向や法則を見つけ出し、顧客とのエンゲージメントを維持・向上していくことが求められます。そのためには、デジタル化がもたらす膨大なデータを蓄積し、定量的かつ客観的に分析した上で、その結果を、さらなるサービスや組織活動の改善に繋げる必要があります。このような自社で蓄積したデータだけではなく、企業や業界の枠組みを超えたデータの利活用を促進することで、市場や顧客の動向を読み解いていく必要があります。
また、これまでの常識が覆り、業界そのものが大きく変革する局面では、異なる業界の企業も交えた新たなエコシステムを構想することが重要です。そのためには、自社だけでなく他社が保有する知的財産(IP)の情報を収集・分析し、経営における知財情報の活用と共有を目指すIPランドスケープを推進する必要があります。
それらの取り組みをスピーディーかつ的確に進めるためには、企業や業界を越えたデータの流通および利活用を拡大し、戦略検討段階においてAIを活用することなどが重要な鍵となります。PwCはAI LabやTechnology Laboratoryといった専門機構を有しており、企業や産業を超えたデータの流通および利活用の拡大を支援する「データ流通ソリューション」や、AIを活用してIPランドスケープ推進を支援する「Intelligent Business Analytics」などのソリューションを提供するなど、企業や業界を跨いだエコシステムの構築をサポートしています。
葛貫:
第4回で述べられたデジタルツールの普及が可能にしたUGCの潜在市場規模の話も興味深かったです。
ブロックチェーンの活用により、権利者を見つけやすくなり、自身の著作物が他者に使用されることで、多くのユーザーがマネタイズできるという仕組みがさらに発展していくかもしれません。
最近バズワードになっているNFTを活用したデジタルアートも関連した事例の1つだと思っています。
原田:
多くのユーザーがデジタルツールを活用して創作活動に取り組むことで、コンテンツ産業全体がさらに活性化していくことが望まれます。
先日、コンテンツの保護や発展を目指し、JCBI(Japan Contents Blockchain Initiative)にてコンテンツ部会が立ち上がりました。PwCも加盟していますが、幅広くE&M業界の推進の支援をしていきたいと思っています。
葛貫:
本イベントを通して、激動するE&M業界の状況についての理解が深まりました。最後に、このような状況の中にある企業を、PwCがどのように支援していくことができるのか教えていただけないでしょうか。
原田:
第5回の最後に岩永さんからコメントいただいたように、現在のE&M業界において、企業のマネジメント層は非常に難しい判断を迫られています。そこには約束された勝ち筋というものは存在せず、それぞれの企業は業界や消費者の動向を踏まえて、自社にあった舵取りをしていく必要があります。PwCは、これまでグローバルのネットワークの中で蓄積してきたE&M業界における経験とデータ、また数々の企業の経営をサポートしてきたノウハウを生かして、日本のE&M業界における企業の発展を支援していきます。業界の未来を知りたい、その中で自社がどういう戦略をとるか考えたいといった場合には、データを集め、インサイトを活用し、クライアントの方と一緒になって戦略を考えていきたいと思います。
葛貫:
ありがとうございます。10月22日に開催したセミナー「パワーシフト~エンタテイメント&メディア業界における力学の変容~」の振り返りは以上となります。
2022年もセミナーや記事などを通して、さまざまな情報を発信する予定ですので、ご期待ください。ご覧いただきありがとうございました。
約20年にわたりエンタテイメント企業やメディア企業、ハイテク製造業など幅広い業種のクライアントに対し、全社規模の業務改革における構想策定からシステム導入、改革実現による効果創出までさまざまな支援業務に従事。また、アジアを中心に日本企業の海外プロジェクト実行支援も数多く手掛ける。
現在はエンタテイメント・メディア業界のリーダーとして、クライアントに対する全社的なデジタルトランスフォーメーションを支援。
クライアントの課題解決のため、従来のコンサルティングワークに加え、PwC Japanグループの他法人と連携したサービス提供にも注力している。
ITおよびコンサルティング業界の立場から、インターネット事業(BtoC/CtoC)、自動車部品メーカー、工作機械製造、人材サービス、建設資材メーカー、電設資材卸、ハウスメーカー、航空運輸、製薬、総合商社、レース製造などさまざまな事業領域のクライアントに対し、営業、生産、販売、人事、会計、ITなど幅広い業務領域におけるBPRやIT導入を推進した経験と、自社における組織マネジメントや事業運営の経験を活かし、「事業・組織・業務・ITの変革」の構想策定から実行実現までを一貫して支援することを得意とする。
新しいソリューションモデルを考案し、特許出願した上で新規事業の企画から立ち上げをリードした経験も有し、近年はポイント事業やEコマースなどのインターネット事業の統合や資本業務提携などにも注力している。
製造、金融、メディアなどの幅広い業界で、業務改革・組織改革を中心とした各種プロジェクトに従事。業界・ソリューションを問わないオールラウンドなコンサルタントとして活動している。
近年は、メディア/コンテンツ業界について、激動する環境下での事業戦略とその推進のためのマネジメントの在り方に焦点をあてて活動している。
クライアントワーク以外では、PwCグローバルエンタテイメント&メディア アウトルックの日本における中心メンバーとしても活動し、周辺領域を含めた情報発信を行っている。
※法人名、役職は掲載当時のものです。