PwC Japanグループは、需要と供給の不均衡、変動する運賃と船舶価値、新規制、環境問題、海賊行為、地政学リスクなどの困難に、インテリジェントな物流で挑み続ける海運系企業を支援します。
パンデミック期にサプライチェーンに生じたほころびは、世界貿易の亀裂となり、物流の重要性をあらためて意識するきっかけとなりました。海運系企業は世界の急速な変化に対応しながら、よりスマートな輸送の実現に挑戦し続けています。近年、物流コストの増加が続き、規制対応などの複雑さも重なる中、海運系企業はこうした時代に適応するため、より高い能力を必要としています。PwCは、グローバルネットワークを生かして国内はもちろんのこと、国際的な問題の解決に長年関与してきました。PwC中東欧(CEE)を本拠地とするセンター・オブ・エクセレンスでは、ドローンおよび地理空間技術を活用したサービス開発や、スマートシティモビリティ指数を活用したツールの研究などを行っています。また、PwCギリシャには100名以上を擁する海運業専門チームがあり、新たな課題に対するグローバルなソリューション開発にプロアクティブに取り組んでいます。私たちはこうしたPwCの経験とグローバルネットワークを生かし、クライアントの規模やニーズに合わせた最適かつ高品質なサービスを、コンサルティング、M&A、会計、財務、税務、法務など各分野のプロフェッショナルがワンストップで提供します。
グローバルサプライチェーンの動脈とされる海運業において、地政学リスクは一時的な混乱要因ではなく、事業の前提条件を覆し得る恒常的な経営アジェンダとなっています。直近では紅海情勢の緊迫化や米中間の覇権争いがシーレーンの安定性を脅かし、主要航路の変更やトレードレーン構成に影響をもたらすリスクを高めています。また、経済制裁の活発化や脱グローバリゼーションの潮流は、港湾での通関・荷役業務に新たな障壁を生み出すなど、オペレーションレベルでのリスクも顕在化させています。
このように多層かつ複合的に高まる地政学リスクは、グローバルに事業を展開する企業の経営基盤を揺るがしかねません。そこで、単なる動向監視にとどまらず、全社的リスク管理(ERM)の枠組みの中で、地政学リスクの変動を加味した動的なシナリオ分析と、サプライチェーンの強靭性(レジリエンス)を高めるための戦略的な打ち手を講じることが不可欠です。
海運業界は今、脱炭素対応や人権配慮、次世代人材の育成といったサステナビリティ課題への対応に業界全体で取り組んでいます。国際海事機関(IMO)の排出規制やESG評価の影響に加え、生成AIなどのデジタル技術や水素・アンモニアといった次世代燃料への対応や環境・技術への理解を持つ専門人材、国際感覚を備えグローバルな事業環境で経営管理ができる人材など、多様な次世代人材の育成が不可欠であり、競争力維持の鍵を握ります。これらの課題に戦略的に取り組むことが、企業価値の持続的な向上につながります。
海運業界を取り巻く環境は、米国政権の貿易政策や不安定な紅海情勢などの地政学リスクの高まりを受け、事業の変動リスクや不確実性が高まっています。このような状況下で海運各社には、環境変化に適時・適切に対応するためのレジリエンス強化のための対応が求められます。PwC Japanグループでは、柔軟な事業ポートフォリオ変革を推進するための戦略検討・ポートフォリオ管理の構築支援の他、成長に向けたM&A戦略の立案から実行、グループ再編(事業・組織)の構想策定から変革の実行まで、会計・税務、戦略、人事、オペレーションを横断してワンストップで支援し、持続的な企業価値の向上を後押しします。
海運系企業は世界各地に船体を配し、事業を展開しています。グローバルに広がるグループ会社の財務システムの統一と業務の標準化は、ガバナンスの維持・向上や間接費の削減に重要な役割を果たします。財務トランスフォーメーションは、グローバルな成長を目指す企業にとって共通の課題であり、財務報告システムや業務の標準化、デジタルツールの活用やリモートワーク促進、業務の集約・シェアードサービス化、さらに生成AIやデータアナリストの採用・育成などの次世代型の経理機能の実現が求められています。しかし、デジタルツールを導入するだけでは十分な成果を得ることはできません。会計・監査・リスク管理・内部統制・各国の税制・その他の規制対応などに関する専門的な知見とテクノロジーを組み合わせた適切な施策を選択することが、財務報告の効率化やガバナンス向上の鍵となります。
海運、造船、港湾などの海事分野においてICTやIoT技術の活用が進むとともに、世界各地でこれらに対するサイバー攻撃(操船システムの乗っ取り、GPS信号の改ざん、港湾システムへの不正アクセスなど)が報告されるようになりました。このため、海事分野におけるサイバーセキュリティの確保が急務となっています。IACS(International Association of Classification Societies:国際船級協会連合)はサイバーセキュリティに関する2つの統一規則(UR E26およびE27)を公表し、2024年7月1日より新造船契約への適用が開始されました。海運会社、造船会社、舶用機器メーカーが連携しながら、サイバーセキュリティが確保された船舶を設計・建造するとともに、引き渡し後の運用段階においてもセキュリティやインシデント対応をアップデートしていくことが必要となります。