STORY Part1 無駄な仕事などない。
「自分の市場価値を最速で高めたい」。これが、SatoがPwCコンサルティングへの入社を決めた理由です。ITソリューションコンサルタントは、経営者や役員、DX担当者など、企業の意思決定者を相手に業務を行うことが多いのが特徴です。そのため、若手のうちから経営層と接することができ、難度の高い業務にチャレンジすることで、たくさんのことを吸収でき、加速度的に成長できると考えたそうです。
「将来のキャリアを考えたとき、その時々で自由な選択をするためには、選択肢は多いほどいいと思いました。選択肢を増やすためには、できることを増やして周りから求められる人材になることが必要。だからこそ、若手のうちから難度の高い仕事ができる環境に飛び込もうと考えたのです」
研修を終えて、Satoが初めに任されたのはあるプロジェクトのほんの小さな仕事でした。テレワークの導入を検討している企業に対してウェブカメラの情報を収集して提供したり、クライアント企業の業務フローをまとめたり。これらの「作業」は、当初思い描いていた「経営層に対してIT専門家の視点で提案を行う」という仕事とは異なりました。「自分のキャリアにとって、この仕事は意味があるのだろうか」。焦燥感と不安。そんなSatoを変えたのが上司からの「一見無駄に見える作業でも、必ず自分のためになるから、一生懸命取り組んでみよう」という言葉でした。
「私のモットーは『やらずに後悔するなら、やって後悔する』。私より何倍も経験が豊富な上司が言うのだから、信じて全力で取り組んでみようと決意しました」
上司の言葉は本当でした。次にアサインされたプロジェクトで、クライアントの複雑な業務を素早くフローに落とし込むことができ、円滑に議論を進めることができたのです。それ以来、小さな業務を着実にやり遂げ続けることで任される仕事が増え、入社2年目でシニアアソシエイトへ昇進を果たしました。
実作業を担うアソシエイトと、プロジェクトの主担当でもあるシニアアソシエイト。会議のファシリテーションを回しきることもシニアアソシエイトの役割です。ところが、昇進してからしばらくの期間、クライアントからの想定外の質問や指摘にきちんと答えられず、同行した上司に頼りきりになってしまうことが多かったのです。次第に、クライアントも上司にばかり質問をするように。知識不足が原因で、信頼を失ってしまったのです。
「クライアントの目がこっちを向いておらず、どうにもできない自分が悔しかったです。もちろん、会議で質問されそうな内容をあらかじめ整理するといった前準備は行っていました。ただ、自分に実力が足りていなかったのは事実です。こうなったら自分にできることをやるしかないと、地道にITの知識や業務理解を深めるところから始めました」
まず取り組んだのは、会議中の議事録を余さず書き起こし、隅々まで内容を理解すること。議論の本筋から外れる内容についても、理解できない内容があれば質問し、理解に努めたそうです。さらに、業務内容や体制を理解しようと、クライアントのウェブサイトを隅々まで閲覧するように。そうすることで徐々に信頼が回復し、主担当としての役割を果たせるようになったそうです。
チャレンジ精神としがみつくガッツ。この2つがSatoを大きく成長させたのです。