Our alumni stories:新たな道を切り拓くPwC卒業生に迫る~Vol.19 蒔田 祐貴氏編~

PwCで養った課題解決能力と市場洞察力でアフリカ開発経済に挑む

ランタン事業拡大と新規事業創出でさらなるインパクトを

森:
WASSHAに転職されて3年が経ちました。蒔田さんご自身の今後の展望についても教えていただけますか。

蒔田:
WASSHAはこれまで、ランタンのレンタルビジネスに注力してきましたが、売上としてはまだそれほど大きくありません。社会にインパクトを創出するためにも、さらなる売上と利益を追求していきたいです。他企業と協業する形で新しいビジネスモデルをつくることも含めて、既存ビジネスを土台としたステップアップを模索していきます。

例えば、WASSHAにはランタンのレンタルのために築いた小売店とのネットワークがあるので、そこに医療品やバイクの修理用品、漁業用エンジンなど、現地でニーズの高い新商品を加える方向性が考えられます。また、電力が安定していない地域向けの停電対策ソリューションのほか、より所得が高い事業者向けのミニグリッド(小規模電力網)など、当社が未電化地域で培ってきたエネルギー事業を成長させる方向でも可能性があります。

まったくの飛び地ではありますが、個人的にはモバイルマネー事業にも注目しています。アフリカでは送金のたびに2~5%程度が徴収されるなど、手数料が非常に高額です。コスト面で使いやすいモバイルマネーの需要は極めて高いでしょう。

森:
新規事業を展開するにあたって、タイムスパンはどうお考えですか。

蒔田:
POC(概念実証)であれば1年程度、実際に売上を立てるのは2~3年後を想定しています。現在のランタンビジネスに次ぐポジションを確立するには、5年程度の時間軸が目標になると思います。

森:
最後にPwCに期待することがあれば教えてください。

蒔田:
当社はまだ小さいスタートアップであり、自分たちだけでは実現できないことばかりです。余力があって投資できる企業や、自社の技術をアフリカで展開したい企業とぜひつながりたいと考えています。その点でPwCおよびアルムナイのネットワークは非常に魅力的だと感じています。

森:
開発経済は単純にお金があるユーザーに払ってもらうだけでなく、そもそも何もないところから歯車を回さなければなりません。PwCやアルムナイネットワークの中には、「開発経済」という言葉そのものを知らない方も少なくないと思います。開発経済、そしてそれを目的としたビジネスがあることを知っていただくこと自体にも価値はありますし、知らないがゆえに生み出せる新しいアイデアもあるでしょう。今回の対談やアルムナイネットワークが、その一助になれば幸いです。

本日は貴重なお話をありがとうございました。蒔田さんの今後のさらなるご活躍を期待しております。

プロフィール

蒔田 祐貴

WASSHA株式会社 EaaS事業部 ディレクター

東京大学経済学部卒業。住友電気工業株式会社に新卒入社、自動車事業本部にてワイヤーハーネス事業の営業企画に従事。退職後、東京大学公共政策大学院(修士)にて開発経済学を学び、途上国開発を志す。
2017年よりPwC Strategy&にて戦略コンサルタントとしてさまざまな業界を経験し、途上国開発に本格的に携わるべく2022年にWASSHAに参画。WASSHAでは、新製品開発・HW・SCM・タンザニア支店運営などを担当。

森 祐治

PwCコンサルティング合同会社 Strategy& パートナー

日本電信電話(NTT)勤務の後、日米の大学院で行動科学領域の研究に従事。米国でのベンチャー起業や、マイクロソフト米国法人・日本法人でインターネットおよびサービス開発、政府交渉などを経験。マッキンゼー・アンド・カンパニージャパンを経て、コンテンツ系投資ファンドを設立。同ファンドの償還後、電通傘下の経営戦略コンサルティング会社設立に加わり、その代表を経て、Strategy&のパートナーとなる。

通信、インターネットビジネス、メディア・エンタテイメント、エレクトロニクス、新規事業創出、デザインコンサルティング、未来予測、マーケティング、アライアンス設計の分野を中心にコンサルティング経験を多く有する。

情報サービス、メディア・コンテンツ領域の政府委員会委員を歴任。知的財産アナリスト認定講座(コンテンツビジネスプロフェッショナル)、デジタルハリウッド大学大学院、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科などで教鞭をとる。

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