Our alumni stories:新たな道を切り拓くPwC卒業生に迫る ~Vol.13 林佐和美氏編~

PwC時代に得た経験を糧に世界のジェンダー課題の最前線に立つ

PwC時代に学んだアプローチの柔軟性とプロフェッショナルとしての姿勢

片山:
林さんがPwCアドバイザリーに入社したのは2016年でしたね。入社当時、どのような印象を抱いていましたか。

林:
今でも鮮明に覚えているのが、入社直後に行われた全体研修です。コンサルティングとアドバイザリーに分かれる前の2カ月程度の新人研修でしたが、とても面食らいました。というのも、私は学生の時分にビジネスについてほとんど学んでおらず、求められているレベルの高さを痛感することになったからです。一方で、一緒に入社した同期の皆さんの中には、すでに社会人を経験してきたようなレベルの人たちもたくさんいました。どうにか食らいつこうと、必死に頑張った記憶があります。

片山:
林さんは研修後にPPP(官民パートナーシップ)チームに所属し、国内官民連携事業の導入可能性調査や事業者選定、報告書作成、財務分析、需要推計などに従事されました。もし今の仕事に生きている当時の経験や気づきがあれば教えてください。

林:
これまで私が働いてきた国連の事務所では、いわゆる新人教育やオリエンテーションなどが基本的にはなく、配属されたその日から自分のできる仕事をこなさなければなりませんでした。言い換えれば、即戦力として働くことを求められるのですが、PwCアドバイザリーで働いていた時に仕事の基本を身に付けられていたおかげで、新しい職場環境に比較的早くの適応することができたと思います。PPPチームでの実務経験も、プログラム分析官としての今の仕事に直接的に役立っています。

また片山さんとご一緒させていただいた美術館のプロジェクトなどを通じて、ステークホルダーの事業内容や興味・関心を理解してアプローチすることの重要性に気付くことができました。美術館のプロジェクトは大きな収益を出すようなものではなかったため、民間事業者の参画を募るためには、それぞれの興味・関心を理解してアプローチする必要がありました。ジェンダーの仕事も同様で、ステークホルダーの言語や興味・関心に合わせたコミュニケーションを取ってこそ、参画を促し、大きく前進させることができます。

公共・民間問わず、クライアントから信頼を得て仕事を任せてもらうためにはプロフェッショナルとして姿勢が不可欠です。それを学ばせてもらったのも、他ならぬPwCアドバイザリーに在籍していた時代のことです。

余談ですが、インドネシアの事務所の面接では、前職がPwCアドバイザリーであったことが採用を後押しする理由となりました。募集があったのは、インドネシアが議長国としてG20の開催を準備している時期で、仕事の内容は、ジェンダーに関するテーマのディスカッションポイントをリサーチ、報告するというものでした。G20は経済的な成長が主なテーマになっており、ジェンダーに関しても女性の経済的なエンパワーメントという観点が求められていました。いわば、社会課題に対して経済性やビジネス的な視点も含めて捉えることができる人材が求められていて、PwCアドバイザリーにいたということが採用者の目に留まり、合格に至ったと後々教えてもらいました。

片山:
林さんが新しいキャリアを築くにあたって、PwCブランドが貢献したというお話はうれしい限りです。今でもPwCのメンバーや卒業生とのつながりはあるのでしょうか。

林:
対面でお会いする機会はあまりありませんが、オンラインではたびたびコミュニケーションを取らせていただいています。直近では、退職直前に関わっていたプロジェクトのメンバーと近況報告を行いましたし、PPPチームから転職した元メンバーからは定期的に会合などに誘ってもらっています。

片山:
国際機関でPwC卒業生やコンサルティング業界出身者と交流するケースもあるのでしょうか。

林:
まだ現場でPwCの方と直接お会いしたことはありません。ただ現地の日本人の会合では、業界出身者とお会いして情報交換する機会は少なくありません。私は現在、外務省の派遣事業を通して国連で働かせていただいているのですが、同期にPwC卒業生の方がいらっしゃいました。コンサルティング業界出身者が国際機関で働くというケースも少なからずある印象です。

プロフィール

林 佐和美

UN Women中東・北アフリカ地域事務所 プログラム分析官

PwCアドバイザリー合同会社にて官民連携事業に携わった後、UN Women(国連女性機関)インドネシア国事務所およびナイジェリア国事務所にて、ジェンダー主流化、ドナーとの連携、平和・安全保障に関する業務などを担当。2023年1月からUN Women中東・北アフリカ地域事務所にて、プログラム分析官としてジェンダーに関するデータ収集・分析・活用支援、事業モニタリング支援などを担当。東京大学教養学部卒業、コロンビア大学国際公共政策大学院修士課程(国際開発・ジェンダー専攻)修了。

片山 竜

PwCアドバイザリー合同会社 パートナー

2001年にPwCアドバイザリー株式会社(当時)に入社後、PFI・PPPのアドバイザリーサービスを手掛ける。

主に国や地方自治体など公的機関へのアドバイスを中心に、近時では公的不動産の有効活用や地域活性化などにも従事。

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