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【PwCのプロボノ活動】岐阜県郡上市における林業の成長産業化を支援
2018-05-25
PwCの戦略コンサルティングチームStrategy&は、MBA留学生と協働で実施するプロボノプログラムを通じて、岐阜県郡上市で林業の課題解決に取り組むNPO法人地域再生機構1の活動を支援しました。
本プロボノプログラムは、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPwCが掲げるPurpose（存在意義）のもと、さまざまな課題を抱える自治体・非営利団体に対して、Strategy&のコンサルタントとMBA留学生がプロジェクトチームを組成し、無償のコンサルティングを提供する取り組みです。
岐阜県のほぼ中央に位置する郡上市は、土地の9割を森林が占める緑豊かな都市です。2010年3月に「郡上山づくり構想」を策定し、森林整備、木材利用、人材育成の三つの観点から森林・林業の長期的な成長施策の推進に着手しています。行政の積極的な取り組みにより木材の生産量は増加する一方で、林業経営の低収益性、林業従事者数の減少といった課題が認識されていました。
2017年6月～7月にかけて、Strategy&から5名のコンサルタントと5名のMBA留学生が上記の課題の解決に挑み、仮説の検証、関係者へのヒアリング～現地調査、郡上市林業マスタープランの策定を約3週間で行いました。郡上市林業に携わる業者や行政関係者へのインタビューを実施し、情報分析・ディスカッションを通じて以下のアウトプットを提供しました。
郡上市林業への提供価値
林業関係者の中で点在していた情報（木材価格、流通量、流通経路、など）を収集・構造化し、郡上市林業の実態を可視化するとともに、郡上市林業が抱える課題を明確化
上記課題の解決につながる短期的・長期的な計14の施策を提案し、郡上市にとって実現可能な中長期の生産計画を立案
郡上市の林業が持つ成長／改善ポテンシャルを示し、今後の林業活性化の方向性とそれに関する共通認識・議論のどだいを構築したことで、林業に意欲のある方々にとってのモチベーション向上に貢献
Strategy&では郡上市林業活性化の支援を継続するとともに、本取り組みが林業の成長産業化モデルとして全国に波及し、国内林業の再興・森林保全に貢献することを目指します。
市内の現地調査
郡上市林務課との打ち合わせ
市長への最終報告会
今回のプロボノ活動受け入れは、森林が面積の90％を占め、林業・木材産業の活性化が重要施策である当市にとって大変有益であったと考えています。森林・林業分野の専門家ではない研修生の方々からの率直かつ的確なご質問やご提言は、林業の真の成長産業化には、従来の枠組みにとらわれない視点や発想が必要であることを私たちに再認識させるものでした。また、森林環境税など新たな制度が始まろうとしているこの絶妙なタイミングに、今後の森林・林業施策の目指す方向を提案していただけたことは、誠に得難い成果だったと思います。研修生の皆様には、当市で活動されたのは3週間程度ではありましたが、重要無形民俗文化財「郡上おどり」をはじめ地域の文化にも触れていただけたとのことで大変うれしく思っております。
プロボノとは職業上持っている知識・スキルや経験を生かして社会貢献するボランティア活動ですが、今回の郡上市林業に対するご支援は、私たちコンサルタントにとっても学ぶことが非常に多い機会でした。今後のビジネスの世界では、経済価値と社会価値・環境価値を両立させていくことの重要性がますます高まっていくと思われます。林業では30‐100年先を見据えた成長プランが求められ、将来的には補助金に依存しない”もうかる”産業に変革していく必要があると考えています。今回の活動では、問題意識の高い行政関係者やNPO・社会起業家、そして優秀なMBA留学生が集い、私たちコンサルタントも議論に参加させていただくことで、多様な視点で課題に取り組むことができ、3週間という短期間でありながら、社会的意義の高い提案をまとめあげることができたと考えています。
注記
1 NPO地域再生機構：岐阜県に本部を置き、持続可能な地域社会建設活動に取り組む非営利団体法人
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