近年、企業経営に影響を与える自然災害や事故の多発に加え、サイバー攻撃やシステム障害、重要な委託先・調達先の事業停止など、業務中断の要因は多様化しています。企業間の相互連携が進む中、サプライチェーンに影響を及ぼさないために、有事においても取引先からの安定供給の要請に応えることが求められています。
また、顧客、株主、従業員など利害関係者(ステークホルダー)に対して、災害や事故などへの事前対策を十分に説明することも重要です。こうした要請に応えるためには、平常時から事業継続計画(BCP)を策定し、継続的に見直していくマネジメント(BCM)が不可欠です。
事業継続を脅かすリスクが高度化・多様化・複合化する昨今、一度BCPを策定するだけでは十分とは言えません。変化し続けるリスクに対応し、計画を常に「生きた状態」に保つための継続的な改善活動(BCM)が求められますが、その実行は決して容易ではありません。
全社で重要業務の優先順位を揃えることの難しさ、組織やシステムの変更にBCPの更新が追い付かない現実、訓練が形骸化し真の課題が見過ごされるといった「実行上の難所」が、多くの企業で共通の課題となっています。
※複数のお悩みが該当する場合は、「A. クイックアセスメント」から着手し、最初に優先順位を整理することをお勧めします。
BCP/BCMの見直しは、全面改定でなくても進められます。クイックアセスメントからスタートして、優先度の高い領域から段階的に実効性を上げていくこともできます。以下の5つのサービスは、お客さまの課題に応じて個別にも、組み合わせてもご活用いただけます。
PwC Japan有限責任監査法人のサービスは、BCMの継続的改善サイクル(PDCA)に沿って設計されています(図表1)。
図表1:BCMの継続的改善サイクル(PDCA)
出所:PwC Japan有限責任監査法人
現状のBCP/BCMについて適切な運用が行われているかを調査し、課題と改善事項を分析します。すべての取り組みの出発点として、まず「今どこに立っているか」を明確にします。
業務中断時に影響の大きい重要業務・重要サービスを定義し、影響の時間軸に沿って優先順位を揃えます。「どの業務が、どの程度の期間停止すると、経営にどれだけのインパクトを与えるか」を可視化し、復旧戦略や切り替え判断の基準を具体化します。
全社・部門・拠点へ展開できる文書体系を整備し、平常時の更新が回る態勢を構築します。「誰が、いつ、何をすべきか」が明確で、有事に迷わず行動できる文書作りを目指します。
訓練を単なるイベントで終わらせず、BCPの実効性を高めて「使える状態」に近付けるための仕組みにします。訓練で得られた課題を確実に次の改善につなげ、BCMサイクルの起点とします。
重要業務に関わる調達先/委託先やサプライチェーン全体を考慮し、自社のBCP/BCMだけでは事業が継続できない領域について、外部依存を含めた事業継続力を整備します。
BCP/BCMは、論点が広く関係者も多いため、検討の結果を「次の判断に使える形」で残すことを重視しています。重要業務、復旧目標、代替手段、訓練の結果といったポイントを、後から見返しても迷いにくい形で整理し、関係者の共通理解につなげます。以下は一例です(図表2、3、4)。
図表2:業務影響度分析・経営資源分析イメージ
図表3:BCP文書・手順書一式の構成イメージ
図表4:訓練設計書・シナリオイメージ、訓練評価イメージ
BCP対策やBCM態勢を構築・強化することで、有事への備えはもちろん、平時における企業価値の向上やビジネス機会の拡大といったプラスの効果が期待されます。
事業中断からの迅速な復旧体制を構築することで、顧客への影響を最小限に抑えます。有事においても安定した製品・サービスの供給が可能なパートナーとして取引先からの信頼を獲得し、サプライチェーン全体における自社のプレゼンスを高めることができます。
事業影響度分析(BIA)の過程で、自社の重要業務やそれに不可欠な経営資源(人、IT、拠点、情報など)が客観的に可視化されます。これにより、平時におけるリソース配分の最適化や業務プロセスの改善が進み、より強固で効率的な経営基盤の構築につながります。
危機に強いレジリエントな経営体制は、顧客や取引先だけでなく、株主・投資家からの評価を高めます。強固なBCM態勢を構築しているという事実は、企業のブランドイメージを向上させ、取引先選定における競争優位性となり、新たなビジネス機会の創出にも貢献します。
社内外の環境の変化や、事業構造・委託先・IT基盤の変化、想定事象の追加などにより、BCP/BCMは常に見直しが求められます。平時からPDCAサイクルを回し、BCP/BCMを最新の状態に保っておくことが必要です。
事業影響度分析(BIA)からBCP策定、訓練、評価、見直しというBCMのライフサイクル全体を通じて、クライアントと一体となって実効性を追求します。机上の空論で終わらせないための具体的な訓練シナリオの策定や、改善活動が組織文化として定着するまでのプロセスを、現場の視点に立って最後まで伴走支援します。
サプライチェーン、IT、サイバーセキュリティ、人事、会計、法務など、各分野のプロフェッショナルが緊密に連携します。これにより、事業の一部門に閉じた施策ではなく、経営視点で事業全体を俯瞰し、複合的なリスクシナリオにも対応可能な、横断的かつ実効性の高い事業継続マネジメントの構築を実現します。
世界151カ国に及ぶグローバルネットワークを最大限に活用し、国内外のガイドラインや事例を踏まえたプラクティスを提供します。グローバルサプライチェーン全体の可視化とリスク評価、海外拠点を含めたBCP策定など、グローバルレベルでの事業継続体制構築を強力に支援します。