季節・トレンド・リニューアル対応、複雑な需要変動をAIで予測

PwCコンサルティング、ホーユーにAI需要予測ソリューションを導入

2026年7月2日
PwCコンサルティング合同会社

PwCコンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長:樋崎 充、以下「PwCコンサルティング」)は、ヘアカラーを中心とした頭髪化粧品メーカーであるホーユー株式会社(愛知県名古屋市東区、代表取締役 社長執行役員:佐々木 義広、以下「ホーユー」)に対し、AI需要予測ソリューション「Multidimensional Demand Forecasting(以下、MDF)」を導入し、2026年5月より本番稼働を開始しました。ホーユーはMDFの高い実効性と柔軟性を評価し、PoC(概念実証)の開始から、6カ月で本番導入を完了しました。
今回の導入範囲は、日本国内市場の定番品(一般消費者向けおよびプロフェッショナル用)約6万予測対象(品目、エリア等)に及びます。MDFは、月次で全モデルを最新データに基づき再学習し、3カ月先の精度向上に重点を置きつつ、最大18カ月先までの需要予測値を算出。欠品リスクの回避や在庫・廃棄の削減を目指し、サプライチェーン全体の高度化に資する重要な取り組みとなります。

導入の背景と目的

ホーユーでは、製品廃棄や欠品の増加、属人的な需要予測手法による精度のばらつき、SKU数の増加に加え、予測対象を細かくしたことによる分析負荷の高まりなど、サプライチェーン全体の最適化が課題となっていました。また、中長期的な需要見通しが継続的に算出されていなかったため、生産ラインごとに個別で数量を算出するなど、需給計画全体の負荷も大きくなっていました。

こうした背景から、MDFの導入により、欠品リスクの回避、在庫・廃棄の削減、生産計画変更の負担軽減を実現し、需給調整の高度化ならびにサステナビリティ推進に取り組みます。今後は、月次の需給調整会議において、MDFが算出する需要予測値を基に、需要と生産能力を計画レベルで調整し、欠品や過剰在庫を最小限に抑える運用体制の確立を目指します。

需要予測における事業課題

ホーユーは、「ビゲン」「シエロ」「ビューティーン」「ビューティラボ」や、プロフェッショナル用の「プロマスター」「プロステップ」など多様なブランドを展開し、ヘアカラー製品は消費財(CPG)ならではの需要予測の難しさを抱えています。入学・卒業式、成人式、年末年始、夏季休暇前などの季節行事に加え、近年日本に浸透したハロウィーンなど新たなイベントも需要を喚起しており、年間を通した需要の変動に正確に対応していく必要性が高まっています。

また、トレンドに敏感な若年層のおしゃれ染めは、壮年層の白髪染めとは需要構造が根本的に異なり、春夏・秋冬のファッションシーズンごとにトレンドカラーの入れ替えやリニューアルが頻繁に行われます。リニューアル時には旧品の過剰在庫や新品の欠品(機会損失)が発生しやすく、価格改定前の駆け込みと改定後の反動減、一般消費者向けとプロ用という顕著に異なる需要パターン、納入先ごとの個別事情など、従来の手法では対応しきれない複雑さがありました。

CPG業界固有の特性に対応するMDFソリューションの特長

MDFは、以下の標準機能によって、さまざまな業界・製品特性に柔軟に対応可能なソリューションです。今回の導入においても、CPG固有の課題にきめ細かく対応しています。

  • 商流×チャネル別最適化
    一般消費者向け・プロ用の商流特性を踏まえ、納入先ごとの個別最適モデルを自動選定
  • トレンド追随対応
    需要のトレンド(上昇・下降)をタイムリーに検知し、予測へ反映。予測乖離を防ぎ、廃棄・機会損失を最小化
  • イベント・季節性への対応
    主要イベントやファッションシーズンの需要影響を個別にモデル学習し、年次変動に自動適応
  • リニューアル品対応
    旧品・新品の需要カーブをモデル化し、多対多の色番組替えにも対応。廃棄・機会損失リスクを低減
  • 価格改定対応
    価格改定に伴う駆け込み需要と反動減というイレギュラーな動きに対応
  • 組数単位の自動検出
    出荷実績から組数単位を自動検出し、組数ベースで予測。需要の発生パターンをより明瞭に把握
  • 毎月の全モデル再学習
    最新の実績データで全モデルを毎月再学習し、常に最適な状態に更新された予測モデルを維持。経時的な予測精度の劣化を未然に防ぎ、継続的・安定的な運用を実現

ヘアカラーをはじめとするCPG製品は、季節性、ファッショントレンド、多品番展開、複雑な商流構造が絡み合い、一般的な予測ツールの適用が困難とされてきました。今回の導入では、MDFの豊富な機能を活用することで、この複雑な需要構造への対応を実現しています。

また、一般消費者向けとプロ用という異なる商流に単一ソリューションで対応し、全社の需給計画として整合性のとれた予測値を提供することで、サプライチェーン全体の計画精度向上に寄与します。

以上


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