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自然災害、サイバー攻撃、地政学的緊張、経済安全保障――。企業を取り巻くリスクが多様化・複雑化するなか、企業経営者が特に警戒すべき領域の1つが、地域・国境・企業間をまたぐサプライチェーンでしょう。長大な鎖のどこに、いつ、どんなリスクが絡むか分からないほか、財務的損失にとどまらず、ブランド価値の毀損や顧客・取引先への波及など、甚大な被害がおよぶ可能性があります。
サプライチェーンは単なる調達・物流の機能ではなく、複合的なリスクに常にさらされる企業活動の生命線です。事業継続の前提に織り込み、いち早くレジリエンス(強靭性)を高めた企業こそ、他社に比べて競争優位を確保しやすくなるでしょう。
こうした問題意識に立ち、PwC Japanグループはサプライチェーンリスク管理の実態と課題を捉える国内調査を実施しました。多様な業種・規模の企業の部門長から経営幹部までを対象に、サプライチェーンを取り巻く12のリスクへの意識や対応状況を集計。各リスクをどの程度「経営課題」として捉え、どこまで対策に踏み込めているかを検証しました。浮かび上がってきたのは、下記の5つの構造的な課題です。
※本ページの詳細な内容はPDFに記載
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【図表1】
【図表2】
サプライチェーンを取り巻く12のリスクへの懸念は、1位が「災害」(60%)で、「サイバー」(47%)「情報漏洩」(40%)が続きました。残る9種類のリスク(「ESG/環境」や「地政学」など)は、6種類が31~38%で3種類が20%台前半にとどまります(図表1)。一方、対策が「実行・モニタリング段階」にまで達するのは、「災害」でさえ半数をわずかに下回りました。30%台も少なくなく、懸念する割合の低さと同様に、対策の遅れが目立ちます(図表2)。
【図表3】
企業がリスクの高さを評価する要素は、いずれも影響額が比較的見積もりやすい「売上」(60%)と「事業継続」(53%)が目立ちます(図表3)。他方、具体的な企業価値の毀損がイメージしにくい「レピュテーション」は29%にとどまりました。浮かび上がるのは、影響額を見積もりやすい要素に重きを置いてリスクを評価している傾向です。
こうした評価軸の偏りによって、レピュテーションの毀損といった非財務領域へのダメージを適正に評価することが難しくなり、「ESG/環境」や「人権/労務」などのリスクに対する懸念の低さや対策の遅れにつながっている可能性があります。
多様なリスクが企業を取り巻く中、サプライチェーンの危機管理に対する意識や対応が追い付いていない実態が、本調査を通して浮き彫りになりました。その根本にある構造的な課題を解消し、真に強靭なサプライチェーンを構築するには何に取り組むべきでしょうか。処方箋として、以下の5つの変革を提言します。
サプライチェーンは企業の「生命線」です。リスクが複合的に絡む時代において、その強靭化は損失回避の「守り」にとどまらず、安定した事業運営と顧客からの信頼を勝ち取る「攻め」の経営戦略となります。
PDF本編には、「災害」「品質」「サイバーセキュリティ」「ESG/環境/人権/労務」の各リスクを分析し、掘り下げた対策も提示しています。全体を通じた提言と、個別領域ごとの具体策を重ね合わせ、自社のサプライチェーンリスク管理を点検・強化するための実践的な指針としてご活用ください。
調査目的日本企業におけるサプライチェーンリスクマネジメントの実態把握
全国の企業の経営層、経営企画、サプライチェーン・購買・物流、リスク管理、情報システムなどの部門に所属する役職者
有効回答数288名
インターネット調査
2025年9月3日~9月11日、10月28日~11月6日
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