SDV消費者アンケート調査2025

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  • 2026-02-13

はじめに

社会やユーザーのニーズの変化に伴い、自動運転車や電動車の普及、モビリティの継続的な価値向上のために、SDV(Software-Defined Vehicle)領域における官民の取り組みが加速しています。

各国において、ソフトウェアを中心とした車両開発が進み、OTA*を含む車のソフトウェアアップデートも普及しつつあります。日本においては、経済産業省および国土交通省が2025年6月「モビリティDX戦略」をアップデートし、AI技術の活用、SDV開発に対応した産業構造の構築、地政学リスクに対応したサプライチェーンの強靭化などの取り組みが行われています。

*OTA:Over The Air。無線通信によるソフトウェア更新

こうした中でPwCは、各領域のケイパビリティを結集させた「SDVイニシアチブ」を発足し、ソフトウェアを基軸とした新たな価値創造に向けた幅広い支援を提供しています。

本レポートでは、一般消費者のSDVに対する理解や価値観を把握することを目的として、5カ国(日本、米国、ドイツ、中国、インド)を対象に「SDV消費者アンケート調査2025」を実施しました。

なお、PwCは本レポートに加えて、自動運転xAIに関する消費者アンケート調査も実施しております。あわせてご一読ください。

アンケート結果概要

日本では7割がSDVという言葉を“全く”知らない。
一方インドでは7割がSDVを認知

自動車業界内ではSDVという言葉は広まっていますが、一般消費者には未だあまり馴染みのない用語ではないかという仮説のもと、SDVの認知度に関して調査しました(図表1)。

図表1:「SDV(Software-Defined Vehicle)」という言葉を知っていましたか。

米国、ドイツ、中国では半数程度は認知していましたが、日本のSDVに関する認知度の低さ、その逆にインドの認知度の高さが際立つ結果となりました。一般消費者がSDVという用語を知っているかどうかはあまり重要ではなく、SDVを活用した機能やサービスを認識し、購買に影響するかどうかが重要ではありますが、国ごとの認識の違いを理解した上で、各機能およびサービスのプロモーションを行うことが肝要と言えます。

中国・インドでは8割以上がSDVに対して魅力を感じている一方、
日本では6割以上がSDVに対してまだ魅力を感じられていない

回答者にSDVとはどのようなものかを理解してもらった上で、SDVに対してどの程度魅力を感じるかを調査しました(図表2)。

図表2:「SDV(Software-Defined Vehicle)」1)にどの程度魅力を感じますか。

最初の問いと同様に、インドは85%が魅力を感じ、日本は33%と低い結果となりました。中国においても83%が魅力を感じるという回答で、SDVという用語自体は認知していない場合でも、実際の機能やサービスには魅力を感じていることが分かりました。中国で近年販売される多くの車がSDVとなっており、一般消費者としても魅力を感じているものと推察されます。

依然として車両購入時の品質や完成度に対する要求は各国共通して高いが、日本・中国・インドでは購入後に改善や機能追加される車にも魅力を感じる割合が他国と比較して高い

SDVならば、スマートフォンのように購入後も新しい機能やサービスを追加したり、不具合があってもソフトウェア更新ですぐに改善したりすることができます。その場合、購入時の品質が低下したとしても受け入れられるかどうかを調査しました(図表3)。

図表3:どちらの車を購入したいと考えますか。(A:購入時高品質 vs. B:購入後改善可能)

SDVに強く魅力を感じる中国およびインドにおいても、SDV化した場合でも購入時の品質要求は高い結果となりました。他方で、購入時の品質や完成度が劣ったとしても、その後改善される方が魅力的という意見も2割程度あり、販売時の完成度および品質と販売後の継続的な価値提供の両方を追い求める必要があると言えます。

SDVにより提供されるサービスとして、各国共通して走行性能に対し比較的高いニーズが見られる。一方で、日本では車内WiFiによる快適なスマホ利用も他国比較で多く求められる傾向

SDVの機能やサービスにはさまざまなものが存在します。想定される代表的な機能を8つ挙げ、その中から最大3つ選択してもらうことで特に興味のある機能・サービスを調査しました(図表4)。

図表4:SDVで提供される機能・サービスで関心があるものを最大3つ1)選択してください。

国ごとで関心がある機能・サービスに有意な差は見られませんでしたが、各国共通して「運転支援機能」および「燃費/電池性能」といった走行性能への関心が高いことがわかりました。日本においては若干、車内WiFiの割合が高く、SDVではなくスマホをどこでも快適に利用したいといったニーズが推察されます。

結果まとめ

共通してSDVを通じた価値提供を進めつつ、中国・インド向けや日本・米国・ドイツ向けなど国に則した機能やサービス、販売モデルを検討することが肝要

SDVに関し、全体として中国およびインド、米国およびドイツ、そして日本とで消費者の意見が分かれる傾向が見られました。他方、SDVに期待する機能・サービスや不安・懸念に関しては、現時点では5カ国で共通する部分が多くみられました。企業側はさまざまな側面を慎重に精査した上で提供するサービスの内容や方法を吟味する必要があると考えられます。

  • インドでは70%がSDVを認知しており、中国と共に80%以上がSDVに対する魅力度・関心が高いと回答。現時点においても、中国およびインドはSDVの重要な市場であると考えられる。
  • 米国およびドイツでは、40%程度がSDVを全く知らないと回答。同時に60%以上がSDVへ魅力を感じている。
  • 他方、日本では70%がSDVを全く知らないと回答。魅力に関しても30%程度と他国と比較し低い。企業側のSDV取り組みが進んでいる一方、一般消費者の体験や価値に対してSDVとの紐づきが認識されていない状況が推察される。
  • 各国ともに、購入時点における品質は求めているが、購入後の機能追加時/サービス利用時の追加費用に対してはバランスが求められる傾向。他方、中国においては車両購入後の追加機能/サービスに対する購入欲が高い。
  • SDV化に伴う車両の保有期間に関しては、中国およびインドが現状よりも長くなる傾向で、米国およびドイツは少し長くなると回答。日本においては現状と変わらないと回答。
  • 中国およびインドでは、高性能半導体や最新のE/Eアーキテクチャの有無が購買欲に影響する傾向にある。
  • 各国共通して、SDVで提供される機能・サービスのうち、自動運転支援や燃費・電池性能最適化といった自動車本来の機能に関するニーズが高い。
  • 米国、ドイツ、中国では50%以上が有料の月額サービスを利用してもよいと考えている。また、インドは87%が有料サービスに対して寛容的な意見。他方で、日本は62%が無料でないと利用しないと考えており、現時点においては料金に対する各国消費者の傾向は大きく異なる。
  • SDVに対する不安/懸念として、「機能(ソフトウェア)不具合/信頼性」、「セキュリティ」および「プライバシー」の3つが最も多く過半数以上を占める。これらは身近にあるPC、スマートフォンとも共通する不安/懸念であり、車に置き換えてイメージが容易であったと推察される。
  • SDVの普及にはこれら不安/懸念の払拭が必要であり、機能/サービスの追求と並行し、足元の品質/信頼性/セキュリティを担保することに加えて、不具合発生時に迅速に対応し即座に不安/懸念を解消できる仕組み/体制作りも重要となる。

調査概要

方法

オンラインアンケート調査

期間

2025年11月25日~12月2日

対象

日本、米国、ドイツ、中国、インドにおける20~60代の男女

サンプル数

各国500名ずつ、合計2,500名

属性(年代)

属性(自動車の利用頻度)

属性(自動車の保有形態)

SDV消費者アンケート調査2025

( PDF 1.21MB )

執筆者

渡邉 伸一郎

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

Email

糸田 周平

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

松下 尚裕

マネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

近藤 将吾

シニアアソシエイト, PwCコンサルティング合同会社

Email

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