First take 金融規制の動向

2016-04-22

2016年3月4日、バーゼル銀行監督委員会(Basel Committee on Banking Supervision: BCBS)は、オペレーショナルリスクに係る資本計測の枠組みとして、「オペレーショナルリスクに係る標準的計測手法」(Consultative Document: Standardized Measurement Approach for operational risk)と題する第二次市中協議文書を公表し、新しい標準的計測手法(Standardized Measurement Approach: SMA)の案を提示しました。今回のこの第二次市中協議文書は、2014年10月公表の第一次市中協議文書を踏まえた更新版として作成されており、SMAは、従来の標準的手法(the standardized approach:TSA)だけでなく、先進的計測手法(Advanced Measurement Approach: AMA)をも置き換える手法となると述べています。
SMAでは、業界全体での比較がより容易となるよう、簡便な方法を用いて規制上の所要資本(regulatory capital levels)を算出します。しかしながら、AMAを廃止することにより、金融機関はモデル手法や仮定に基づいて自己資本要件へのインパクトを算出することができなくなり、結果として、オペリスクに係る必要資本を押し上げる可能性があることに留意すべきとPwCは考えます。

SMAに関する10のポイント

  1. AMAの廃止
  2. 当局は「簡便性」を採る
  3. Business Indicator(BI)の見直し
  4. ILMに関する事項は現時点では未定
  5. 悪魔は「データ」に宿る
  6. 金融機関による「宣誓」が求められる可能性
  7. 損失データの除外要件については不透明
  8. オペリスク量は増大するがメリットはある
  9. オペリスク管理はこれまでと同様に実施すべき
  10. 今後の方向性
First take 金融規制の動向

PwC United States