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PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問
岡田 至康 監修
2026年1月5日、OECDはBEPS包摂的枠組み(IF)の147メンバー国・地域が、第2の柱グローバルミニマム課税ルール(GloBEルール)に基づく新たな執行ガイダンスパッケージに合意したことを公表した。合意された「Side-by-Side Package」には、恒久的な簡易実効税率(ETR)セーフハーバー、移行期間国別報告(CbCR)セーフハーバーの1年延長、実質ベースインセンティブ(税恩典)セーフハーバー、適格国に係るSide-by-Side(SbS)セーフハーバーおよび最終親事業体(UPE)セーフハーバー(今後のこの両セーフハーバー状況確認のコミットメントもあり)が含まれる。OECDは今年後半にさらなる簡素化に向けたハイレベルの作業プログラムを予定している。本パッケージは、2025年1月の米国による第2の柱への支持撤回(本誌2025年3月号参照)、Section 899(案)および撤回(本誌2025年5月号、6月号、7月号、8月号参照)、そして2025年6月のG7合意での米国ミニマム税規定を考慮したSbSアプローチ案(本誌2025年8月号参照)に続くものである。本パッケージはGloBEモデルルールのコメンタリーに組み込まれる。
本パッケージの中心はSbSセーフハーバーであり、適格国・地域に本拠がある多国籍企業は、一定の適格性および選択要件を満たせば、国内外の全事業(JVとJV子会社持分を含む)で、IIR(所得合算ルール)/UTPR(軽課税所得ルール)のトップアップ税額はゼロになる(2026年1月1日以降に開始する会計年度に適用)。2026年1月5日現在、米国はOECD中央記録(Central Record)で適格要件を満たす唯一の国である。SbSセーフハーバーの対象国・地域は、「適格国内税制」(注1)と「適格ワールドワイド(worldwide)税制」(注2)の両方を有し、QDMTT(適格国内ミニマムトップアップ税)に対して外国税額控除を規定し、適用時期に係る特定要件を満たす必要がある。本パッケージでは、2029年までに企業や国・地域間の競争上の歪みを評価するための将来的見直しを見込んでいる。QDMTTは本パッケージおよびこれらのセーフハーバーの影響を受けない。なお、2024年および2025年については、GloBEルール制定国・地域におけるコンプライアンスが求められる可能性がある。
(注1) 「適格国内税制」の要件は、当該国において、(ⅰ)法定名目法人所得税率(優遇調整及び地方法人所得税考慮後)が20%以上、(ⅱ)財務諸表所得に基づいて15%以上の名目税率で課税されるQDMTT/法人代替ミニマム税があること、(ⅲ)本拠を置く多国籍企業グループの全体国内利得が15%未満の実効税率課税となる実質的リスクのないこと、である。
(注2) 「適格ワールドワイド税制」の要件は、(ⅰ)居住企業の国外所得の全てに(CFC(被支配外国会社)の能動的・受動的双方の所得について)包括的税制を課すこと、(ⅱ)BEPS(税源浸食利益移転)リスク軽減を狙いとしたしっかりとした一方的措置を組み込んでいること、(ⅲ)当該国に拠点を置く対象多国籍企業グループがその国外事業の全体利得について15%未満の実効税率課税となる実質的リスクのないこと、である。
2026年1月1日以降に開始する会計年度について、新たなUPEセーフハーバーが適用される(選択制)。UPE国・地域に「適格UPE制度」(注3)がある場合、UPE国・地域内の利得に関してUTPRの適用対象外となる。適格制度は中央記録に記録され、上述同様の見直し規定の対象となる。なお、SbSセーフハーバー同様、現時点では米国のみが「適格UPE制度」の条件を満たすことが見込まれる。
(注3)「適格UPE制度」の要件は、上述(注1)と同旨。
IFの主な簡素化提案は、新たな恒久的な簡易ETRセーフハーバー(SESH)であり、適用対象の多国籍企業の事業に係る多くの国・地域でのコンプライアンス負担の軽減を目的としている。検証対象国・地域(Tested Jurisdiction)がSESHの適格となる場合、その国・地域のトップアップ税は会計年度においてゼロとなる。適格となるには、国・地域において(1)ミニマム税率(15%)以上の「簡易ETR」、(2)「簡易損失」のいずれかを満たす必要がある。簡易ETRおよび簡易損失の計算上、M&A取引の特別ルール、移転価格調整、クロスボーダー税配分などに係るかなりのデータ収集と調整が必要となる。2027年、または特定の状況下では2026年からの会計年度に適用される。SESHでは、第2の柱に係るいくつかの厳格な点(DTL(繰延税金負債)リキャプチャー規定、繰延税金再評価等)を維持している。
OECDは既存の移行期間CbCRセーフハーバーを、2027年12月31日以前に開始するすべての会計年度(2029年6月30日後に終了する会計年度を除く)に1年延長する(ETR率は17%を維持)。納税者はCbCRセーフハーバーまたはSESHの適用を選択できる。
このセーフハーバーの下では、特定の適格税インセンティブ(QTI)が対象租税額(またはSESHを利用している場合は簡易対象租税額)に加えられ、実質的に追加税金が支払われたかのように扱われる。また、適格還付税額控除や市場性移転税額控除をQTIに含めることも選択できる。QTIは一般的に適格給与コストまたは適格減価償却費のいずれか大きい額の5.5%の上限がある他、多国籍企業グループは国内の適格有形資産の帳簿価値の1%の上限の選択もできる。法律上広範に利用可能で、国内の実際の活動に連動している税インセンティブのみが対象となる。実際の支出や物的生産に基づくインセンティブも含まれる一方、コストを超えるインセンティブ、利得に基づくインセンティブまたは有形活動に関連しないインセンティブは対象外となる。
Source:PwC, Global Tax Policy Alert
政府は2025年法人所得税法(CIT)に係る新規定(Decree)を公表した。本新規定は、署名日(2025年12月15日)に発効し、2025課税年度から適用される。本規定は、CIT免除利得(農業、林業、漁業、塩生産、技術移転、「グリーンファイナンス」や環境関連、政府投資支援基金に係る利得等)、収益認識(銀行、証券、保険等は関連法、金融デリバティブサービスは会計基準および規則に従う)、国外投資に係る利得(従前の送金時ではなく、発生ベースでの課税(外国税額控除あり))、損金算入/不算入費用(例えば、規制上限を超える残業代支払い、禁止商品や事前登録等がないサービスに係る広告費等。なお、VAT規則に合わせた非現金決済に係る閾値(500万VND)がある他、一定の支出について特に適切な証拠資料の保存が要件)に関してより詳細に規定している。「特別」投資インセンティブ(一般に登録投資資本に係る10年以内での払戻しが適格性維持の要件)や当該区域の定義(50%超がインセンティブ域外でも10年間は一定条件の下でCIT税率17%の適用可能性あり)、拡張プロジェクトの閾値(インセンティブ分野ベースで400億VND、インセンティブ区域ベースで200億VND。なお、一定の登録資本払戻しおよび課税利得発生要件あり)を含め、CITインセンティブが大幅に見直される(区域ベースの場合、製造業は同区域外への販売利得も対象の一方、トレーディングやサービス業の場合は同区域内での稼得利益に限定)。また本規定では、デジタル恒久的施設(PE)、「グリーン」活動およびR&Dに係る上限200%の特別控除(super-deduction)(これにより欠損になることは認められない)、グローバルミニマム税規定との相互作用(例えば、ベトナムに割り当てられた一定のトップアップ税の控除可能性)等、多くの新概念や優遇措置を導入する。移行規定により、2025年からの制度適用選択に係る一定の柔軟性があり、既存のインセンティブや繰越欠損金の取扱いが明確化される(経過措置あり)。
Source:PwC Vietnam Newsbrief
2026年1月1日施行の新税法では、国内源泉所得に対する非居住者の課税に関して、以下を含む、多くの規定が改正される。
現行の国内税法では、一定の要件を満たす場合(非居住者が特典税制を有する国・地域に登録されていないこと、譲渡対象の株式/持分の保有期間が3年超であること、譲渡対象の事業体が地下資源利用者(subsurface user)でないこと)に限り、非居住者が国内事業体を直接/間接に譲渡して得たキャピタルゲインが免税となっている。2026年以降は、この免税は国内事業体が発行する債券(デットセキュリティ)の譲渡によるキャピタルゲインにのみ適用され、国内事業体の株式/持分の譲渡によるキャピタルゲインには適用されないことになろう。
新税法では、配当を支払う国内事業体の資本の25%以上を直接/間接に保有する非居住者(特典税制を有する国・地域の非居住者を除く)の配当所得に対し、源泉税率5%の軽減税率を導入する。軽減税率5%は、23万最低月額計算指数(Minimum Monthly Calculation Index、概ね190万米ドル相当)の限度額の範囲内で適用される。配当額が当該限度を超える場合、超過部分には標準税率15%が適用される。
非居住者(特典税制を有する国・地域の非居住者を除く)に支払われる貸付金および債券(デットセキュリティ)に係る利子所得は、10%の源泉税の対象となる。
新税法では、関連者である非居住者に所得を支払う源泉徴収義務者に係る租税条約の自動適用の要件を簡素化する。
Source:PwC, International Tax News
ツーク州(カントン)では、研究開発(R&D)およびサステナビリティに関するインセンティブを創設するための州法(法律および条例)を可決した(2026年1月1日施行)。これらのインセンティブは第2の柱に適合しており、州は新たな施策に対して年間1億5,000万スイスフランの予算を計上している。ツーク州に税務上のネクサス(法人または支店によるものを含む)を有するすべての法人は、以下の分野で活動している場合、原則として対象となる。
基礎研究、応用産業研究、実験的開発、DEMPE(開発、改良、維持、保護、活用)関連活動などの革新的活動が助成対象となる。加えて、スイスで実施される臨床試験も適格活動とされる。適格な人件費の25%(インフラコストについては35%の上乗せを適用)および臨床的研究関連費用が、原則として補助金請求の対象となる。
上流の温室効果ガス排出量(GHGプロトコルのスコープ3.1)を削減する企業が助成対象となる。適格となるには、購入した財・サービスの排出集約度を削減し、オフセットや類似の手段を用いずに、CO₂換算で5万トン以上の排出削減を達成する必要がある。助成の上限額は、年間のCO₂換算削減量1トン当たり30スイスフランとなっている。
申請は、2024会計年度からの財務データに基づいて、2026年3月1日から提出可能である。初年度の申請期限は2026年5月31日となっている。申請は電子プラットフォームを通じて行う必要がある。
Source:PwC, International Tax News
欧州委員会は、2025年11月19日、租税分野における執行協力に関するEU指令についての第2次評価(対象期間は2018年~2023年)を公表した。欧州委員会は、DACは税の透明性と協力を高める効果的で機動的な枠組みであり、年間約68億ユーロの歳入増加に寄与していると結論づけている。本評価では、簡素化、EU加盟各国におけるDAC基準のより一貫した適用、より強力なペナルティー、データマッチングの改善、ならびに報告・情報交換システムのデジタル刷新を提言している(注)。委員会報告書では、一連のDAC改正(本評価対象のDAC1からDAC6まで)によって自動的情報交換が大幅に拡大し、リスク評価、管理、自発的遵守に向けたデータの量と活用が増大したと結論づけている。他方で、本報告書では、DACの枠組みが有効で費用対効果も肯定的としつつ、特に企業に対し相当の事務負担を課している点も指摘している。報告された年間の継続的コストは、全ステークホルダー合計で約6億4,600万ユーロと見積もられ、そのうち約6億400万ユーロが企業の負担となっている(うち約5億5,000万ユーロはDAC2に起因)。本評価では、データ品質・マッチングの課題、加盟国間の適用の分断化(特にDAC6)、および一貫した遵守を損ない得る大きく乖離したペナルティー制度が浮き彫りとなっている。なお、DAC4で定められた国別報告(CbCR)による歳入見込み(年間税収で56億ユーロ)は、管理コストがはるかに高いDAC1およびDAC2(金融口座情報の自動的情報交換)によるものを大きく上回っているように見受けられる。本評価によれば、DAC1およびDAC2による情報交換は、概してタイムリーで完全性が高く品質も良好であり、クロスボーダー活動のモニタリングや申告内容の裏付けに広く用いられている。DAC3およびDAC4については、適時(タイムリー)性は満足できるものの、納税者識別番号(TIN)やルーリングサマリーの記載内容の限定性など、完全性に係る課題が残っている。DAC6は、解釈の複雑性と加盟国間の適用の不均一性を抱え、競争条件の公平性や法的安定性への懸念を生み、過少報告・過大報告の双方につながっている。なお、本報告書では、旧UNSHELL提案(税務上のペーパー事業体の濫用防止措置。)に言及し、その原則をDACの枠組みに統合する可能性を示唆している(DAC6にUNSHELL型のホールマークを追加する形での実装を以前から検討している)。また、特にDAC6に関して、解釈の相違とコンプライアンス上の摩擦を軽減するため、欧州委員会はガイダンスを導入する意向であるとしている。
(注)欧州委員会は、2025年12月16日~2026年2月10日まで、DACの簡素化等に係るコメントを募集している。
Source:PwC, Tax Policy Alert
ハイブリッドワークの増加傾向を踏まえ、オランダとドイツは二国間の租税条約に関する議定書に合意した(批准書の交換後、2025年末に発効し、2026年1月1日から適用)。
現行のドイツ・オランダ租税条約では、クロスボーダー勤労者は原則として実際の勤務地国で課税される。例えば、オランダ居住者がドイツの雇用主の下、ドイツで勤務する場合、雇用(給与)所得はドイツで課税される。他方、雇用主の所在地国や通常の勤務地国とは異なるオランダの自宅から勤務する場合、その在宅勤務日に対応する所得はオランダで課税される。このクロスボーダー勤労者に関する重要な改正がなされる。新たな条約文によれば、オランダとドイツの間のクロスボーダー勤労者については、居住地国での勤務日数が34日を超えない限り、在宅勤務日は居住地国ではなく通常の勤務地国のみで課税される。さらに、この取扱いは第三国での勤務日にも適用される。ただし、居住地国と第三国との間の租税条約に基づき、第三国での勤務日に係る報酬が当該第三国で課税され得る場合には、この限りではない。
34日基準の計算にあたり、居住地国または第三国で30分間以上勤務し、その日に対する報酬を受ける場合に限り、その日をカウントする。オランダとドイツの両国は「勤務日」を、従業員が業務を行い、その対価の支払いを受ける日と定義している。
両国は、年間34日を超えて居住地国から在宅勤務する選択肢を含め、クロスボーダーのリモートワークに対するより包括的な解決策について、交渉を継続することで合意している。両国は、在宅勤務が恒久的施設(PE)を構成するかどうかに関して明確化を目指し、執行・税務上の不確実性を低減しようとしている。
なお、これらの改正は既存の社会保障協定と完全に整合しているわけではない点に留意が必要である。
Source:PwC Netherlands
2025年12月11日、EU司法裁判所(CJEU)は、複数国で勤務する従業員が自国(居住地国)で職務の「相当な部分(substantial part)」を行っているかどうかの評価方法について明確化した。中心的な争点は、EU・EEA・スイス域外で行われた業務(第三国での業務)を評価に含めるべきかどうかであった。従業員が複数の国で勤務する場合の基本原則として、居住地国での勤務が「相当な部分」(25%以上)に達していれば、その従業員には居住地国の社会保障が適用される(この基準に満たない場合、雇用主が一社である限り、通常は雇用主所在地国の社会保障が適用される)。居住地国での勤務が相当な部分か否かの評価は、明確で測定可能な基準に基づいて行われる。具体的には、居住地国で行われた活動に対応する勤務時間および報酬である。25%未満の勤務であれば、当該勤務は社会保障適用の根拠としては不十分と推認される。CJEUは、居住地、事業所在地、その他の組織的・実務的な結びつきといった要素は、この評価に影響を及ぼすべきではなく、また、評価は向こう1年間の見込みに基づくべきであるとし、さらに他国で行われた業務を含む「すべての活動」を考慮することの重要性も指摘している。
Source:PwC Netherlands
その他、海外税務ニュースを含む当法人発行ニュースにつきましては、https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/tax/tax-news.htmlをご参照ください。
本ニュースは、各国の税制改正の動向をお知らせする目的で、各国のPwCメンバーファームが作成する速報ニュースや各国省庁等のホームページ掲載の情報等を翻訳してお伝えしています。税制改正案の段階の情報が多いため、最終的な法制度につきましては、専門家にご確認くださるようお願いいたします。
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