{{item.title}}
{{item.text}}
{{item.text}}
「必要なのは美しいストーリーとしたたかさです。したたかさとはお金です」
これは10数年前、自然と共生する地域社会づくりを先進的に進めていた自治体の首長に、筆者が取り組みの秘訣を伺った時にいただいた言葉です。
ランドスケープアプローチがより多くの成果を生むためには、社会的価値(美しいストーリー)と経済的価値(したたかさ)を同時に動かす「設計」が要となります。
しかし企業からは、次のような声が聞こえてきます。
「このアプローチの重要性は分かるが、自社事業とどう結び付くかが曖昧」
「地域と連携と言われても、誰に何をどう相談すればよいか分からない」
「社内意思決定に耐える経済合理性まで設計しきれない」
本稿では、環境省が2025年7月に策定した「ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)」(以下、NP経済移行戦略ロードマップ)の視点1に掲げられたランドスケープアプローチの施策を俯瞰し、企業が「美しいストーリー」と「したたかさ」を併せ持ち動き出すための実務ポイントを解説します。
NP経済移行戦略ロードマップでは、ランドスケープアプローチを次のように定義しています。
「一定の地域や空間において、主に土地・空間計画をベースに、多様な人間活動と自然環境を総合的に取扱い、課題解決を導き出す手法」
例えば、流域全体での水源保全を目的に企業・自治体・森林組合が協働し、企業の操業安定と地域の森林管理による森林の公益機能の発揮を同時に実現する取り組みが考えられます。こうした地域スケールで自然資本と複数主体の価値を結び付ける点がランドスケープアプローチの特徴です。
NP経済移行戦略ロードマップでは、3つの視点のうち、視点1「ランドスケープアプローチの観点から地域の自然資本を活かしたNPな地域づくりを実現~企業価値と地域の価値を併せて向上、地域活性化に繋げる」にランドスケープアプローチが位置付けられています。
NP経済移行戦略ロードマップの視点1に紐付く施策としては、生物多様性見える化マップの機能拡充などの基盤的な取り組み、ネイチャーポジティブ経営推進プラットフォームなどの検討・連携機会の提供、ランドスケープアプローチ事例創出などの先行モデル・成功事例の創出支援の3つに分類できると私たちは考えます(図表1)。
図表1:NP経済移行戦略ロードマップの視点1
出所:「ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)」の策定についてを基にPwC作成
国はバックアップ体制を急速に充実させているとともに、企業や自治体が参加した成功事例を渇望しており、プレーヤー(企業・自治体など)からの提案を強く望んでいることがうかがえます。プレーヤーにとっては、国から必要な支援を得たり、必要な支援を提案する好機であると言えます。
ランドスケープアプローチに基づく社会的価値と経済的価値の両立におけるメリットを、ステークホルダーごとに可視化した一例を図表2に示します。
図表2:ランドスケープアプローチに基づく社会的価値・経済的価値の両立
このようにさまざまなステークホルダーの取り組みを社会的価値×経済的価値によりつなげることで、企業には「レピュテーションと新規事業」、行政には「地域活性化/政策実現」、地域団体には「なりわいの向上」といったように、それぞれが取り組む意義が明確になっていきます。NP経済移行戦略ロードマップが描く「取り組みが評価されて好循環が生まれる絵姿」を、自社×地域版のストーリーとして組み立てることが重要です。
ランドスケープアプローチによる具体的な取り組みの進め方は、どのステークホルダーが起点となるか、あるいは地域や事業内容によっても異なります。ここでは、企業が起点となる場合のステップの一例を示します。
このように、常にステークホルダーの立場に立ち、社会的価値と経済的価値の両方が満たされているかを意識することが重要です。
どの地域にも、描ける社会的価値(自然再生、文化・教育、レジリエンス向上など)と、経済的価値(売上増加・新規事業創出・観光振興・関係人口増加など)が存在します。地域差が大きいからこそ、「相手の評価軸」を理解し、双方が利する設計とすることが、ランドスケープアプローチの成否を分けます。
政府はランドスケープアプローチによる企業価値と地域価値向上の成功事例創出を強く望んでおり、政府によるバックアップがあるうちに民間で自走できる仕組みを構築することが重要です。企業・自治体は美しいストーリーとしたたかさを兼ね備えた設計を行い、多様な主体の便益を束ねて「社会的価値×経済的価値」の両輪を実現することで、単独では難しかった、あるいは発想できなかった成果を得ることができます。
PwC Japanグループでは、ランドスケープアプローチを含む、ネイチャーポジティブに資するソリューションのご支援を提供しています。地域の自然資本診断、価値のロジックモデル設計、行政や地域との連携支援まで、「美しいストーリー」と「したたかさ」の両立をワンストップで伴走します。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
{{item.text}}
{{item.text}}
{{item.text}}
{{item.text}}