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日本国内のプラットフォーマーの多くは、厳しい競争環境の中で独自のポジションを築くために、自社のプラットフォームを核にエコシステムを構築する形のビジネス戦略を推進しています。第1回コラム(日本のプラットフォームビジネスの成長戦略 第1回 国内プラットフォーマーの重要課題と分類)でも紹介したとおり、本コラムシリーズではこれらのプラットフォーマーを「エコシステム型プラットフォーマー」と位置づけています。エコシステム型プラットフォーマーは、プラットフォームのユーザーとの共存共栄により、強力なエコシステムの構築を目指しています。その成功のため、プラットフォームにはユーザーの価値創出を支援する仕組みが備わっており、同時にプラットフォームの求心力が維持されることが求められます。
第1回コラムで定義した国内プラットフォーマーの分類に基づくと、エコシステム型プラットフォーマーとしては、リクルートおよびIndeed Japan(HR・住まい・結婚・自動車・美容・飲食・旅行・教育などの領域におけるマッチングプラットフォームやサービス提供者の生産性向上ソリューション)、マイナビ(HRサービス、ライフスタイルサービス)、サイバーエージェント(コンテンツプラットフォーム、インターネット広告プラットフォーム)、GMOインターネット(業務効率化ソリューション、オンラインマーケットプレイス)、USEN(音楽配信事業、業務効率化ソリューション)、アイスタイル(美容領域のメディア・実店舗・ECが連携するプラットフォーム)などが挙げられます。各社の主なサービスは図表1をご参照ください。
エコシステム型プラットフォーマーは通常、特定の事業領域に限定したサービスを提供しています。しかしその事業領域に経済圏型プラットフォーマーが参入してきた場合、競争の激化は避けられず、その対策として経済圏型プラットフォーマーとの差別化戦略や、エコシステム型プラットフォーマーとして独自の価値を提供するための戦略が不可欠となります。なお、経済圏型プラットフォーマーについては第2回コラムでその特徴や今後の成長戦略等を説明しています(日本のプラットフォームビジネスの成長戦略 第2回 経済圏型プラットフォーマーの戦略)。
図表1:エコシステム型プラットフォーマーの主要サービス(例)
本コラムでは、主にエコシステム型プラットフォーマーに焦点を当て、経済圏型プラットフォーマーとの差別化戦略について取り扱います。差別化のための主要な戦略は以下の3点です(図表2)。次のセクション以降で詳細をそれぞれ説明します。
A)スケーラビリティ獲得に向けた早期の準備:早期にプラットフォームの共通機能を整備し、生成AIやAIエージェントなどの新技術を取り入れた事業運営モデルへと変革することで、プラットフォーマーとしての将来的な規模拡大にも耐え得るオペレーションの拡張性と効率性を獲得します。
B)ビジネスエコシステムの強化:ビジネスエコシステムの強化には、エコシステム内のユーザーとの持続的な関係構築と、ユーザーではない外部企業とのアライアンスの双方が重要です。エコシステムを取り巻く企業群とのM&A戦略やアライアンス戦略を通して、ユーザーの価値創出を支援する独自の仕組みを強化します。
C)プラットフォームビジネスの価値提供方法刷新:価値提供方法の刷新は、市場ニーズの変化に対応するために不可欠です。新たなマネタイズモデルの開発・導入により、収益源を多角化し、プラットフォームの価値提供方法を再定義することを目指します。
図表2:経済圏型プラットフォーマーに対する差別化戦略
市場で競争優位性を確保するためには、自社のスケーラビリティ獲得に向けた早期の準備が欠かせません。早期の準備は将来的な事業拡大を考える際、より効率的にプラットフォームビジネスを提供するための基盤となります。急速な市場変化を伴うプラットフォーム業界では、ビジネススピードを重視するあまりに、事業拡大後に事業運営体制を整える傾向がありますが、このアプローチには多くの制約が生じ、競争優位性の確保が遅れるリスクがあります。例えば、事業拡大によって業務量が増加した結果、従業員が定常業務に追われ、事業運営体制の整備に対する人的リソースが確保できず、非効率的な事業運営が継続されてしまうことが考えられます。この状態で採用・人員配置に取り組んだとしても、効率性が悪化してしまいかねません。そのため、成長初期段階から将来的なスケーラビリティ獲得を意識した変革を推し進めておくことが極めて重要です。
スケーラビリティ獲得に向けた準備の際は、多角的な視点での改善が求められます。本コラムではプラットフォーマーが事業拡大に取り組む上でのポイントを、以下の2つのステップに分けて説明します。
第2回コラムで紹介したとおり、統合・一元化されたロイヤルティプログラムやユーザーID、アイテムIDは、ユーザーロイヤルティの構築において重要な役割を果たします。これらは事業規模が拡大してから整備するのではなく、早期に統合・一元化しておくことが望ましいです。複数のサービスを展開するプラットフォーマーの例では、サービスごとにユーザーIDが異なる状態で事業拡大を続けてきたために、ユーザーID統合や利活用に向けた取り組みが複雑化しているケースもあります。
AI技術は近年急速に進化しており、大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)を活用する生成AIから、LLMに大規模アクションモデル(Large Action Model:LAM)を組み合わせたAIエージェントへと注目が移っています。人間の指示に基づき複雑なタスクを自律的に遂行するAIエージェントは、あらゆる産業での活用が見込まれる技術です。特にプラットフォーマーは膨大なデータを取り扱い、UI/UX改善、検索・マッチング精度向上、パーソナライズによるレコメンド最適化、コンテンツ自動生成によるプロダクトの魅力度向上などの施策を日々実施しています。AI技術の導入によって膨大なユーザーデータや取引データがより効果的・効率的に活用できるようになることから、競争優位性の確保に向けては生成AIやAIエージェントの早期導入が不可欠です。成長初期段階からAIを組み込んだ事業運営モデルに変革することで、事業拡大時にも労働集約型に陥らずビジネススピードを維持したまま事業拡大が可能となります。
具体的な活用例として、①プロダクト開発における活用、②デジタルマーケティングにおける活用、③基幹系システムにおける活用を説明します。
ビジネスエコシステム戦略の成功のためには、ユーザーの価値創出を支援する優れた仕組みが必要です。ここでは、経営権の移転を伴うM&A(合併・買収)と移転を伴わないアライアンスに分けて説明します。
M&Aアプローチにおいては、例えば、アグリゲーターとしてECショッピングモールに出店している提供者サイドのユーザーと資本関係を結び、多様なプラットフォーマーを横断するといった共創型のM&Aが効果的です。巧みなビジネスモデルや高い商品価値を持つユーザーと組み価格交渉力を高めることで、一参加者の資金力やノウハウの限界を超えた成長が可能となります。また、プラットフォーマーがリアル店舗の運営ノウハウを獲得できれば、他の提供者サイドのユーザーへの横展開やノウハウ提供なども可能となります。海外のECアグリゲーターは提携企業・サービスの成長後に売却するケースが多く見られますが、国内においては資本関係を維持したまま共存共栄の形を目指すことがエコシステムの強化につながります。
プラットフォームビジネスは提供者サイド・受益者サイドいずれかの市場が盛り上がると、相対する市場も盛り上がる性質を持っています。これら市場参加者に対して運営が意図的に関与することでビジネスエコシステムを強化するアプローチは、グローバルプラットフォーマーに対する参入障壁を高める効果にもつながります。この戦略においては、提供者サイドの商品や、商品の完成に至るまでの独自のノウハウやアセット、ビジネスモデルを見極め、こうしたユーザーにどこまで投資するか、事業継続性のリスクはどの程度かなどを見極める力が求められます。
単純な力関係に従わず、積極的な提携によりエコシステム強化を目指す戦略が求められます。戦略的提携、資本提携、販売提携、マーケティング提携といったさまざまな形態で、ただ資本を投入するのではなく、プラットフォーム外部の大手企業が持つ経営資源をうまく活用することを目指します。
例えば、立ち上げ時はコア事業であったが、時代の変化とともにノンコアへと変化した事業がある場合、関連するシステムおよびその運用保守を提携先へ売却するような業務提携もあり得ます。提携先にとってはガバナンス強化の一環でシステムを統合運用でき、またプラットフォーマーの立場では売却資金を元に新たな領域へ投資することが可能となります。この投資により、提携先のユーザー群にもビジネスメリットが生じるのであれば、相互に有益だとして受け入れられる可能性が高くなります。
もちろん戦略的な観点から時限的なアライアンスとなる場合は、最終的には提携解消となるリスクは考慮する必要があります。この場合も、自社の知的財産権を手放さないようにしておくなどの戦略が必要です。
まず第2回のコラムでも紹介した、既存サービスを補完して利便性を向上させ、他社が容易に競争に参入しにくい環境を作る(以下、補完サービス)ことも効果的です。プラットフォーマーが、提供者サイドのユーザーに対して新たに「予約管理ツール」としてアプリケーションや決済機能を持つ端末などを提供することで、プラットフォームから抜け出しにくくする事例などがこれに当たります。
また、価値提供方法刷新のアプローチ例として、新たなマネタイズモデルを導入する戦略も有効です。広告掲載料モデルでは広告掲載費用などを先に集めるシステムを採用することが一般的ですが、成功報酬モデルに切り替え支払いタイミングを後ろにずらすことで、ユーザーは発生コストが見立てやすくなりプラットフォームへの参画障壁が下がることになります。あるいは、基本料金のサブスクリプション+成功報酬のハイブリッドモデルを導入することで、プラットフォームの安定した収益を維持しつつ、成果連動型の透明性を両立できるようになります。
その他、A)スケーラビリティ獲得に向けた早期の準備による差別化戦略でも触れたユーザーIDを活用することで、プラットフォーム内のユーザー同士のネットワークを広げていく戦略も有効です。例えば、ユーザーが結婚し家族が増えた際に、ユーザーIDで配偶者につながり、子供につながり、家庭内のネットワークが広がりを持つイメージです。転職時には新しい同僚とのネットワークが広がるなど、ライフイベントを的確に捉えることでユーザーIDを通じたネットワークを提供します。就職・結婚・引っ越しなど、人生における大きなライフイベントに関連するサービスは頻繁に活用するものばかりではなく、個人単位で流動性を高め利用を促進する難易度は高いです。しかし、個人から家族・友人・同僚などへネットワークを広げることで、そのネットワーク内における流動性やサービス利用頻度を向上させることが可能となります。
上記のネットワーク戦略を発展させる上で、ソーシャルメディアなどのコミュニケーションサービスの導入は重要です。大きなライフイベントに関連する消費においては、ユーザーは信用のおける情報・意見を求めています。一般的な情報検索やソーシャルメディアの情報では不足感・不信感があり、自身に近い人から、より手触り感のある情報を得たいと考えます。そこで上述したようなプラットフォーム内のネットワークの中で、自身と距離の近い人から情報を得られるようにすることで、購入意欲や意思決定を促すことが可能になります。コミュニケーションサービス単体では採算が合わないとしても、それによるネットワーク効果を前提として、プラットフォーム内でライフイベントに関連するサービスを複数提供することができれば、ユーザーのライフサイクル全体に伴走するサービス展開が可能となり、エコシステム型プラットフォームの存在感はより一層強化されることになるのです。
以上、本セクションでは経済圏型プラットフォーマーとの差別化戦略について説明しました。A)スケーラビリティ獲得に向けた早期の準備においては、できる部分から少しずつ取り組みを進めていくことが重要です。既に浸透している業務プロセスやシステムをいきなり全て変更するのは現実的でなく、社内での理解を得ることも難しいと思われます。そのため、まずは小さな部分からトライしていくことがリスク回避の意味でも、社内推進の意味でも有効と考えます。B)ビジネスエコシステム強化においては、単に投資コストを抑えるにとどまらず、ノンコアアセットを資金源にしつつ投資の最適化を行いながら顧客価値を高めるモデルを早い段階で作っておくことが大切です。その新たな領域への投資の中で、C)価値提供方法刷新で説明したような自社独自の提供価値を創出し従来と異なるビジネスモデルを構築することで、経済圏型プラットフォーマーに対する差別化を図ることが可能です。
多くのプラットフォーマーや高品質なサービスの登場により国内市場が成熟している現在においては、海外展開は新たな成長の鍵となります。限られた国内需要に依存するリスクを減らし、グローバルなビジネスモデルを持つことは、次なる競争優位を生み出します。以下では、国内プラットフォーマーの海外展開戦略について、グローバルプラットフォーマーの海外展開戦略と比較しながら考察します。
グローバルで共通のプラットフォームビジネスを提供し、ユーザーとの間で巨大な規模のネットワークを生み出すようなグローバルプラットフォーマーの海外展開の成功を支えるのは、グローバル戦略とローカライズ戦略の組み合わせによる、いわゆるグローカル戦略です。これはプロダクト(ブランド、UI/UX、アルゴリズムなど)をグローバルで統一的に展開する一方で、それを各国や地域に浸透させる段階では、各国固有の取引慣行、インフラの状況、法制度などでローカライズさせるものです。
具体的には、コンテンツ配信プラットフォームが配信基盤やUIをグローバル共通で展開する一方、現地通信会社とのバンドル契約を通じて視聴者を拡大している事例や、検索エンジンを提供するプラットフォームのアルゴリズムといった検索の技術基盤はグローバル共通である一方、現地のインフラ状況によって低帯域用のアプリを展開している事例があります。
グローバルプラットフォーマーはこうしたグローカル戦略によってグローバルでのシェアを獲得し、競争優位性を確保するだけでなく、さらにこれらから得られる膨大な収益とユーザーデータによりさらなるプロダクトの開発・改良を行うというグローバル規模での自己強化の成長ループを通じて、同業他社に対する構造的な競争優位性を確保しています。
ただし、この戦略が成功する背景には、プロダクト開発の初期において巨額の研究開発費などの資本投下を行い、グローバルに展開していく段階で投資コストを回収するビジネスモデルが必要となるため、相応の資本力が必要とされます。したがって、国内プラットフォーマーが同じ戦略を取ることは困難だと推察されるため、国内プラットフォーマーならではの海外展開戦略を検討する必要があります。
国内プラットフォーマーが描くべき海外展開戦略は、展開エリアの特性に適したサービス×ビジネスモデルの組み合わせを見つけ出すことです。例えば、コンテンツ市場の伸張が期待されるエリアに向けて、生活必需性の高い通信などのサービスに初期投資が小さい日本のコンテンツサービスを掛け合わせて展開する、などが考えられます。この戦略の実現に向けては、展開エリアの取引慣行、文化・風俗、固有事情を徹底的に調査し深く理解することが不可欠です。
展開エリアの環境分析により、現地にはどのようなビジネスがあり、どこが競合となり得るかを明らかにした上で、自社の勝ち筋・優位性を見出すことが重要です。ホワイトスペースがある場合は、まずは日本国内で提供済みのサービスをその領域に展開させることを考えます。
その次に日本で培った自社の優位性を生かし、現地の既存サービスと接続する形で入り込むことを考えます。例えば、現地企業と提携し、現地サービスの「補完サービス」となるような機能提供・データ連携などに特化して入り込みます。補完サービスを通じて現地のビジネスモデルや顧客動向などを深く学習しながら、補完サービスを複数サービスの接合点となる「ハブサービス」に成長させ、最終的には日本国内で展開するビジネスモデルの展開を目指していきます。
展開エリアの環境に合わせて、国内展開済のサービスや資源を活用する一方で、国内展開時とは異なるアプローチ、マネタイズ手法等を適用する戦略シナリオを検討することが重要です。
なお、補完サービス、ハブサービスそれぞれの定義と配置戦略については第2回コラムをご参照ください。
また、海外展開を考える場合、サービス単発で展開するのではなく、最終的には日本国内の事業と連携し、より大きいシナジーを生む戦略シナリオを考えることも大切です。現地のマーケティングは日本国内のマーケティングと連携が可能か、相互送客があり得るか、バリューチェーンを共有できるか、など接続のあり方を模索する必要があります。
図表3:経済圏ビジネスにおける「立体」と「構造体」モデル
ただし、展開エリアの競争環境を踏まえると、国内と同じ仕組みをそのまま持ち込むのは現実的ではない場合があります。加えてEC、金融、決済、物流を経済圏一体で輸出するには莫大な投資が必要となり、リスクが大きくなります。そのような場合、まずはいずれかの領域に絞りエコシステム型として入り込み、展開エリアに対する理解を深めながら徐々に経済圏を構築する拡大戦略も有効です。
また、海外企業のビジネスモデルを「構造体」として整理した上で、その「構造体」に対して自社が持つ機能やデータ等の提供を通じて入り込みを狙う配置戦略も考えられます。海外の検索サービスが国内の検索サービス運営企業に自社の検索エンジンを提供した例では、日本の検索市場へ急速に浸透することに成功するとともに、日本国内の検索傾向やユーザーデータを蓄積することで新たなビジネス創出にも展開していきました。この例は、自社が持つ機能・優位性を提供することで海外企業の「構造体」に接続することで、自社ビジネスのさらなる成長へつなげていくことが可能であると示しています。
以上のように、国内プラットフォーマーの海外展開戦略においては、まず展開エリアに対する徹底的な環境分析および競合調査を行い、将来的に成長余地がある事業領域はどこか、競合サービスはどのように展開しているかを分析します。市場成長率が高く競合による占有率が低いホワイトスペースがある場合は、日本国内で提供済のサービスをその領域に展開させることを考えます。
(本コラムでは複数のサービスで構成されるエコシステムをまとめて他の地域に展開する戦略を、「コンパウンド・エコシステム戦略」と呼称します。)
ホワイトスペースがない寡占状態もしくは強力な競合サービスが乱立している成長型レッドオーシャンにおいては、日本国内の提供済サービスをそのまま展開することが難しい可能性が高いです。その場合は、日本国内で培った自社の知見や優位性を活かしながら現地企業と接続する方法を検討します。例えば、現地企業の既存サービスへ「補完サービス」となるような機能提供・データ連携を行い、補完サービスを通じて現地のビジネスモデルや顧客動向などを深く学習しながら、補完サービスを複数サービスの接合点となる「ハブサービス」に成長させます。補完サービスやハブサービスを通じて得た海外市場に対する知見・データ等を踏まえて、日本国内展開済サービスの勝ち筋を見出し、必要に応じて現地向けにローカライズを行いながら再度海外市場展開を目指すことも考慮に入れる必要があります。
最終的には、自社の海外展開サービスと日本国内で展開するサービスとの連動戦略を模索します(図表4)。第1回コラムの説明の通り、プラットフォームビジネスでは参加するユーザーの増加に応じてプラットフォームの価値が高まるネットワーク効果が働きます。このネットワーク効果が働くことで、プラットフォームビジネスは規模の経済が働き、ユーザーの獲得も加速度的に進むという特性を持っています。そのため、海外展開サービスと日本国内サービスの連動は、ネットワーク効果を高め、海外・国内における他社サービスとの差別化を図るうえで有効な戦略となります。
図表4:国内プラットフォーマーの海外展開戦略
最後に、海外戦略の検討においては、現地に適したマネタイズ戦略の検討も必要です。日本国内における課金モデルが必ずしも現地で適用できるとは限らないため、現地の環境や自社サービスの展開フェーズを踏まえて、日本国内とは課金タイミングを変えるなど、柔軟な対応が求められます。例えば、複数のサービスをバンドル型で提供し、無料と有料を組み合わせて展開する戦略も考えられます。無料サービスで顧客のエンゲージメントを高めながら、特別なコンテンツやプレミアム機能などを有料サービスとして展開するマネタイズが考えられます。また一定期間は無料で展開し、十分に顧客シェアを獲得した段階で有料に切り替えることも有効な戦略です。
以上、第3回ではエコシステム型プラットフォーマーが経済圏型プラットフォーマーに対する競争優位性を高める上で必要な差別化戦略について説明しました。また国内プラットフォーマーにおける海外展開戦略について、グローバルプラットフォーマーの戦略との比較を交え考察しました。
第4回は、過去3回のコラムで説明した戦略を実現する上で、プラットフォーマーに求められる能力は何か、複雑化する市場環境を生き抜くために必要なケイパビリティについてお伝えします。
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