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第2回では、第1回で述べたプライバシー保護重視の時代において現在マーケターが直面している課題に対して、顧客からの「信頼」を育むためにマーケターは何をすべきか、顧客理解の重要性とともにアプローチ方法について述べます。
第1回で述べたように、顧客からの「信頼」を育むために、今後、マーケターは「リターゲティング広告」のような従来のマーケティング手段に頼らず、戦略的に真の顧客ニーズを探る(=顧客理解を深める)ことが求められます。
顧客からの「信頼」は、単に製品やサービスの価値提供だけでなく、企業の経営方針、安全性、社会的貢献などの観点を含む企業活動によって強固に築かれます。例えば、データの取り扱いや安全対策に関する文書を定期的に公表することで「データ保護」観点での透明性を発信することや、地域社会への貢献活動を紹介することによって「社会的貢献」観点でのインパクトを顧客に与え、顧客は企業への「信頼」を育んでいきます(図表1)。
図表1:顧客からの「信頼」を育むための顧客理解とは
また、そのような顧客からの「信頼」につながるような活動の観点は、企業が決めるものではなく顧客によって判断されます。そのため、一方的に顧客からの「信頼」を育む観点を仮定し、顧客とのコミュニケーションを取らず誤判断をしているような企業において、顧客が考える「信頼」を育む観点が何か1つでも欠けていたときに、顧客からの「信頼」が失われる可能性が高くなります(例えば、レコメンドシステムによって推薦された商品が欠品している、問い合わせに対する説明責任が不足しているなど)。
一方で、顧客がどのような対応を求めているか(=顧客からの「信頼」を育む観点)を常に探り、そのために顧客との双方向のコミュニケーションに励んでいるような企業は、真の顧客ニーズを理解し、信頼関係を築くことができます。このような企業の主体的な働きかけこそが、私たちの考える「顧客からの信頼を育むための顧客理解」です。
顧客理解に基づいた企業活動によって築かれた「信頼」は、企業にとって持続的な信頼構築に向けた好循環サイクルをもたらします。
なぜなら、顧客が企業への「信頼」を深めることで、顧客は企業・商品・サービスを選択し、それにより企業は顧客理解をより一層深め、顧客理解に基づき企業活動を見直すことで、顧客にとって期待を上回る活動として還元され、このサイクルを継続的に高めることができるからです。この企業と顧客がそれぞれ「信頼」を育み、互いにとっての価値を高めるために行動することで「信頼」が強化される好循環サイクルを、私たちは「エンゲージメント好循環モデル」と名付けます。
図表2:エンゲージメント好循環モデル
例えば、まず、「企業の顧客理解サイクル」において、顧客が透明性を求めていることを企業が理解し、データの取り扱いにおける透明性に関する対応をとることが、顧客からの「信頼」につながります。次に、「顧客の信頼サイクル」において、顧客は企業の対応を「信頼」し、顧客のデータ提供を許諾した上で企業および商品・サービスを選択し、より精度の高いレコメンドなど期待を超える体験を受けることで、企業をさらにプラスに評価し、「信頼」を強固にします。
「エンゲージメント好循環モデル」では、「企業の顧客理解サイクル」と「顧客の信頼サイクル」を相互に回し、「信頼」を育むことで、最終的には、顧客にとって期待を上回る体験を企業が持続的に提供し続けることができるのです。
「信頼」を基盤とした顧客との関係構築は、現代のマーケティング戦略において必要不可欠な要素です。マーケターは改めて顧客からの「信頼」を育むために、顧客理解を深め、何が不足しているかを見直す必要があるのではないでしょうか。
第3回では、より長期的な視点で、どのようにすれば顧客からの「信頼」を獲得し、選ばれ続ける組織を作れるか、具体的な実現方法を述べます。

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