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通信業界では、既存事業の成熟化に伴い、新たな収益源となる成長領域の創出が重要な経営課題となっています。とりわけ各社が非通信領域の拡大を急ぐ中、クライアントにおいても、自社の強みを生かした新規事業創出が喫緊の課題となっていました。
そうした中で着目したのが、世界的に関心が高まるSX・GX領域です。社会全体で脱炭素の要請が増していく中、大量の電力を消費する通信業界にとっても、SX・GXへの対応は避けて通れないテーマとなっていました。そのため本クライアントは、自社の脱炭素推進を通じて培った知見を生かし、SX・GX領域で新たな事業の柱を生み出せないか、検討を進めていました。
しかし、こうした事業は構想を描くだけでは立ち上がりません。市場性の見極め、顧客課題の特定、提供価値の具体化、パートナー連携、初期案件の獲得までをワンストップで進める必要があり、一般的な戦略検討だけでは実現が難しいテーマでした。実際、クライアントの社内でも外部ファームの支援の下で事業化の検討が進められたものの、戦略構想の域を脱せず、事業化は頓挫していました。
クライアントの新たな収益基盤であると同時に、脱炭素社会の実現にも資する事業の立ち上げに向けて、私たちはまず、市場・競合の動向から「SX・GX事業の成功要因」を導出し、クライアントが優位性を発揮できる事業領域と勝ち筋を見極めました。その上で、事業成立要件を明らかにし、ビジネスモデル、提供ソリューション、必要なリソース、推進体制を含む事業のグランドデザインを描いていきました。
今回特に重要だったのは、戦略構想にとどまることなく、顧客課題を起点に事業化を前に進めることでした。そこでPwCコンサルティングは、クライアントとともに現場に入り込み、事業検討の初期段階から数十社の法人顧客に直接アプローチ。顧客課題やニーズを捉えながら事業仮説を検証しました。
並行して、事業化に必要な技術や機能を補完するためのパートナー企業の開拓もPwCコンサルティングが率先して対応、パートナーとの連携体制を構築しながら、法人顧客への合同提案から案件化まで伴走しました。
サービスがまだ形になっていない段階で、顧客開拓とニーズ検証を同時に進めることは容易ではありませんが、こうした実地での検証を通じて、机上では見えない「勝てる事業モデル」を具体化していきました。その結果、クライアントはプロジェクト開始から1年足らずで顧客企業とのSX・GX領域での連携協定の締結につなげるなど、その後の実収益に資する事業立ち上げに成功しました。PwCコンサルティングの幅広い支援の下、戦略立案にとどまらず顧客開拓、パートナー連携、案件獲得まで踏み込んで事業化を実現したことが成功の鍵となりました。
コールセンター事業を主軸とするクライアントは、市場の伸び悩みや異業種も含む競争激化を背景に、既存事業の延長線上だけでは持続的な成長が難しくなっていました。クライアントは大きな成長を目指していたものの、その実現には既存事業の深化だけでは限界があり、単なる新規事業検討にとどまらない、事業ポートフォリオ変革も視野に入れた成長戦略の策定が急務となっていました。
その中で、次なる成長領域の一つとして注目していたのがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)領域です。深刻な労働力不足を背景に今後も需要拡大が見込まれる一方で、競争環境も激しく、単に参入すれば成長できるような市場ではありません。どの業務領域を起点にどのケイパビリティを獲得し、どのようにスケールさせるかまで設計しなければ、事業として立ち上げるのが難しい領域でした。
本クライアントにとっても、どこで勝てるのか、既存アセットをどう生かすのか、オーガニックで進めるべきか、M&Aを含むインオーガニックも組み込むべきかは、いずれも簡単には答えの出ない論点でした。特に、一定期間で高い成長を実現するには、自前で人材、顧客基盤、ケイパビリティを積み上げるだけでは立ち上がりが遅く、勝負のタイミングを逃しかねないという難しさがありました。
PwCコンサルティングはまず、BPO市場全体を俯瞰し、市場成長性、競争環境、主要プレーヤーの強みや急所、クライアントの既存アセットとの親和性などを多面的に分析しながら、参入余地のある事業機会を徹底的に洗い出しました。その上で、単なる業務受託の拡大ではなく、既存事業の強みを生かしながら新たな付加価値を提供できる重点領域を特定しました。
そして、業務の一部を切り出して受託するだけでは差別化が難しいという市場特性を踏まえ、既存プレーヤーが手薄な事業領域に着目。クライアントの既存アセットを生かしながら競争優位を築く新たな事業モデルを描いていきました。
また、高い成長目標を実現するにはオーガニック成長だけでは立ち上がりが遅く、時間の経過とともに市場機会も失われかねないことも重要な経営論点でした。そのため、人材、顧客基盤、ケイパビリティを迅速に獲得する観点から、M&Aを含むインオーガニック戦略を織り込んだ成長シナリオへと落とし込んでいきました。こうしてPwCコンサルティングは、BPOを新たな収益基盤として位置づける中長期的な成長戦略を導き出し、その実現に向けたアプローチプランの具現化まで伴走しました。
通信業界では、回線市場の成熟などによって利益の維持・拡大が難しくなり、事業の効率化が求められるようになりました。通信キャリアである本クライアントも利益確保に向けた効率化に取り組み、既存の業務工数を大きく削減する目標を掲げていました。
手段としては、定型業務の見直しやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務代替を中心に検討。ただし、非定型かつ高度な専門知識が要求される「大規模システム開発・改修での業務要件定義」については、RPAによる単純な業務代替が困難であったことから、複雑な業務の見直しに加え、生成AI/AIエージェントの活用による効率化が期待されていました。
PwCコンサルティングは本クライアントを支援するにあたり、まずは業務の可視化から着手し、業務効率化(BPR)や生成AI/AIエージェント活用を含む多角的な視点の下、効率化施策の検討を行いました。検討においてはPwCが有するさまざまな業界での大規模業務改革や生成AI/AIエージェント開発に係る事例やナレッジ、生成AI/AIエージェントの技術動向、各領域有識者(通信業界、システム開発、AI、データサイエンス)の専門知見を踏まえ、実現性の高いオプションを導出しました。
具体的な取り組みステップは大きく分けて3段階で整理しました。
1つ目は、現状業務の可視化と課題の抽出、課題解決策の検討です。ここでポイントとなったのは、単なるAI活用にとどまらず多角的な視点で検討を行い、標準化を含む業務自体の見直しとAI適用領域の整理を並行して行ったことです。
2つ目は、データ整備です。クライアント内で暗黙知となっている専門知見や業務プロセスを形式知化し、AIが参照可能な形に整備しました。
3つ目は、生成AI/AIエージェントの開発です。まずは、形式知化した業務プロセスや暗黙知を基に、プロンプト、ワークフローやインプットデータを作成します。そして生成AIの特性を踏まえた評価駆動型アプローチを採用、トライアンドエラーを繰り返し、アウトプットの再現性を高めました。
こうした取り組みにより、業務自体の標準化に加え、業務要件定義書作成エージェントや暗黙知の形式知化支援エージェント、複数部門間での要件検討のためのQ&A支援エージェントの導入が実現しました。
結果として、業務要件定義工数のうち30%以上の削減を見込むことに加え、属人化された業務から解放され品質の均一化も実現しつつあります。
本クライアントは現在、この領域での成功を起点に全社的な活動として、AI活用を含む大規模システム開発・改修プロセス全体の効率化を目指しています。
ランサムウェア攻撃やフィッシング詐欺、サプライチェーン攻撃など、攻撃の手法は近年ますます高度化・巧妙化しています。大規模な情報漏えいやサービス停止を引き起こす事件の多発を受け、あらゆるレベルの企業においてセキュリティ対策の重要性が再認識されるようになりました。本クライアントは、通信・社会インフラを提供する事業者として数百種に及ぶ顧客向けサービスを運用しており、現状のセキュリティ防御があらゆる攻撃シナリオを無力化し得るかを第三者の視点から適切に評価すること、セキュリティ対策をより高度かつ有効なものにするための組織体制面を含めた現状の課題やあるべき姿の検討、その実現に向けたロードマップ作成を企図していました。
クライアントが現在行っているセキュリティ個別対策の妥当性、および全体統制におけるセキュリティ要件の充足性の評価を行いました。
個別施策の妥当性評価にあたっては、PwCの持つサイバーインテリジェンス機能を活用し、通信事業者・インフラ事業者をターゲットとする脅威アクターを特定。それらアクターが主に用いる攻撃手法を中心に、脅威シナリオを網羅的に洗い出した上で、それらシナリオを無効化し得る対策が行われているか否かを詳細に検証しました。
また、絶え間ない多数の脅威に対処するためには、セキュリティ対策を企画・実行・運用する全社一体となった組織体制が欠かせません。そこで私たちは、業界標準フレームワーク(NIST CSFやISO27001など)が推奨するセキュリティ要件の規程・実装・運用状況を、アセスメントを通じて実地で確認し、セキュリティ管理態勢のケイパビリティ評価を行いました。
本クライアントは、親会社から営業間接業務を受託されている機能子会社です。グループ全体のコスト削減と業務効率向上を目的に、複数のグループ会社に分散していた同種の業務を統合・標準化しスケールメリットを創出すべく設立されました。
しかし、組織再編こそ実現したものの、業務プロセスの統合・標準化は進んでいませんでした。オーダーからデリバリーまでの各プロセスが個別最適化された状態にあり、機能間の連携が弱いサイロ化の状況が続きました。その結果、業務全体を俯瞰したEnd-to-Endのプロセス設計が困難となり、機能横断の標準化やシステム活用による抜本的な効率化にも着手できない状態に陥っていました。
一方で、現場レベルでは個人単位で一定の効率化が進み、日常の業務遂行に大きな問題はないという認識でした。そのため組織全体としては依然として大幅な効率化余地が残る中、現場とマネジメントの課題認識のギャップが、抜本的改革に向けた機運の醸成を難しくしていたのです。
こうした状況から、グループ全体で掲げるコストダウン目標の達成には至っておらず、加えて人的リソースの調達も年々困難になっていることから、本クライアントは将来の事業運営に対する強い懸念を抱いていました。
営業部門の抜本的な改革に向け、サイロ化・複雑化していた業務プロセスを全社的な視点で再整理し、効率化余地の大きな領域を特定した上で、As-Is業務プロセスの可視化とTo-Be業務プロセスの検討を推進しました。
結果として、営業部門では業務構造を全体最適の観点から見直すことが現場を含めて共有され、部門横断で抜本的課題解決に取り組むための土台が形成されました。現在は可視化された業務プロセスおよび整理された課題を起点に各領域で改善活動が開始されるなど、順次、段階的な施策の実行推進が行われています。
ある通信キャリアはこれまでの通信ビジネスから非通信ビジネスへと事業領域を拡大させていました。その中で、顧客の大きな課題の1つであるGX(グリーントランスフォーメーション)については、自社サービスの脱炭素化に加え、顧客のGXを支えるサービスを直接的に提供することで貢献することを模索していました。
そして通信およびICTの強みを活かしつつ、顧客のCO2排出量の可視化・削減に直接的または間接的に寄与できる事業やサービスを立ち上げるために、ESGやSX(サステナビリティトランスフォーメーション)の領域の深い知見や、新規事業開発の知見を必要としていました。
PwCはこの通信キャリアを支援するにあたり、短中期的なGX市場のトレンドを国内外の動向を踏まえて可視化し、どの領域で戦うべきか、戦いたいか、戦うことができるか、を多角的な視点から検討しました。
具体的には、PwCのグローバルネットワークが有するSXに係る知見および事例、国内の規制、各業界の主要企業のニーズ、各領域の主要プレイヤーの動向と市場規模推移、業界ごとのエコシステム形成の可能性を踏まえ、勝ち筋のオプションを導出しました。
結果として、新規事業として大切な「クライアントのWill(やりたいビジネス)」も加味して、今後5年間の成長戦略を描くとともに、直近1年間のアクションプランを策定しました。
この通信キャリアは現在、当該アクションプランに基づいた取り組みを推進するとともに、戦略・戦術のアップデートを行っており、GXビジネスを事業の柱とすべく、収益化に向けて全社的な活動に取り組んでいます。
世界的にSDGsやESG、サステナビリティに関する取り組みが推進される中、環境・社会課題を解決しながら、自社の財務・非財務面の持続的な成長を実現させるサステナビリティ経営が注目されています。
これを背景として、PwCのあるクライアント企業はサステナビリティ経営を中期経営計画の軸に位置付け、本格的に取り組むことを決定しました。その計画を推進するにあたり、自社の強みや弱みを把握・理解し具体的な施策に落とし込む必要がありました。
課題解決に向けては、PwCコンサルティング合同会社とPwCサステナビリティ合同会社が連携してクロスファンクショナルチームを組成しました。その上で、クライアントのサステナビリティ経営の現状や国内外の競合企業の情報を元に、PwCサステナビリティ合同会社が開発した成熟度診断ツール「Lights」を用いて、クライアントの現状を短期間で評価。導出された結果に基づき、対応方針の策定と具体的な施策への落とし込みを支援しました。
具体的には次のようなアクションを実施しています。
このクライアント企業は策定したアクションプランを実行フェーズに移し、サステナビリティ経営の強化を推進しています。
調達・購買、法務など企業のコーポレート部門は、デジタル技術を活用することで従来の属人化した業務プロセスを抜本的に改革し、コストダウンや働き方変革を通して、リソースを戦略的に配分することが求められています。
本クライアントは、年に一度対象となる発注先取引に対して、下請法対象取引に該当するか否かの判定を行っていますが、およそ10万件の取引からマクロツールで絞込み、その結果を購買部員の目視により確認しているため、業務工数の多さが課題となっていました。
購買部員が目視で判定した下請取引結果を教師データとしてAIモデルを構築することで、対象取引全件を下請対象取引か否かを判定し、当該取引が支払遅延などの法令違反にあたらないかをチェックするAI判定ツールをクライアントの購買部門とともに開発、実装しました。
具体的には、過去の判定結果を教師データとするAIモデルを3カ月間のPoCで構築しました。その後は学習とチューニングにより判定精度を9割以上にまで向上させ、支払遅延などの法令違反チェックをはじめとする基本機能の開発・実装を実施しました。
運用の初期段階では、月次での下請判定と法令違反チェック実現に向けた課題対応として、運用の効率化を目的とした目視時間削減などの追加機能を開発しました。また、違反チェック結果を分析することで違反傾向を把握し、対応方針をクライアントと繰り返し検討することで、効率的かつ実効性のある運用体制を整備しました。結果として、AIによる判定結果をBI(Business Intelligence)ツールで可視化することで、法令順守・注意喚起の啓発、AIツールのクライアント子会社への展開、購買部員に蓄積されたAIスキルの他の業務への利活用などにつながりました。
本クライアントはトップの強いリーダーシップの下、積極的なM&Aを通じて大きく業容拡大を図っており、IT環境もビジネスの拡大スピードに追従すべく、長年、デリバリースピード(納期)優先でシステム開発を行っていました。その結果、長年の関係性から融通の利く委託先を優先的に選定することでシステム開発の品質が低下し、問題となることもたびたびありました。
このような問題を根本的に解決するための仕組みとして、システム開発におけるリスクを加味した上で委託先を適切に選定し、委託先と戦略的な関係を構築することが必要だと考えていました。
委託先との戦略的な関係を構築するために包括的な枠組みを提示し、クライアントが目指す委託先との関係性の実現にむけた構想・計画の策定を行いました。
その上で、まずは既存のベンダーの中から自社にあった委託先を見極め、また委託先の活用を検討する上でのインプットとなる委託先を見出すためにパフォーマンス評価を実施しました。さらに、半年間のパフォーマンス評価結果をもとにベンダーポートフォリオを作成しました。
本クライアントのIT環境に導入された戦略的なベンダーマネジメント体制は、現場・経営層の双方に大変好評であり、ビジネス部門も含めた全社への拡大が期待されています。
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