Audio Discovery(オーディオディスカバリー) ~音声解析・モニタリング支援~

不正調査や平時のコミュニケーションモニタリングにおける音声データの利用は技術的に困難なものでした。文字起こしをするツールも存在していましたが、実用レベルの精度でテキスト化をすることができなかったため、実際には担当者が繰り返し音声を聞き、必要な部分を書き起こす手法が一般的でした。このプロセスは時間がかかるうえ、担当者による文字起こしの精度にバラツキがあるため、その品質を担保するためには品質管理のためのリソースも必要となりました。

PwCのAudio Discoveryソリューションは、こうした課題に対し、AI音声解析機能を使用して文字起こしのプロセスを高精度で効率化することを可能にしました。これにより、メールやチャットなどのテキストベースのコミュニケーションデータと同様に、テキスト化された音声データに対してキーワード検索を含む各種フィルタリングによる絞り込みが可能となりました。これらの機能により、音声データについても以前より容易に調査対象に加えることができると共に、不正調査や平時のモニタリングにかかるコストと時間を削減することを可能にします。

Audio Discoveryは、企業がよりスマートに音声データを活用し、業務の効率化とリスク管理を強化するための強力なソリューションです。高度な機能をぜひご活用ください。

音声解析の課題

不正調査においては、調査対象のPCやスマートフォンに保存されている電子データを解析し、事実解明をするためのデジタルフォレンジックスを実施することが一般的です。昨今、このプロセスに音声データが含まれる事例も見られるようになってきたものの、音声データを効率的に解析するためのツールが存在しなかったことから、調査担当者が音声ファイルを繰り返し聞き、必要な部分を文字に起こすという方法が用いられていました。しかし、この手法には幾つかの重大な課題が存在しました。

そもそも、音声データに対して直接キーワード検索をかけることができるツールが存在しません。そのため、音声データを調査するためには音声データを一旦テキストデータに変換することが必要となります。しかしながら、実用レベルの精度で音声データをテキスト化できるツールが存在しなかったため、全てマニュアル作業で音声データの文字起こしをする必要がありました。音声データは一度聞いただけで正確に文字起こしをすることは難しく、繰り返し聞く必要があるため、マニュアルによる文字起こしには音声データの録音時間の何倍もかかりました。また、人の手による文字起こしの作業の精度は担当者によってばらつきがあるため、言葉の間違いや表記の揺れがあれば、後のキーワード検索などの精度にも悪影響を与える可能性が生じます。

これらの課題は、調査のスピードと精度に悪影響を与えるだけでなく、調査担当者の負担を増大させ、結果として企業のリソース管理にも悪影響を及ぼします。これを改善するためには、音声データを迅速かつ正確にテキスト化し、検索やリスクスコアリングが容易に行えるソリューションが必要不可欠です。音声データの正確な取り扱いは、不正調査の効率性と精度を大幅に向上させることが期待されます。

PwCのソリューション

Audio Discoveryの導入により、不正調査および平時のコミュニケーションモニタリングにおける音声データ処理が飛躍的に効率化されます。

図表1:マニュアル作業 vs Audio Discovery

例えば、1時間の音声データをマニュアルで正確に文字起こしするためには、何度も聞き返す必要があるため平均して約5時間かかります。しかし、当ソリューションを使用することで、音声品質にも左右されますが、大幅な工数削減に繋がります。

さらに、文字起こしされたデータは音声ファイルごとにテキスト形式へと変換されるため、キーワード検索を使用することで、重要な情報が含まれる音声ファイルを迅速に特定することができます。また、会話が全てテキスト化され時間の情報も特定されるため、必要に応じて重要な箇所のみをピンポイントで聞くことができ、不正調査の迅速化と精度向上を可能にします。

現在では、このような不正調査の手法が平時のコミュニケーションモニタリングにも応用されるケースが増えています。具体的には、反贈収賄や競争法・独占禁止法など、特定の重大リスクエリアに焦点を当て、モニタリング対象の部署などを決定した上で、定期的にメールやチャットを含むコミュニケーションを監視し、企業内の潜在的なリスクを事前に察知・対処する取り組みが行われています。

図表2:コミュニケーションモニタリングの概要

Audio Discoveryの導入によって、有事のみならず平時にも、モニタリング対象を音声データにまで効率的に拡大することが可能となりました。

(コミュニケーションモニタリングの具体的なサービス内容はこちらをご確認ください。)

Audio Discoveryの特徴

Audio Discoveryは、PwCの豊富な経験と知見を活かし、不正調査や平時のコミュニケーションモニタリングにおいて、価値あるサービスとコンサルティングを提供するための強力なソリューションです。以下に、Audio Discoveryの5つの主な特徴をご紹介します。

図表3:Audio Discoveryの特徴

  1. 話者認識:自動で話者を識別し、異なる話者を区別した反訳を表示します。これにより、会話の流れや発言者を明確に把握することができます。
  2. 言語認識:音声データを元に、言語や言葉を自動で認識し、読みやすい文書に変換します。多言語対応により、さまざまな状況での活用が可能です。
  3. AIによる自動補正:複数の言語が混在する場合でも、それぞれに対応した文字起こしを提供します。さらに、造語や言い間違いを予測して補正し、正確でわかりやすい文書に仕上げます。
  4. 検索機能:レビュープラットフォームの検索機能を活用し、特定のコミュニケーションを含む音声データのリスト化や指定したキーワードが発言された時間を特定することができます。
  5. PwCの経験と知見:Audio Discoveryは、PwCのフォレンジックサービスが持つ不正調査やコンプライアンスに関する専門家の知識と経験を統合し、効果的なサポートを提供します。

これらの特徴を活かし、Audio Discoveryは、企業が音声データを効率的かつ有意義に活用するための新たな価値を提供します。

Audio Discoveryは、一般的な音声ファイル形式であるmp3、wav、aacなどに対応しており、動画ファイルについてもmp4、avi、movといった主要なファイル形式をサポートしています。これ以外のファイル形式についてのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

支援例

  • Audio Discoveryを導入することで、音声データも調査対象として口頭での不適切行為の指示やコミュニケーションをテキスト化し、メールやチャットと同様にキーワード検索やテキストデータにリスクスコア付与することで、レビュー対象となる音声データを効果的に絞り込むことができます。
  • テキスト化された音声データをレビューすることで効率的なレビューを実施することが可能になります。
  • Audio Discoveryを導入することで、上記の不正調査の手法を平時のモニタリングとして企業内で活用することが可能です。これにより企業内で音声データをモニタリングする工数を大幅に削減し、より注力すべき分野にリソースを注力することが可能になります。

{{filterContent.facetedTitle}}

{{contentList.dataService.numberHits}} {{contentList.dataService.numberHits == 1 ? 'result' : 'results'}}
{{contentList.loadingText}}

{{filterContent.facetedTitle}}

{{contentList.dataService.numberHits}} {{contentList.dataService.numberHits == 1 ? 'result' : 'results'}}
{{contentList.loadingText}}

主要メンバー

池田 雄一

パートナー, PwCリスクアドバイザリー合同会社

Email

劉 旻

パートナー, PwCリスクアドバイザリー合同会社

Email

カナン スティーブン

シニアマネージャー, PwCリスクアドバイザリー合同会社

Email

満行 毅

ディレクター, PwCリスクアドバイザリー合同会社

Email

山本 せかい

マネージャー, PwCリスクアドバイザリー合同会社

Email

本ページに関するお問い合わせ