ビジネスサービス
多くの企業は効率性を向上させ、コアビジネスに集中するために、特定の業務を外部の専門企業（ビジネスサービス）に委託する傾向を強めています。ビジネスサービス業界は、企業に対してさまざまなサービスを提供する業界であり、人事、給与計算、会計といった伝統的なバックオフィス系のビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）の他、営業・マーケティング、製品の開発から生産といった企業を取り巻く幅広い業務でBPOが進展しています。またビジネスサービス業界は、警備業界をはじめとしてセキュリティという視点で社会課題解決を標榜するプレイヤー、シェアリングエコノミーの進展を背景にビジネスサプライやアセットのレンタル、リユースを専門的に手掛けるプレイヤー、企業のESGへの取り組みを支援するリサイクル・廃棄物処理を専門に手掛けるプレイヤー、企業が抱える社会課題を専門的知見から支援するプロフェッショナルサービスや企業調査を行うコンサルティング業界など、企業が構築する価値創造のプロセスを専門的に支援する幅広い業種を包含している業界と言えます。
このようなビジネスサービスを提供する専門企業は、現代のビジネス環境において大きな役割を担っており、これらを効果的に活用することは企業にとって極めて重要な戦略です。
一方でビジネスサービス業界自体、少子高齢化などの社会課題やテクノロジーの加速度的な発展といった社会環境の大きな変化に迅速かつ柔軟に対応しながら進化していくために、自社でトランスフォーメーションに取り組む必要もあります。
- 少子高齢化の進展による労働力人口の減少
少子高齢化の進展により労働力人口の減少が見込まれる中で、ビジネスサービス業界でもバリューチェーンの統合・再編・アライアンスなどを通じて、単独のリソースに依存したビジネスから、より効率的で複合化されたサービスへの転換が求められています。
- デジタル化とテクノロジーの進化と普及
AIやクラウドコンピューティングなどのテクノロジーの普及に伴い、ビジネスサービス業界でもこれらの技術を取り入れることによるDX化がますます重要になっています。これにより、より迅速なサービス提供や、より高度な分析能力などを実現し、競争優位性を高めることができます。例えば、建機レンタル業界では、世の中の建設ソリューションのニーズに対し、よりサステナブルかつ無駄のない形で建設機械をアセットとして保有し、利益・資産効率を最大化できるようなデジタルドリブン経営基盤構築も重要性を増しています。PwCアドバイザリーのビジネスサービス支援チームでは、こうしたDX視点でのクライアントの価値創造やトランスフォーメーションの支援にも注力しています。 - サステナビリティとESGの関心の高まり
環境、社会、ガバナンス（ESG）に対する関心の高まりに伴い、ビジネスサービス業界もこれらに応じた経営が求められています。サステナブルなビジネスモデルや、環境や人権に配慮したオペレーションは、企業のレピュテーションを向上させ、新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。 - サプライチェーンの脆弱性の露呈と再思考
新型コロナウイルス感染症の拡大や、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、グローバルに事業を展開する環境を激変させました。その他台湾有事の可能性などの地政学リスクも踏まえ、ビジネスサービス業界も環境の変化に対応したリスクマネジメントを導入するとともに、各企業におけるグローバルグループ戦略の見直しに柔軟に対応する必要があります。
これらの環境変化を的確に捉えて、業界の課題に対応することが、ビジネスサービス企業の成功への鍵となります。PwCアドバイザリーは、ビジネスサービスを展開するクライアントに最適なアドバイスを行うべく専門チームを組成し、豊富な経験と知見、実績を有するさまざまな分野のプロフェッショナルが課題解決を支援しています。
※ビジネスサービスは、企業が価値創造のプロセスを構築する際に一部の機能を外部に委託するケースなど、企業のビジネスに関連する専門的なサービスを提供・受託する業種となります。例えば、広範なBPO関連サービス、人材派遣・紹介などの人材サービスや給食・生涯教育・介護や警備などのセキュリティサービス、各種プロフェッショナルサービス（会計・税務・法務、シンクタンク、研究所、コンサルティング）、リサイクル・産業廃棄物処理やレンタル・シェアリングサービスなどであり、多岐にわたる業界にサービスを提供しています。
