7月28日・29日の金融政策決定会合で日銀は長短金利操作:イールドカーブコントロール(YCC)の柔軟化を決定した。今回の政策変更はYCCの柔軟化ではなく、YCCという金融政策枠組みの形骸化、ないし終わりを意味すると言った方が適当だろう。以下では、今回の金融政策決定会合の内容について概説すると共に、日本経済の動向に応じ、「YCCの終わり」がどのような帰結をもたらしうるのかを考えてみることにしたい。
最初に今回の政策決定の内容をみておこう。今回の政策決定は、日銀が公表した「当面の金融政策運営について」に記載されている。冒頭、政策の基本方針として、賃金の上昇を伴う形で2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っていないことが示され、その上で現在の政策枠組みの下で粘り強く金融緩和を継続する必要がある旨が記載されている。こうした中、経済・物価上昇に関して不確実性が極めて高いことを考慮に入れると、YCCとして、その運用を柔軟化し、上下方向のリスクに機動的に対応していくことで、現在の政策枠組みの持続性を高めることが適当との判断に至ったとのことである。
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