早いもので2023年も半分が経過した。筆者は年頭に「2023年の経済展望」と題して、高進した物価上昇率はどのような形で生じたのかを議論しつつ、内外経済のポイントについてまとめている。本稿では、「2023年の経済展望」でまとめた内容をアップデートしつつ、年後半の経済動向をみる上でのポイントについて検討することにしたい。
議論を始めるにあたり、足元の物価上昇率の推移を確認しておこう。図表1は日・米・ユーロ圏の物価上昇率(消費者物価指数前年比)の推移をみている。
米・ユーロ圏の物価上昇率は、全ての品目を含むベースで、米国の場合は2022年6月に9.1%、ユーロ圏の場合は2022年10月に10.7%とピークを付けたのち、2023年5月には米国は4.0%、ユーロ圏は6.1%へと伸びを弱めている。ただし、こうした物価上昇率の弱まりにはエネルギー価格の低下が大きく影響している。食料・エネルギーを除いたベースの物価上昇率の動きをみると、米国は2022年9月に6.6%とピークを付けたのち、2023年5月に5.3%となったものの、全ての品目を含むベースと比べると物価上昇率の低下度合いは緩やかである。ユーロ圏の場合は2023年4月に食料・エネルギーを除いた物価上昇率は5.7%とピークを付けたが、2023年5月の値は5.3%と高止まりしている。米国・ユーロ圏のインフレ率の低下は食料・エネルギー価格の低下がメインであって、総需要と総供給の状況により大きく依存する食料・エネルギーを除いた物価上昇率は依然として高止まりしていることを押さえておくべきだろう。
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