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2023-02-02
2022年12月7日、PwCアドバイザリー合同会社(以下、PwCアドバイザリー)は、一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)とともに、同地区のスマートシティ化への取り組みの一環として、フィールドワークショップ「スイスイ車イス編」を開催しました。
前半第1部のフィールドワークでは、PwC Japanグループ所属の車いすバスケットボールの選手(チャレンジドアスリートチーム(CA)のメンバー)とともに街をめぐり、災害時の避難経路や安全確保のためのアクセシビリティや情報取得環境について検証しました。また、後半第2部のワークショップではフィールドワークでのバリアフリー環境に関する気づきや課題を共有。多くの人が仕事や観光で訪れる大丸有エリアの魅力と価値向上につながるさまざまな示唆を得る機会となりました。
ワークショップは、車いすユーザーの目線で街をめぐり、検証するフィールドワークと、フィールドワークで気づいたこと、課題と感じたことなどを共有・意見交換するワークショップの2部構成で実施しました。
5チームに分かれ、地下を中心とした異なるルートを進みながらバリアフリー環境などを検証。ルート走行は車いすユーザーであるCAメンバーが中心となり、その後ろを4、5名の参加者が伴走しながら、車いすユーザーの視点で気づきや課題などを抽出する。また、各出発点からゴールまでは大丸有エリアの地図アプリ「Oh MY Map!(スムーズ地下・防災バージョン)」を使い、使用感などを踏まえてアプリの機能向上に役立てる。
フィールドワークに参加した5チームそれぞれが、ルート走行を経て気づいたこと、感想、提案などを発表。大丸有エリアのバリアフリー環境やスマートシティ化に向けて必要なツール、取り組みなどについて意見交換を行う。
PwC JapanグループのCAは、車いすバスケットボールの男子日本代表監督を務めた及川晋平を筆頭とするチームで、スポーツと仕事の両立を図りながら、将来的に自身のキャリアを選択していけるプログラムを推進しています。また、社内外のインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)カルチャーの醸成を始め、ビジネスの面でも社会課題の解決に取り組んでいます。このワークショップにも及川ほか5名の車いすバスケットボール選手がCAより参加し、街めぐりをした感想などを生の声として発信、共有することで、まちづくりの創発への議論を行いました。
「Oh MY Map!」は、大丸有エリアのイベントやモビリティ情報を確認できるアプリで、2020年から地域の情報基盤として稼働しています。スムーズ地下・防災バージョンは、大丸有エリアのバリアフリー情報や防災に役立つ情報を提供し、複雑に入り組んだ地下の複数階の情報を分かりやすく表示している点が特長です。また、バリアフリールートを青い線で表示する、段差や傾斜などを地図上で「!」として表示する、バリアフリートイレの満空情報をリアルタイム表示するといった機能があり、バリアフリーの目線でUXを高めています。
第2部の意見交換会は、PwCアドバイザリー 石井亮からワークショップの背景と目的を再確認するあいさつからスタートしました。
PwCアドバイザリーは、2019年から大丸有エリアのスマートシティビジョン実行計画策定に関わり、当初から地域で働く人や来街者等のユーザー視点を大事にしています。また、移動困難者を対象とした調査で世界でもっともアクセシビリティが良い10都市の1つに入っている東京は、車いすユーザーを含めて誰もが自由に移動できる街を目指すことにより、街の魅力と価値をさらに高めていくことができます。その観点から、PwC JapanグループのCAが貢献できると考え、大丸有協議会にCAを紹介したことが今回のワークショップ実現に結びつきました。
CAの紹介では、スマートシティにおける防災のあり方という観点で、CAメンバー2名が東日本大震災の経験を共有しました。
茨城県出身の菊池隆朗は当時の水戸市内の勤め先の建物内で被災し、オフィスに取り残された経験を持ちます。エレベーターが使えない状況では体を抱え上げて階段を下ろしてもらわなければならず、その経験から「防災は障がいがある人の声を聞き、反映する必要性があると実感しました」と言います。
福島県在住の安藤翔治は当時の福島の職場のトイレ内で被災し、便器と壁の隙間にずり落ちてしまいました。職場全体がパニックになっている中では助けが見込めず、自力ではいずり出るしかありませんでした。その経験を踏まえて、防災は「どこに何があり、誰がどこにいるかを把握することが前提になる」「車いすユーザーにとって何が足りないかを考え、知ろうとしてもらうことが大事」と意見を述べました。
意見交換会のメインは、5チームからの発表と、その発表を受けての意見交換です。
街めぐりの感想に関しては、良かった点として「道が広い」「段差が少ない」「地下の路面がタイル地で車いすを漕ぎやすい」「エレベーターが多く移動しやすい」といった意見があり、どのチームも全体を通して大丸有エリアのバリアフリー環境が良いと評価しました。
一方で、課題や改善可能な点に関してもさまざまな意見が発表されました。
印象的だったのは「車いす用の段差解消機(以下、昇降機)はなるべく使いたくない」という意見です。その理由としては、人を呼んで操作してもらわなければならず、待ち時間がかかります。また、途中で昇降機が止まり、身動きが取れなくなるリスクがあります。実際、昇降機があるルートを通ったCAチームのメンバーは、来た道を戻ってエレベーターを使う選択をしました。これは第2部の参加者にとって大きな気づきとなりました。
同様の理由で、「車いす対応のエスカレーターもできる限り使わない」という意見もありました。利用するためにはエスカレーターをいったん止め、人の手を借りて乗る必要があり、その間、他の人がエスカレーターを使えなくなるからです。
もう少し掘り下げると、「1人で行ける方法を選択したい」と考えている車いすユーザーがいるということです。フィールドワークで使用したアプリについても「自分が対応可能な障害物のレベルをアプリに登録し、その情報を踏まえて1人で行ける推奨ルートが表示されるようになるといい」「外に出る前にアプリで調べる情報と現場の標識で、目的地まで1人で辿り着けるのがベスト」という意見が出ました。
その他にも以下のような意見から課題への気づきが得られました。
「道は広いが、柱が点々と立っていて、ベビーカーなどとのすれ違いが難しい場所がある」
「車いすユーザーは視線が低くなるため、人がいると前や足元が見えづらくなる。逆に、天井は見やすいため、サインを増やすなどすると良い」
「雨水を流すために傾斜がついていたり、点字ブロックが通路を横切ったりしている箇所がある。それも必要なことだが、バリアフリーの定義をあらためて考える必要があると感じた」
「車いすマークがあると安心感を得られる。今回のルートでは1つしかなく、エレベーターのサインを見ながら進んでいた。サインの重要性をあらためて感じた」
「緩やかに見えるスロープでも車いすユーザーには想像以上にストレスになる」
「床が石畳調になっている場所は見た目のおしゃれさによって気持ちは高まるが、タイヤの径が小さい車いすは通りづらい」
フィールドワークで使用したアプリ(Oh MY Map!(スムーズ地下・防災バージョン))に関しては、「青い線で示されるバリアフリールートが分かりやすい」「外れたところにいても青い線(推奨ルートを表示する線)に辿り着ければどうにかなるという安心感がある」「傾斜がある場所に『!』が表示されている点が便利」といった点が高く評価されました。
一方、機能向上に向けて以下のような意見が出ました。
「車いす移動ではスマートフォンを確認し続けるのが難しく、聴覚が不自由な人もいるため、スマートウォッチなどと連動した、振動や音声など視覚に頼らずに情報を得られる手段があるといい」
「表示される情報量が多すぎると感じることがあった」
「自分がどちらを向き、どちらに進んでいるかが分かるように、矢印アイコンになるといい」
「目的地までの距離が表示されると、あとどれくらいで着くかが分かり、安心材料になる」
「目的地に向かう動線上のアクセシビリティ向上のために、デジタルサイネージなどと連動させ、自分の位置情報などを確認できるといい」
ワークショップ中に制作したグラフィックレコーディング
第2部の最後は、大丸有協議会 後藤泰隆理事長付によるまとめとあいさつがありました。
後藤氏は、まず今回のフィールドワークで生まれた示唆をこの場だけで終わらせずまちづくりの次のアクションにつなげることが重要であるということ、さらに、大丸有をより使いやすい街に変えていくとともに、アプリをより使いやすくすることによってハードとソフトの両面から街の使い方を変えていきたいと伝えました。
また、I&Dが重視される社会においては、「想像することも大事だが、それ以上に当事者の生の声を聞くことが大事」と語り、「スイスイ車イス編」にとどまらず、あらゆる立場の人が使いやすいと感じる街のあり方を考える機会を設け、「思考の枠を広げたい」とまとめました。
今回のワークショップの総評について、参加者にアンケートを行いました。
結果は以下の通りで、第2部でのグループ発表と、その内容を受けた活発な意見交換の満足度が高くなりました。
また、車いすユーザーや防災、バリアフリー観点でのまちづくりについて発見があったと答えた人は100%となり、具体的には「アプリを使う街めぐりの効果がわかった」「ハード面、ソフト面のまちづくり施策の示唆を得た」「車いすユーザーと自分の体感の違いに気づいた」といった感想が出ました。
今回のワークショップでは、フィールドワークを通じて車いすユーザーの声を聞くことができ、日頃、何気なく歩いている石畳や傾斜が想像以上にストレスとなっていることが分かりました。また、意見交換会は防災とバリアフリー化によるスマートシティの実現という大きな目標を共有しながら、移動しやすく、安全で安心できる街のあり方について前向きに意見を出し合ったとともに、バリアフリーとはどういう状態か、移動困難者にとって街はどんな働きかけができるかといった一段レイヤーが深い議題について考える機会となりました。
I&Dを重視するPwCメンバーファームとして、今後もPwCアドバイザリーは全国の自治体を対象としたまちづくりの支援を行っていきます。また、そのための知見を蓄積、提供するとともに、CAチームの活動を含むPwCならではの解決策を通じて、インクルーシブなまちづくりやスマートシティ対応への取り組みを推進していきます。
一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会は、大手町・丸の内・有楽町地区の地権者を会員とし、当地区において、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会で策定されている「まちづくりガイドライン」を踏まえ、企業、団体及び行政等のまちづくりに係る主体との連携を図り、都市空間の適切かつ効率的な開発、利活用等を通じたまちづくりを展開することにより、当地区の付加価値を高め、東京の都心としての持続的な発展に寄与することを目的として活動しています。
PwC Japanグループでは、社内のI&Dカルチャー醸成や、社外への障がい者スポーツ認知向上活動を通じて、インクルーシブな社会の実現へ貢献します。
現在グループには12人の障がい者アスリート(Challenged Athlete)が所属し、スポーツそしてビジネスの世界で自らを信じ、多くの壁を乗り越え、可能性に挑戦し続けています。
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