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本稿では、中東情勢不安定化による燃料価格のボラティリティの高まりを受けて、改めて、市場リスクに直面する電力・ガスはじめエネルギー事業者の皆様が取り組むべき市場リスク管理の概要と確認ポイントを整理します。
燃料価格のボラティリティの高まりで思い出されるのは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻に端を発する燃料価格・電力スポット市場価格の高騰ではないでしょうか。市場価格変動リスクが発現し、市場からの電源調達価格が高騰したことで、適切なリスク管理を実施していなかった小売電気事業者は、売値との逆ザヤで大きな損失を受け、事業停止・撤退等を余儀なくされました。
こうした事態を受け、各社市場リスクへの対応の機運が高まった一方で、実際のリスク管理の対応に目を向けると、事業者によって事業規模や範囲も異なることから、その方法や成熟度は各社各様です。
本稿は、図表1に示しているリスク管理の概観を説明するものであり、抜けている観点や今後取り組むべき項目がないかの総点検のきっかけになればと思います。
図表1:リスク管理に求められるPDCAサイクルとその体制
PwC作成
市場リスク管理では運用方針やプロセスを規程類に明文化し、組織設計に落とし込むことが重要です。
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リスク管理の運用においてもPDCAサイクルを意識した運用が重要です。
① Plan(管理指標の設定とポジションの把握)
② Do(リスクの定量化)
③ Check(管理指標と閾値の確認)
④ Action(アクションプランの設定)
こうしたリスク管理体制の運用を、図表2のような内容を基に進めていきます。
図表2:ポジション把握と損益・リスク量の確認イメージ
PwC作成
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リスク管理業務の運用方法整備と合わせて、それを円滑に実行するための基盤構築が重要です。ただし事業規模や管理方法によって、表計算ソフトなどのツールで簡易的に実施するか、ベンダーによるシステム導入をするかの判断は慎重に検討する必要があります。
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電力小売事業において安定した収益を上げ続けるには、リターン(収益)だけでなくリスクの把握も重要です。また、効果的な打ち手につながる組織体制および運用の確立が、事業継続に必要不可欠な要素となります。
PwC Japanグループは、電力・ガス業界のリスク管理や、その一環で実施するヘッジ取り組みについて幅広い支援実績を有しており、メンバーファーム間で連携することで、全体の総点検から一部運用の高度化までご支援が可能です。