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2022-09-27
第1回のコラムでは中央集権型データアーキテクチャにより発生している課題をメッシュアーキテクチャ=連邦型データアーキテクチャが解消することを説明しました。
今回は、企業のデータ活用の現状を俯瞰し、第1回で示したメッシュアーキテクチャを実現する5つの視点の1つである「ドメインは、自らが持つデータやアナリティクスをプロダクトとして他ドメインに共有し、利用できるようにすること」により発生する効果を検討します。
この1、2年の間に企業内のドメイン単位(≒事業部門、業務部門 etc.)でのデータ/アナリティクス活用が促進されています。その技術的背景としては以下の二点があげられます。
これらツールの発達により、データ活用周りの専門ではない業務部門の担当者でも、アナリティクスに関する専門的な知見と大規模データ処理などのスキルを獲得することが可能になりました。
数年前までは、部署横断組織をCoE(Center of Excellence)として組成し、全社的に利用するツールやプラットフォームを指定しながら活用を促していましたが、ドメイン内で分析スキルを持った人材が生まれ、業務に沿ったツール利用のニーズが高まることで、ドメイン単位でのデータ活用が近年加速度的推進を遂げています。イメージを図1に示します。
図1:ドメイン単位でのデータ活用イメージ
このような構図はデータ/アナリティクス活用が進んでいる企業では良く見られますが、以下の点で課題が存在します。
これらを改善し、さらなる業務の効率化/高度化を実現するために「データプロダクト」という考え方が重要です。
「データプロダクト」とは、アウトプットデータだけでなく、アナリティクスロジック/AIアルゴリズムとそのパラメータ、APIなども全てプロダクトとして捉え共有可能な資産物とする考え方(図2)で、これらをドメイン間で相互に活用することで大きなシナジー効果が生まれることになります。
図2:データプロダクトイメージ
データを中央が一元管理するのではなく、各ドメインがアナリティクス/AIモジュールも含めたプロダクトとして相互に提供している概念図を図3に示します。
図3:ドメインが保有するデータプロダクトの相互運用イメージ
例えば財務管理プロセスにおいて活用されている不正検知AIの不正明細データを、サプライヤーレピュテーションの結果をインプットとして利用するレコメンドエンジンに活用することで、最適サプライヤーの選出精度をさらに高めます。
そのサプライヤーレコメンドで生成されたサプライヤー品質スコアデータを、生産計画の際の売上予測AIに活用することで、さらなる予測精度の向上に寄与します。
各ドメインがオーナーシップをもってデータプロダクトを管理・共有することで、業務でのデータ活用が高度化され、以下の効果が期待されます。
しかし、単純にドメインに全てのオーナーシップを任せてしまうと、プロダクト規格・品質がまばらとなり、利用コストやセキュリティインシデントの増加等のリスクが発生します。
それらを防ぐために「プロダクト規格設定」「API/DBの整備」「セキュリティ品質担保」といった活動も合わせて推進していくことが求められます。
図4:中央集権型の課題とメッシュアーキテクチャがもたらす効果
本コラムではドメイン自らが持つデータやアナリティクスをプロダクトとして他ドメインに共有/利用できる状態にした場合に享受されるメリットに関して主に説明を展開しましたが、その実現に当たってはいくつか推進すべき具体的事項が存在します。
次回はこれらの推進すべき事項について、ドメインがデータプロダクトに対して担うべき責任範囲と必要なスキル・人材の側面から解説し、組織として得られる価値を最大化する方法を考えていきます。
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