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自治体でのワクチン接種、見えてきた「今後の9つの課題」

2021-04-22

PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)は、2月2日に「新型コロナワクチン接種業務支援室」を設置*1しました。また、3月2日には千葉市と「新型コロナウイルスワクチン接種に関する包括連携協定」を締結*2し、新型コロナワクチンの接種体制の構築、関連する業務の推進、得られた知見・ノウハウなどの他への展開・活用について協力していくことで合意しました。

3月8日からは千葉市との取り組みを通じて作成した「新型コロナワクチン接種・業務計画策定支援ツール」の他自治体への無償提供*3を開始し、ワクチン接種に関する業務計画の策定などに関するアドバイスと支援を行っています。

PwCコンサルティングは、これらの支援を通してつながりをもった複数の自治体が参加する「合同会議」を開催しています*4。参加自治体の職員が日々現場で感じている課題や不安、取り組みを共有することで、ワクチン接種業務の検討の加速、そして安心感が得られています。

PwCコンサルティングは2021年4月20日時点で、約10の自治体に対して支援を行っています。刻一刻と状況が変わる中、限られたリソースで最大限の成果を発揮し、公平性を踏まえたうえで住民にワクチンを接種する方法について、自治体職員と議論を進めています。

また、これまでの支援や検討をもとに、目の前の課題解決のサポートのみならず、今後想定される課題を整理し、自治体に提供する活動を開始しました。

自治体を実際に支援する中で見えてきた、現時点で想定できる課題は次の通りです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とそれを取りまく状況の変化により、今後、課題そのものが変わることも考えられます。私たちは解決方法の検討とともに、課題とその内容の更新を今後も定期的に行っていく予定です。

① クリニックのコントロール

提供力(件数/施設)がワクチン供給量を上回る可能性があります。その際にどのような判断軸で振り分けを行うのか、医療機関の提供力は精緻な状態か、などの検討を進める必要があります。

② 接種会場の少ない空白地帯への対応

接種体制構築に一定の目途が立つ中、一部の地域で極端に接種会場数が少ない場合があります。その地域に住む独居老人や後期高齢者の接種率向上への対応を検討する必要があります。

③ 住民票がない人への接種対応

全国的な接種率向上を考慮すると、居住する市区町村の住民票の有無に関わらず、接種可能な地域で接種できることが望ましいです。今後、この傾向は加速すると考えられます。そこで、住民票の住所と居住地が異なる住民への接種(イレギュラー対応)における業務構築を早期に検討する必要があります。

④ 医療備品の安定調達

政府から各医療機関に支払われる補助金(税込2,277円)内には備品調達費用も含まれます。しかし、全国的な品薄・高価格化が進むと利益のひっ迫につながります。より多くの医療機関が接種を継続するためには、安定調達を行うための仕掛けや、利益のひっ迫を防ぐためのサポート方法を検討する必要があります。

⑤ 住民誘導に向けたコミュニケーション戦略

一部の市区町村では既に接種券の配布が始まり、問い合わせが殺到しています。これは新型コロナワクチン接種への注目度の高さを示しています。今後、高齢者の接種が進む中で、一部会場への集中や一部地域での接種率の低下が予測されます。ワクチンの特性を踏まえ、多くの会場に万遍なく誘導するためのコミュニケーション戦略が必要です。特に、複数のシナリオを事前に示し、市区町村の現状を示す情報発信が欠かせません。

⑥ 破棄数最小化に向けた方針

新型コロナワクチン接種における優先順位が政府から示されていますが、最優先事項は破棄数の最小化だと考えています。そこで、予約取消などで発生した余剰ワクチンを可能な限り破棄せず、活用できるような方針を示すことが必要です。

⑦ 同一メーカーによるワクチンの接種担保方法

今後、ワクチンの供給メーカーが複数になることが予想されます。その際、第1回接種と第2回接種で、同一メーカーのワクチンを接種することが重要です。接種記録システム(VRS)はマイナンバーと連携しており、市区町村の職員しかアクセスできないと想定されるため、第1回接種時のワクチンのメーカーを医療機関が確認する術は、本人が持参する接種券しかないと考えられます。したがって、第2回接種時に接種券を持参しなかった場合、当日の接種が困難となるだけでなく、第1回接種時のワクチンが無駄になるとともに、次回の接種の予約もしばらく先となることが予想されます。このような事態を防ぐための仕組みを検討する必要があります。

⑧ 独自方針の検討

高齢者への接種の目途が立った段階で、高齢者以外への接種に向けた検討を行う必要があります。高齢者という区切りで接種券を配布しても、1日に1万件を超える問い合わせ電話が殺到している自治体も見られることから、何らかの区切りをもって接種券の配布を行うことが求められます。例えば、経済対策として一部の業界で働く人への接種を早める、接種対象とならない15歳以下と接することが多い職種への接種を早めるなど、さまざまな観点が考えられます。地域の特性を加味した独自方針を検討する必要があります。

⑨ 外国人への接種

現在は接種券が配布される人を対象にワクチン接種が進められています。しかし、ワクチン供給量が安定し、増加した際には対象を広げる可能性も考えられます。中でも、日本の社会に欠かせない存在となっている短期滞在などの外国人労働者(住民票発行対象外)への接種に関する方針や方法は、早期に検討される必要があります。自治体単独での判断は難しいかもしれませんが、「③住民票がない人への接種対応」に派生する課題として、検討する必要があります。

PwCコンサルティングは新型コロナワクチン接種に関する支援活動を、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPwCパーパス(存在意義)を体現する取り組みと位置付けると同時に、COVID-19の収束に向けて世界が一つとなって取り組むべき社会課題であると考えています。

新型コロナワクチン接種における課題を特定の組織や団体のためのビジネス機会ととらえるのではなく、世界中の関係するプレーヤーが人的資源や情報を積極的に共有・連携しすることで、短期間でより効率的・効果的に対処すべき問題であると考えています。

PwCコンサルティングは、千葉市をはじめとする各自治体との取り組みや、さまざまなステークホルダーとの連携を通じて得られた情報や知見・ノウハウを、他案件へも有用な形で展開することで、COVID-19の収束に貢献します。

 

*1 2021年2月2日「PwCコンサルティング、新型コロナワクチン接種業務支援室を設置」https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/covid-19-vaccine-support210202.html

*2 2021年3月2日「千葉市とPwCコンサルティング、新型コロナウイルスワクチン接種に関する包括連携協定を締結」
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/covid-19-vaccination210302.html

*3 2021年3月8日「PwCコンサルティング、全国の自治体への新型コロナワクチン接種業務支援を本格展開開始」
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/covid-19-vaccine-support-tools210308.html

*4 自治体からの問い合わせ先:(新型コロナワクチン接種業務支援室)
Email:jp_cons_covid19-vaccine-support-office-mbx@pwc.com

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