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世界で広く用いられている品質マネジメントシステム規格ISO 9001(Quality management systems-Requirements)の改訂が進行しています。2025年8月27日にはISO/DIS 9001:2025(国際規格原案)が発行されました。今後2026年3月にFDIS(最終国際規格案)を経て、2026年9月に正式な改訂版IS(国際規格)の発行が計画されています。
本稿では改訂の背景、維持される考え方、主な変更点を整理した上で、SDV時代の車両品質の確保について考察します。
※本稿の内容は2026年1月執筆時点のISO/DIS 9001:2025に基づくものです。改訂スケジュールおよび改訂内容は今後変更される可能性があります。
2015年版(ISO 9001:2015)の発行以降、パンデミックや地政学リスクによるサプライチェーンの複雑化、デジタル化の急速な進展、サステナビリティや企業倫理への関心の高まりなど、ビジネス環境は大きく変化しました。2026年の改訂では、基本的な構成を維持しながら、これらの変化に対応して一部の要求事項が強化・明確化される予定です。
ISO/DIS 9001:2025におけるPDCAサイクルの概念図および各要素と関連する箇条番号を図表1に示します。規格の目的や基本構成、Plan・Do・Check・Actionから成るPDCAサイクルの基本概念はISO 9001:2015から引き続き維持されます。
図表1:PDCAサイクルに基づく品質マネジメントシステムの全体像
ISO/DIS 9001:2025の文書構成およびISO 9001:2015からの主な変更点を図表2に示します。具体的な要求事項は箇条4から箇条10に記載されており、主な変更内容を以下にて解説します。
図表2:文書構成およびISO 9001:2015からの変更点
近年の自動車業界では、車両の市場投入後もソフトウェアを更新することでユーザーに新たな価値や体験を提供し続けるSDV(Software Defined Vehicle)への移行が進んでいます。SDV時代の車両の品質についてソフトウェア更新、サイバーセキュリティ、自動運転の観点から考察します。
本稿ではISO/DIS 9001:2025での主な変更点について紹介し、SDVの目線で車両の品質について考察しました。従来の自動車開発では企画・設計・製造・販売・使用・廃棄という直線型の車両ライフサイクルを前提としており、市場投入後の変更も限定的であることから、品質保証は市場投入前の設計検証や製造品質の作り込みに重点が置かれていました。SDV時代の車両ライフサイクルでは、市場投入後もソフトウェア更新による機能追加や使用中に取得したデータを活用して性能改善が継続的に行われるなど、従来の直線型から循環型のライフサイクルへと変化しています。そのため、品質の作り込みは市場投入時点で完了するものではなく、市場投入後の運用を通じて維持・改善するものとして捉えることが肝要です。
2026年改訂予定のISO 9001には、リスクと機会のそれぞれへの取り組みの要求の明確化と変更管理の要求の強化など、ネットワークに接続され継続的にソフトウェアが更新されるSDVと親和性が高い変更内容が含まれる見込みです。各メーカーは品質マネジメントシステムを全体の枠組みとしつつ品質に関連する開発プロセス(ISO 26262やAutomotive SPICE🄬など)や分野別マネジメントシステム(UN-R156 SUMS*1やUN-R155 CSMS*2など)などとの整合を図りながら統合的に管理できる体制を構築していくことが重要となります(図表3)。
*1 SUMS:Software Update Management System
*2 CSMS:Cyber Security Management System
図表3:関連する代表的な法規および標準文書
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