OECD・BEPS行動15 BEPS防止措置実施条約の署名

2017-06-21

BEPSニュース - Issue 46
2017年6月21日

 

2017年6月7日(水)、パリにおいて「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)の署名式が行われ、日本を含む67カ国・地域が出席して署名しました。BEPS防止措置実施条約は、OECD/G20のBEPSプロジェクトにおいて策定された税源浸食・利益移転(BEPS)を防止するための措置のうち租税条約関連部分を多数の既存の租税協定に同時かつ効率的に採り入れることを可能とするためのもので、BEPS行動15(多数国間協定の策定)の勧告に基づいています。
BEPS防止措置実施条約によって既存の租税協定に導入されるBEPS関連措置は、租税条約の濫用等を通じた租税回避行為の防止に関する措置、及び、二重課税の排除等納税者にとっての不確実性排除に関連する措置となっています。具体的には、BEPSプロジェクトの行動2(ハイブリッド・ミスマッチの効果の無効化)、行動6(租税条約の濫用防止)、行動7(恒久的施設認定の人為的回避の防止)、行動14(相互協議の効果的実施)に係る最終報告書が勧告する租税条約関連の諸措置が含まれます。
BEPS防止措置実施条約は、署名した5カ国・地域が批准書等を寄託することにより、その5番目の寄託から所定期間満了後に当該5カ国・地域について効力を生じ、その後の批准書等の寄託国・地域については、それぞれの寄託から所定期間満了後に効力を生じます。我が国において、批准書等を寄託するのは、国会の承認を得てからとなります。
このBEPS防止措置実施条約は、租税条約の歴史に新たなターニングポイントを印すものとされ、これによって、国際租税分野においてさらなる安定性(certainty)と予測可能性(predictability)が実現するとされています。

  1. BEPS防止措置実施条約の策定の背景、署名国・地域
  2. 本条約の概要
  3. ミニマムスタンダード(最低基準)
  4. ベストプラクティス等(ミニマムスタンダードではないもの)
  5. 拘束的仲裁
  6. 本条約の発効
  7. 日本の対応

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