不採算事業のバリューアップ支援

企業が窮地に陥るのは外部環境の変化、経営戦略・マネジメントの問題など多種多様であり、当事者でも真の要因を認識することが困難なケースも多いのではないでしょうか。

また、真の要因を認識できたとしても、社内外関係者の利害対立が悪化し、当事者では解決不能に陥る状況も少なくありません。さらに、状況が刻一刻と変化する中、不採算事業のてこ入れのタイミングを逸してしまうと打ち手がなくなり、最終的に売却を選択する場合においても交渉が困難になるだけでなく、撤退するにも多大なるコストがかかってしまう可能性があります。

そのため、窮地に陥った、または陥る兆候を認識した時点で、短期間での再建案の策定および実行、状況変化に柔軟に対応した軌道修正が必要です。

PwCのアプローチ

一般的な不採算事業のバリューアップは、4つのフェーズで構成されます。PwCコンサルティングは、戦略×ファイナンス×M&Aの全てに精通したコンサルタントが、不採算事業が置かれた状況を詳細に分析した上で、当該事業が改善するための最適解を導き出し、事業の再建を支援します。

フェーズ構成

フェーズ

目的

主な支援内容

成果物

1.診断フェーズ(AS-IS分析)

事業の不採算構造を定量的・構造的に把握

事業別損益、原価構造分析、稼働率、生産性、顧客別収益などのKPI分析

事業採算マップ、問題構造図

2.改善余地抽出フェーズ

収益構造の「再構成可能領域」を特定

コストドライバー分析、価値連鎖分析、競争ポジショニング診断

バリューアップ領域(製品・顧客・チャネル・コスト別)

3.バリューアップ施策設計

再構築・再成長のための施策立案

①撤退/縮小領域
②再編・提携
③成長転換策の設計

アクションプラン・財務効果試算

4.実行支援フェーズ

計画の着実な実行とモニタリング

PMO(Project Management Office)、KPI設定、進捗・効果検証

モニタリングレポート、KPI管理表

1. 診断フェーズのアプローチ例

詳細な収益分析(顧客別、製品別、販売チャネル別など)が十分にできていないクライアントに対し、(ア)~(ウ)の分析を実施した結果、売上の一定割合を占める顧客向けの製品群で損失の多くを計上していることが判明するなど、主要な原因が明らかになりました。

(ア)採算性分析(顧客別・製品別・チャネル別PL分解)
粗利・固定費配賦により「真の採算」を可視化
例:全社売上の20%を占めるA社向け製品群が、全社損失の70%を生み出している

(イ)バリューチェーン分析
R&D・製造・物流・販売・アフターサービス各段階の原価、付加価値構造を整理

(ウ)生産性分析
稼働率、在庫回転、設備稼働効率を通じて、過大な資産負担箇所を把握

上記を定量モデル化してシミュレーション
例:営業利益=(販売価格−変動費)×販売数量−固定費

2.改善余地抽出フェーズのアプローチ例

診断フェーズの分析を受けて、改善余地抽出フェーズでは具体的な施策を検討しました。施策には守りと攻めの双方がありますが、コスト過多で利益が十分に出ない構造の時には守りの施策を、対象となる顧客や市場を変えれば売上が伸長する可能性がある場合は攻めの施策を実施します。

コスト構造改革(守りの施策)

項目

代表的なアプローチ

期待効果

製造原価

原価企画・サプライヤー統合・購買戦略再設計

直接コスト10~20%削減

固定費

拠点集約・間接部門再編・
アウトソーシング

販売費および一般管理費(SG&A)削減

資産

遊休資産売却・不採算ライン停止

総資産利益率(ROA)改善

事業構造転換(攻めの施策)

項目

代表的アプローチ

期待効果

事業リポジショニング

コア価値再定義、
B2B⇔B2C転換、ブランド再構築

利益率向上

アライアンス・M&A

OEM化・ジョイントベンチャー化・資本提携・売却

固定費シェア・市場拡大

DX活用

受注から在庫までの一体化、販売データ分析

在庫圧縮・粗利改善

主要メンバー

久木田 光明

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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土田 篤

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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舟引 勇

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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榊原 崇智

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

Email

原田 英始

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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