2023年の干支は「癸(みずのと)卯(う)」。寒気が緩み、萌芽を促す年である。昨年の1年間を象徴する漢字は「戦」であった。ウクライナ侵攻や度重なる北朝鮮のミサイル発射等により「戦」争が意識され、円安、物価高、電力不足や感染症といった、日常生活の中で生じている変化が身近な「戦」いと意識された。今年は現状を打破し兎が跳ねるように大きく飛躍する年にしたいものである。以下では、2022年の回顧として昨年の日本経済を振り返りつつ、2023年の経済を考えるにあたってどのような点がポイントとなりうるのかにつき議論していくことにしたい。
2022年の経済を回顧するにあたり、まず筆者の頭に浮かぶのは、世界的な物価上昇率の高まりを受け、日本の物価上昇率もじわじわと伸びを強めたという事実である。図表1は日本、米国、ユーロ圏のインフレ率の推移をみているが、2021年に入り伸びが高まった米国・ユーロ圏とは異なり、日本の物価は携帯通信料値下げの影響が剥落した2022年4月以降、全ての財のベースで前年比+2%を超えて推移するようになり、12月時点では4.0%まで伸びを強めている。
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