グループ・グローバルでのポリシーガバナンス変革支援(規程体系整備支援)

事業活動の多角化・グローバル化が進む中、内部統制やコンプライアンス、リスク管理といったガバナンスについても、グループレベルでグローバルに機能させることの重要性が高まっています。

こうしたガバナンスや統制、またそれらを文書化した社内規程については従来の考え方を前提に整備されており、昨今の環境変化に十分対応できていない企業も多いのではないでしょうか。加えて、事業範囲の拡大に伴う社内規程の増加や体系の複雑化は、規程の位置付けや改訂ルールの分かりにくさにつながります。その結果、運用する側・順守する側双方で規程の適用範囲の誤解や順守不徹底といった課題が生じるおそれもあります。

このような状況から、ガバナンスを機能させることを目的とした社内規程体系の見直しと、社内規程を利用する全ての関係者にとって分かりやすく、使いやすい規程・規程体系の整備が求められています。

PwC Japan有限責任監査法人では、ガバナンスに関する豊富な支援実績やフレームワーク、知見を基に、規程体系の再構築、社内規程の改訂、ポリシーマネジメント(ツール導入を含む)まで、一貫した支援を提供しています。

グループ規程に係る課題

企業の事業活動の多角化・グローバル化による組織の拡大や規制への対応を背景に、業務の高度化、複雑化が進んでいます。これに伴い、グループ・グローバルの観点でガバナンスや統制を機能させることの重要性が高まっています。ガバナンスを機能させるためには業務の適正性の確保や役職員へのルールの周知徹底が必要ですが、そのための規程、社内ルール、通達といった文書(以下、「社内規程等」と呼びます)がどうしても増えてしまう傾向にあります。その結果、企業内で社内規程等の管理を所掌する部署においては、次のような課題が出てきています。

こうした課題が解決されない場合、社内規程等による業務の適正性の確保やルールの周知徹底が困難になり、ガバナンス・統制を有効に機能させるという社内規程等の役割が果たせないことになります。

事業の多角化・グローバル化に対し、既存のガバナンスや統制に関する体制・ルールが日本本社を中心にしたものや各地域・子会社単位で構成されており、グループ・グローバルを前提としていない。体制やルールを文書化した社内規程等も更新されておらず、ガバナンス、統制を機能させるための役割を果たしていない。

部署ごとに社内規程等が作成されることで規程数が増加し、どのような社内規程等が存在するか、規程は現在も有効か、有効だが形骸化していないかといった点が把握できなくなる。

「規程」、「規則」、「ガイドライン」などの社内規程等に関する階層・区分がなく、特に順守する側が社内規程等の軽重が分からない、あるいはどの社内規程等を参照すればよいか判断に迷う。

グループ共通で適用される、特定地域のみに適用される、特定の会社のみに適用される、といった適用範囲が明確になっておらず、混乱が生じる。

地域・国を超えて適用される法域に整合的な対応がなされていない。

用語の定義に関する規定、改廃ルール、標準的な様式(フォーマット)などのルールがない場合、社内規程等が運用する側、順守する側双方にとって分かりにくいものとなる。またそうしたルールがないために、改訂の際に作業が属人化してしまい、構成や様式にさらにばらつきが生じてしまう。

あるべき社内規程等管理の実現に向けたアプローチ

これらの課題を根本的に解消するためには、以下の点を踏まえたアプローチが有効です。

  • ガバナンス、統制と一体となった規程体系の構築
    グループ・グローバルでのガバナンス、統制と整合的な社内規程体系を構築する。
  • ステークホルダーにとって明確なルール設計
    作成・改訂方法や承認フローを明確化し、理解・運用を容易にする。
  • デジタル・AIを活用した社内規程管理の高度化
    ITツール(ポリシーマネジメントツールなど)の活用により社内規程等を一元管理し、ユーザビリティの向上、規程の周知徹底、制定改廃プロセスの効率化・標準化を図る。

図表1:課題に対するアプローチ

下記1.~5.はあるべき社内規程等管理を実現するためのステップです。

1. 現状のガバナンス・社内規程等体系のレビューと、あるべき姿の設計

  • 既存の社内規程等やその制定改廃プロセスを棚卸しし、重複・未整備箇所を可視化します。
  • グループ・グローバルでのガバナンス、統制を機能させるという観点の下、ガバナンス、統制と社内規程等との関係整理、あるいは社内規程等同士の関係整理を行い、分かりやすい社内規程体系案、制定改廃のプロセス案などを含むあるべき姿を設計します。

2. 社内規程等の体系に関するルール策定

  • 規程等の種類・階層などを明確に定義します。
  • 制定・改廃プロセスや承認フロー、責任分担を標準化します。
  • これらの社内規程等に関するルールを文書化し、グループ・グローバルレベルでの統一的なルールとします。

図表2:社内規程等の階層の整理

3. 規程等作成要領・改訂ガイダンスの作成

  • 規定事項・条文構成・用語の使い方などを明文化します。
  • 運用側である社内規程等の所管部署が改訂作業をスムーズに進められるよう、改訂にあたってのポイントやチェック項目をまとめた改訂ガイダンスを作成します。

4. 社内規程等の改訂

  • 各所管部署において、例えば過去に発出した通達なども含め自部署が所管する全ての社内規程等を棚卸しします。
  • 所管部署が棚卸リストを作成、現行の社内規程等やその制定改廃プロセス、周知徹底などに関する課題を特定し、改訂案を作成します。
  • 所管部署が社内規程等体系案を作成、それに基づく改訂作業を進めながら社内規程等の管理を主管する部署と連携し、最終化します。

図表3:制定・改廃プロセス

5. ポリシーマネジメントツールの導入

  • ユーザビリティの向上、規程の周知徹底、制定改廃プロセスの効率化・標準化を目的としたポリシーマネジメントツールの導入に向けた業務要件定義、ベンダー評価・選定を行います。
  • システムの導入、社内規程等のデータの移管を実行し、規程管理の効率化・標準化、それによるガバナンス機能の強化を実現します。

図表4:フォーマットの標準化

PwCの支援

上記のようなアプローチを実行するため、PwC Japan有限責任監査法人では多様な業種の企業におけるグループ・グローバルでのガバナンス、統制に向けて、社内規程等の体系整備、要領・ルール策定、AI利用も含む自動化支援、IT基盤選定・導入など伴走型の支援を提供しています。

1. 現状のガバナンス・社内規程等体系のレビューと、あるべき姿の設計支援

  • 現状のガバナンスと社内規程等を棚卸しし、他社事例を含むプラクティスと比較します。その上で現在のグループ・グローバルでのガバナンス、統制を機能させる仕組みや社内規程等体系に係る課題を洗い出し、課題の軽重に応じた対応の優先順位付けを行います。
  • プラクティスを踏まえ、ユーザビリティやガバナンス機能の向上に資する社内規程等体系案、制定改廃のプロセス案などを基にあるべき姿を設計します。

2. 規程等体系に関するルール策定支援

  • あるべき姿に沿って、社内規程等の種類、階層、上下関係を整理した具体的な社内規程体系案を作成します。
  • 職務分掌規程、決裁権限規程など既存の決議・承認プロセスなども参考に具体的な制定・改廃プロセス案を作成します。
  • 社内規程等の体系や制定改廃プロセスなどを規定する規程等管理規程案を作成します。

3. 規程等作成要領、改訂ガイダンスの作成

  • 社内規程等の運用側である所管部署がスムーズに改訂作業を行えるよう、社内規程等の具体的な作成方法に関するルールを定めた規程等作成要領の他、改訂作業にあたって作成のポイント・流れを平易に記載した改訂ガイダンスを作成します。

4. 主管部署による社内規程等改訂作業の実行支援

  • 主管部署向け説明会の実施、ハンズオン支援など改訂作業を実行します。
  • 必要に応じて新規の社内規程等の素案作成、改訂作業のプロジェクトマネジメント(PMO)の役割も担い、改訂作業を推進します。

5. ポリシーマネジメントツール導入支援

  • 社内規程等の運営側である主管部署、順守する側である役職員それぞれの立場から、ユーザビリティの向上を実現するポリシーマネジメントツールが備えるべき要件を定義し、それに沿った製品調査、ベンダー評価を実施します。
  • 導入計画、要件定義書、主要業務フローなどの作成を支援します。
  • ITベンダー成果物のレビューなどを通じ、導入プロジェクトを円滑に進めます。

主要メンバー

辻田 弘志

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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石田 裕幸

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

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