
日本の未来とグローバルヘルス:医師偏在の緩和に妙薬はあるのか? 自由と規制の狭間で揺れる諸外国の取り組みを通じて占う、わが国の前途(後編:ドイツ・フランスおよびロシア)
厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。後編では独仏露の3カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。
2021-08-24
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの衝撃に対して、世界の医療業界は驚くべきスピードで対応しました。業務の多くを仮想プラットフォームやデジタル技術に移行することで、10年分の改革を数カ月間で実行したのです。業界全般でデータ解析機能が増強され、臨床試験にデジタルツールが導入されました。そのおかげで、企業は既存医薬品の新型ウイルスへの有効性について試験を迅速に実施でき、COVID-19ワクチンの早期開発にもつなげられたのです。
その一方で、COVID-19のパンデミックは開始から1年以上継続しており、医療組織が先行きの見えない不安を抱えていることは確かです。必要なことに次々と取り組んではいるが、どの問題もそれぞれが大きな試練を伴っています。『グローバルヘルスケア業界の展望2021』では、医療提供者、保険会社、医薬・ライフサイエンス企業、業界への新規参入企業、雇用主に向け、世界の医療業界に影響を及ぼす4つの課題を明らかにしています。すなわち「バーチャル臨床ケアの適正バランス」「データ解析の活用」「臨床試験の進化」「サプライチェーンの対応力向上」です。
『グローバルヘルスケア業界の展望』レポートの初版は2018年に発表されました。本第2版では、2021年1月から2月にかけてヘルスケア業界の経営幹部、政府出資の保健・社会サービス事業の専門家および世界のPwCメンバーファームにインタビューを実施しました。また、10地域、約10,000人の消費者を対象としたPwCの2021年グローバル医療消費者調査の結果も反映しています。
厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。後編では独仏露の3カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。
厚生労働省は、2024年に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を策定しました。医師の偏在対策は海外でも固有の医療制度や政治・経済情勢の下、自由と規制の間を行き来してきました。前編では米英2カ国における取り組みについて概観し、日本が進めようとしている施策への示唆を得ることを試みます。
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