おわりに
本レポートでは、500名からの回答結果をもとに傾向を探り、「先進」の調査結果に着目して「日本企業のITが経営に資するもの」となるためのヒントを探りました。
今回の調査結果を見ると、日本におけるITモダナイゼーションが徐々に始まり出したことがうかがえ、おぼろげではあるものの、実現に向けた変革のステップも見えてきました。このトレンドが一過性のものなのか、それとも不可逆的に進んでいくものなのかは、引き続き観察が必要であると考えます。
一方で懸念事項としては、「先進」とそれ以外に分類された企業の活動内容と活動を通じて得た効果に関して、二極化が進んでいるように見受けられたことです。特にITの俊敏性とデジタル人材の育成では、大きな差が出るだけでなく、その差が広がっています。しかしながら課題については、どの分類においても差異はなく、共通の課題を抱えていることもうかがえました。
ITモダナイゼーションは一朝一夕に実現できるものではなく、その旅路は長くなることが予想されます。また早く着手した人が早くゴールできるゲームとなっており、一日も早く変革に着手することが必要です。
さらに今回の調査では、テクノロジーに精通したリーダーの存在が、今後の「経営に資するITの実現」のために重要な存在となり、カギとなることもうかがえました。そうしたリーダーの方々にとって、本レポートが次の一手を検討する一助になれば幸甚です。
最後に本レポートの作成に関わった全ての方に、この場を借りてお礼申し上げます。
Cloud Transformationチーム一同