ELSI/RRIのパラダイムシフトとフレームワークの推進者達

産学共創による社会変革とイノベーションリスクマネジメント

メインビジュアル
  • 2026-07-10

労働人口の減少や天然資源の枯渇など経済の不確実性が高まる現在において、デジタル・AI技術への期待は、新興技術(エマージングテクノロジー)の探索、研究開発、および社会実装のサイクルをますます加速させています。

エマージングテクノロジーは、将来の産業競争力を左右する可能性を有する一方で、技術的には未成熟であることが多く、拙速な市場投入は時に人々に負の影響をもたらし、結果、科学技術イノベーションを減速、あるいは阻害する可能性があります。

科学技術イノベーションを適切にドライブし続けるために研究開発者や企業は何をすべきでしょうか。欧州を起点にオープンでインタラクティブかつ透明性のある、新しいイノベーションプロセスの構築を求める「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation:RRI)」の波が世界へと広がり、具体的な取り組みが検討されるようになりました。日本では、アカデミアでの研究開発領域において「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues:ELSI)」に関する取り組みが進められてきました。ELSIは科学技術を基点にして技術と社会との間で生じる倫理的・法的・社会的課題の把握・検討および対処を試みる取り組みであり、科学技術と人間・社会の関係性を良好に保ち、より好ましい方向へと発展させようとする点でRRIと共通し、健全で持続性のあるイノベーションプロセスを維持するうえで欠かせない行動です。しかしエマージングテクノロジーの社会実装を担うスタートアップや事業会社などへのELSI/RRIの導入は限定的で、イノベーションエコシステム全体での理解や取り組みの輪は十分に広がっていません。

本稿では、PwCコンサルティング合同会社と国立大学法人東北大学研究推進・支援機構リサーチ・マネジメントセンターが実施した共同研究の結果を報告します。エマージングテクノロジーを基点とした産学共同研究開発において、チームが社会的主体と責任を共有しながらイノベーションをドライブしていくためには、早い段階から産業界がELSI/RRIに関与することが重要であることが示唆されました。また産学共同によるELSI/RRI推進において、リサーチアドミニストレーター(University Research Administrator:URA)が産学のパイプ役として機能する可能性が示唆されました。

本稿は、PwCコンサルティング合同会社と、国立大学法人東北大学研究推進・支援機構リサーチ・マネジメントセンターの臼澤基紀特任准教授(上席URA)、松原雄介特任准教授(上席URA)による共著です。

図表1:イノベーションエコシステム内で想定されるELSI/RRI推進者の機能

イノベーションエコシステム内で想定される ELSI/RRI推進者の機能

ELSI/RRIのパラダイムシフトとフレームワークの推進者達 産学共創による社会変革とイノベーションリスクマネジメント

( PDF 1.96MB )

執筆者

大橋 歩

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

Email

藤根 和穂

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

Email

{{filterContent.facetedTitle}}

{{contentList.dataService.numberHits}} {{contentList.dataService.numberHits == 1 ? 'result' : 'results'}}
{{contentList.loadingText}}

{{filterContent.facetedTitle}}

{{contentList.dataService.numberHits}} {{contentList.dataService.numberHits == 1 ? 'result' : 'results'}}
{{contentList.loadingText}}

本ページに関するお問い合わせ