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さまざまな地球規模の課題に加え、米中対立を軸とした大国間競争の激化、ロシア・ウクライナ戦争や中東情勢の混乱の長期化、および資源・技術を巡る地経学的分断により、経済社会の未来予測はますます困難になっています。
各国政府は、重要技術領域における研究開発への投資を強化し、特に、ディープテックによるイノベーションへの期待を強めています。ディープテックとは、アカデミア(大学や研究機関など)における基礎研究上の重要なブレークスルーに根差した高度な技術を指し、その社会実装にあたってはビジネスモデルのみならず産業構造そのものまでを変える可能性を秘めています。しかしながらディープテックは、多くの場合、技術熟成度が低く、実験段階にあり、実現可能性と有効性を継続的に検討するために長期的な投資を必要とします。そのため、ディープテックによる社会変革の予測は極めて困難とされています。
近年、ディープテックイノベーションを加速させる方法の一つとして、ベンチャークライアントモデル(VCM)が提案されています1。これは、大企業などの事業会社が有望なディープテックをその保有者たるスタートアップなどから調達・購買し、自社が直面する新規事業開発やビジネスモデルの転換などに関わる課題を迅速に解決するオープンイノベーション手法です。VCMはまた、ディープテックスタートアップ側に初期顧客とサプライチェーンへの接続機会を提供し、スタートアップの成長を促すことで、経済社会全体の活性化にも繋がる重要なアプローチでもあります。
VCMのような新たなイノベーションアプローチは、アカデミアの研究者やディープテックスタートアップとの研究開発において、事業会社に、これまでよりも明確な方向性の提示とリーダーシップの発揮を求めています。そのため事業会社は、ディープテックを用いて実現し得る価値創造と社会変革のストーリーを可視化し、事業戦略と紐づけたプロジェクトパッケージを生成する必要があるのです。
ディープテックイノベーションによる新たな価値創造の実現を見据えたとき、テクノロジーによる社会変革を予測するために効果的な方法は何か。本稿では、2025年度にPwCが研究開発法人や事業会社などに提供したサービスを通じて研究・開発した新しいロジックモデルについて、その開発および高度化の思考過程を紹介するとともに、ディープテックオープンイノベーションを円滑に進めるために求められる思考転換を提案します。
図表1:ありたい姿に向かうロジックモデル
PwCでは、多様なプロフェッショナルが豊富な経験と独創的な発想力を生かして、官公庁や地方自治体、公的機関が抱える課題の解決を支援しています。
PwCは、産学官の共創を実現するリーダーシップ人材を社会全体に増やしていくことを目指しています。産学官共創のビジョンを描き、研究知を取り巻くさまざまな課題を解決することで、研究知の社会実装を支援します。
日本で年々拡大しているCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)は、企業の成長や新規事業開発、R&Dの加速化等、様々なイノベーション活動を推進していくうえで非常に有効な手段です。CVCを一過性の盛り上がりで終わらせず、企業の事業開発活動にとって必須機能となるよう支援し、日本企業の変革を後押しします。