成果を生み出すホリスティック×システミックアプローチ

サステナビリティ新時代

  • 2025-07-11

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を取り巻く事業環境は、今大きな転換点を迎えています。これまでサステナビリティ対応をリードしてきた欧州で発表された「ドラギレポート」は気候変動対策と産業競争力の両立という現実的な課題を示し、地政学リスクの高まりも先行きの不確実性を増大させています。これらはSXの「後退」ではなく、理想論を超えて経済合理性も踏まえた「現実的な実行・実装」が求められるサステナビリティ新時代への移行を意味します。こうした中、多くの企業が規制対応やサプライチェーン変革、投資効果の可視化といった課題への対応に迫られていますが、新時代においては、SXの本質を見抜き、環境・社会価値と経済合理性を真に両立させるビジネスを目指すことが求められます。

本書では、PwC Japanグループの前著『SXの時代 究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営』、『2030年のSX戦略 課題解決と利益を両立させる次世代サステナビリティ経営の要諦』で示した潮流や指針からさらに実践段階に踏み込み、複雑化するSX課題に対する明確な対応策として、「ホリスティックアプローチ」と「システミックアプローチ」という新たな方法論を提示します。前者は環境・社会・経済の3要素を統合的に捉え全体最適を図る評価および意思決定手法、後者は組織の枠を超えエコシステム全体で変革を実現する手法です。さらに、サステナビリティ経営を強化するM&A戦略や、情報開示の潮流と対応といった具体的手法から、自動車・電機・建設・食品・化学などの5つの業界における先進事例まで詳述しています。

日本企業には、国際ルールを実直に遵守する姿勢に加え、現場力や技術力、高度に多様化した産業構造、経営層の変革意欲といった強みがあります。本書のアプローチは、その強みを活かし、経済的価値と環境・社会的価値を両立させる好循環ビジネスを創出する方法論を示します。サステナビリティ新時代において、日本企業が価値を最大化し、世界のSXをリードしていく道筋を提示するものとして本書を活用いただくことを願っています。

  • 書名:サステナビリティ新時代 成果を生み出すホリスティック×システミックアプローチ
  • 著者:PwC Japanグループ
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 定価:2,200円(税込み)

本書の主な内容

Part1 理論編

第1章 サステナビリティは新時代へ キーワードは「ホリスティック」と「システミック」
第2章 近年の外部環境変化とホリスティックアプローチの必要性
第3章 実行と成果創出のためのエコシステム変革
第4章 システミックな変革とは?システム思考で課題の要所に働きかけ
コラム:変革を促す税制度─システムを支える税の役割
ホットトピックス
  1. 企業の人権尊重(ビジネスと人権)を巡る潮流──企業のリスクと機会
  2. EUのCSDDDと日本企業に求められる活動

Part2 実践編

第5章 ホリスティックアプローチとシステミックアプローチの実践
第6章 M&AによるSXの推進
第7章 ホリスティックとシステミックで紐解くサステナビリティ情報開示の潮流

Part3 業界別事例編

第8章 各業界の特徴と先行事例
(自動車、電機、建設、食品・飲料・小売、化学業界)

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