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国内では年間50前後の新有効成分が上市されているほか、効能効果や剤型の追加、バイオシミラー、後発医薬品を含めると数百の新製品が毎年上市されています。
新有効成分の内訳を見ると、対象疾患やモダリティに大きな変化が起きていることが分かります。以前は慢性疾患に対する低分子薬が主流でしたが、バイオロジックスが台頭し、年度によって変動はありますがオンコロジー領域や難病・希少疾患を対象とするスペシャリティ領域に対する治療薬比率も一定数存在しています。加えてCAR-T細胞療法に代表される新再生医療等製品も継続的に上市されていることも大きな変化と考えられます。
各企業は新薬上市に向けて全社一丸となった取り組みを推進しています。海外上市が先行する場合はグローバルチームとの連携も重要であり、3年以上前から関与することも珍しくなく、適切なメンバーをアサインした上でローンチチームを形成し、予算や権限を明確にすることも必要となります。
対象疾患やモダリティの変化はあるものの、従来実施してきた新薬上市に係る準備や経験が引き続き重要であることには変わりなく、製品の提供価値をより一層高めるためには下記に示すような新たなケイパビリティが必要になると考えています。
前章でも記載したとおり、外部および内部の環境分析などから構成される従来からの上市準備プログラムが重要であることに疑う余地はありません。
これらの客観的な調査に基づく分析、臨床試験で得られたエビデンスによってベースメントとなる製品提供価値の構築はできますが、より深化させるためには疾患に苦しむ患者・介護者や、医師をはじめとする医療関係者の悩みをより深く、十分に理解し、改善に向けて取り組むことが重要です。
その一例として、患者理解のためのペイシェントジャーニーの構築に留まらず、近年では新薬上市準備段階で一段踏み込んだ「Patient Support Program(PSP)」の検討が開始されています。PSPは定型化されたサービスやソリューションではなく、疾患起点の「患者、介護者、医療従事者が」「いつ」「どのような課題・悩み(不安)・不満を抱えているのか」「それらに対して自社は何をすべきか」に鑑みた取り組み(サービスやソリューション含む)であり、これらがアンメットメディカルニーズ解消に寄与し、製品の提供価値や当該疾患領域における自社の存在感を高めると考えられています。
国内では2024年4月から「医師の働き方改革の新制度」が施行されますが、それに伴って生産性や効率性が一層求められる医療従事者の意識は大きく変化し、製薬企業に対してもこれまで以上に、診療で直面する課題の解決につながる活動や情報が求められることが予想されます。このような期待に対しても、上述のPSPは企業への信頼・安心につながると考えています。
なお、私たちが2023年6月に発行した「デジタル時代・希少疾患時代の新製品上市」において、重要となる6つの視点について紹介しています。PwCではこれらの視点を重視し、PSPを含む新薬上市のご支援による医療への貢献を続けていきたいと考えています。
PwCコンサルティングが課題解決のための立ち上げたイニシアチブでは、「3つのDによる変革 」を軸に、 企業が抱える課題を多面的に捉え、デジタルを活用してこれまでにない解決策を模索し、サービスや業界を超えてコレクティブに協働することで、クライアントの経営変革を加速していきます。
ヘルスケア業界をとりまく課題の解決を目指し、PwCは「ヘルスケア参入支援」として専門知識や経験を持つ人材が業界の枠組みを超えて協働し、ヘルスケア業界への新規参入や事業拡大を検討している企業を支援しています。
グローバルネットワークを通じて培ったPSP分野における豊富な経験と、日本の医療業界に関する深い知識をかけあわせることで、高い付加価値をもたらすさまざまなソリューションを提供します。