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2022-10-22
消費財・小売・流通業における会計論点の中で、売上収益は最も重要な財務指標の1つであり、論点の多い会計領域でもあります。
収益認識においては、売上取引の内容を整理し、該当する論点を適切に把握することが重要です。
今回はその中から「ブランドライセンスの付与」「複数の場所におけるフランチャイズ契約」「商品の販売を伴うフランチャイズ契約」「返金不能の前払手数料を伴うフランチャイズ契約前提」について解説します。
X社は、有名ブランドの高級住宅の設計、建築、流通および販売を手掛ける認知度の高いデザイン会社です。X社は、不動産開発会社に対し、マンション販売に関連して自社ブランド名を使用できる4年間のライセンスを付与します。
不動産開発会社は、X社ブランドに沿った「スタイル・コンセプト」のプライベート高級マンションの建設・販売を予定しています。インテリアデザインについては不動産開発会社の設計チームが一義的な責任を負いますが、X社の関与も認める旨合意しています。X社は、全国的な広告キャンペーンを通じてブランドのプロモーションを継続することに同意します。
X社は、CU2百万の固定手数料、マンション売上の2%のロイヤルティ、およびマンション売上の1%のマーケティング手数料を受け取ります。
X社は、自社のブランド名の使用に対する対価として不動産開発会社から受領する金額をどのように認識すべきでしょうか?
当該ライセンスは「知的財産にアクセスする権利」です。これは、不動産開発会社にとっての便益が、ブランド価値を補強または維持するX社の継続的活動に依存しているためです[IFRS第15号付録B B23項]。
X社は、広告が独立した履行義務を表しているかどうかを評価する必要があります。ほとんどの場合、このような活動は、顧客に別個のサービスを提供するのではなく、ブランドを補強するために行われるものです。X社は、全国的な広告キャンペーンを通じたブランドの継続的なプロモーション義務は、不動産開発会社に別個のサービスを提供するものではないと結論付けました。
またX社は、設計の監視が別個の履行義務ではなく、不動産開発会社が当該ブランドを合理的な方法で確実に使用できるようにするための付加的な権利であると判断しました。
固定金額の合計(CU2百万)はライセンスに配分され、ライセンス期間にわたり認識されます。
IFRS第15号B63項は、知的財産のライセンスと引き換えに約束された販売または使用に基づくロイヤルティの収益の認識に関する例外規定を定めています。収益は、履行義務が充足された時点、あるいは売却または使用が発生した時点のいずれか遅い方の時点で認識されます。よってX社は、このアプローチの適用によって企業の履行に先立つ収益認識が早期に認識されない場合に限り、マンションが販売された時点で、このロイヤルティおよびマーケティング手数料を認識します。
20X1年1月1日、Y社は、フランチャイズ加盟者に対し、A国においてY社のブランドを使用したレストランを運営する3年間の独占的権利、およびB国において別のブランドのレストランを運営する3年間のライセンスを付与します。ただし、他のフランチャイズ加盟者との既存契約の関係上、B国における権利は20X2年1月1日まで有効ではありません。これら2つのライセンスのライセンス料は、それぞれCU150,000相当です。
Y社は、ライセンス契約、特に、B国におけるブランドの使用を3年間禁止し、ライセンスの開始時期を繰り延べる契約条項について、どのように会計処理すべきでしょうか?
時期、地域または用途の制限は、約束したライセンスの属性を明確にするものであり、企業が履行義務を一時点で充足するのか一定の期間にわたり充足するのかを明確にするものではありません。Y社は、ライセンスの属性が異なる(すなわち、場所および期間が異なる)ことから、2つの独立した履行義務があると判断しています[IFRS第15号付録B B62項(a)]。取引価格は、これら2つのライセンスに配分しなければなりません。
Y社は、フランチャイズ加盟者が権利を有するブランド名に著しく影響を与える活動を行うという合理的な期待があり、またフランチャイズ加盟者は、フランチャイズ対象期間にわたり、そのブランドやイメージの正または負の影響に直接的にさらされます。したがって、ライセンスは知的財産にアクセスする権利であり、一定の期間にわたり認識されます[IFRS第15号付録B B58項]。上述のとおり、ライセンス期間が3年であるという事実は、手数料が一定の期間にわたり認識されるのか、または一時点で認識されるのかの評価においては考慮されません。
A国でレストランを運営する権利に配分されるライセンス料は、20X1年1月1日から3年間にわたり定額法で認識されます。B国でレストランを運営するためにライセンスに配分されるライセンス料は、20X2年1月1日から3年間にわたり定額法で認識されます。
フランチャイズ本部であるX社は、X社のグローバル展開を加速させるため、前払金CU120,000を対価として、ある企業に5年間のフランチャイズを付与します。X社は、通常は1単位あたりCU100で販売される衣料品の専門店です。フランチャイズ契約の一環として、X社は、当該商品をフランチャイズ対象期間を通じてCU70(第三者に対する通常市場価格の30%割引)でフランチャイズ加盟者に販売することに同意します。この時点で、フランチャイズ本部が提供する他のサービスはありません。
X社はこの契約をどのように会計処理すべきでしょうか?
X社は、契約に基づき2つの履行義務、すなわち、5年間のブランドのライセンス、および市場価格の30%割引で商品を取得する重要な権利を移転しました。X社は、CU120,000の取引価格を、相対的な独立販売価格に基づき2つの履行義務に配分する必要があります。
X社は、フランチャイズ権の独立販売価格をCU100,000であると計算します。X社は、予定購入価格からの予測割引金額に基づいて、重要な権利の独立販売価格を決定します。X社は、顧客がCU70で1,000単位を購入し、その結果、重要な権利がCU30,000相当であると予測しています。
相対的な独立販売価格は、次のように計算されます。
フランチャイズ本部は、フランチャイズ加盟者が権利を有するブランド名に著しく影響を与える活動を行うという合理的な期待があり、またフランチャイズ加盟者は、フランチャイズ対象期間にわたり、そのブランドやイメージの正または負の影響に直接的にさらされます。したがって、フランチャイズ権による収益は、フランチャイズ契約期間にわたり認識され、割引商品に対する権利は、当該商品が販売された時点で認識されます。
X社は、フランチャイズ加盟者が運営するレストランのフランチャイズ本部です。X社は、契約締結時に、フランチャイズ加盟者に対して、返金不能の前払手数料CU200,000の支払いを求めます。
フランチャイズ加盟者は、2年間にわたり、X社のブランド名、コンセプトおよびメニューを使用したレストランを経営する権利を獲得しますが、X社はその間、宣伝と地域広告によってブランドを維持しなければなりません。
また、X社は、ブランドの店頭備品、調理設備およびレジを提供し、その価格はCU50,000(すなわち、これらの財の独立販売価格)に相当します。
X社は、この契約の収益をどのように認識すべきでしょうか?
X社は、(1)ライセンスを付与する約束、および(2)備品および設備を移転する約束、という2つの履行義務があると判断します。
X社は、フランチャイズ加盟者が権利を有するブランド名に著しく影響を与える活動を行うという合理的な期待があり、またフランチャイズ加盟者は、フランチャイズ対象期間にわたり、そのブランドやイメージの正または負の影響に直接的にさらされます[IFRS第15号付録B B58項]。したがって、X社は、フランチャイズ権による収益をフランチャイズ契約期間にわたり定額法で認識し、備品および設備による収益を支配が移転されるにつれて認識します。
契約締結時には、顧客への商品やサービスの移転は行われないため、前払手数料が返金不能であったとしも、収益は認識されません。X社は、前払手数料が履行義務の充足に関連しないものであるため、それが返金不能であったとしても、前払手数料の受取時に収益を認識すべきではありません。払戻不能手数料は、将来の財またはサービスに対する前払であるため、取引価格に含め、契約で識別されている独立した履行義務に配分しなければなりません[IFRS第15号付録B B51項]。
CU50,000が備品および設備の独立販売価格を表し、CU150,000がライセンスの独立販売価格を表すと仮定すると、X社は、備品および設備の移転に関してCU50,000を、2年間のライセンスに関してCU150,000を認識することになります。
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