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PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問
岡田 至康 監修
2026年2月1日、財務相は、2026–27年(2026年度)の連邦予算案を公表した。今回の予算は、製造業、「メイク・イン・インディア(Make in India)」イニシアチブ、雇用主導(employment-led)の発展、人材投資、エネルギー安全保障、輸出促進、ならびにイノベーションに重点を置き、政府の開発アジェンダを継続するものである。税制面では、新所得税法を2026年4月1日に施行する方針が示された(関連実施規定および所定様式は追って告示予定)。税制改正案は、グローバルな事業・投資の誘致、成長エンジンとしての情報技術(IT)部門の強化、税務規定の簡素化・合理化、ならびに租税訴訟の削減と確実性の向上を目指している。2026年度予算案は、議会での審議・成立を経て、原則として、2026年4月1日からの施行が見込まれる。
外国法人および内国法人の法定税率に変更はない。ミニマム代替税(MAT)の税率は15%から14%に引き下げられる。MAT税額控除の利用は、一定の要件により、優遇税制(concessional tax regime)においてのみ認められる。
自社株買いに対する課税は配当ではなくキャピタルゲインとして取り扱うことが提案されている。実効税率は、法人プロモーター(支配株主等)の場合は22%、法人以外のプロモーターの場合は30%となる。
IFSCユニットに係るタックスホリデーは、25年のうち連続20年に延長される(従来は15年のうち連続10年)。オフショア・バンキング・ユニット(OBU)にも連続20年(従来は10年)のタックスホリデーが適用される。タックスホリデー期間終了後の事業所得には、軽減税率15%が適用される。
グローバル・トレジャリー・センター(GTC)に係るみなし配当の非課税措置について、親会社および取引当事者がいずれもインド国外に所在する場合の取扱いを、告示に基づき合理化することが提案されている。
外国法人がインドで政府承認の「データセンターサービス」を受けて稼得する所得について、2047年までの免税が提案されている。インド国内顧客へのサービス提供は、インドの再販業者(reseller)を通じて行う必要がある。加えて、関連者であるインド居住のデータセンターサービス提供者には、コストに対する15%のセーフハーバーが提案されている。
国内の製造振興のため、保税区域(bonded customs zones)内の電子機器受託製造業者(toll manufacturers)に対して資本財、装置、工具を供給する外国法人について、一定の条件の下で、5年間(2030–31課税年度まで)の所得税免除が提案されている。
ソフトウェア開発、IT有効化サービス、ナレッジ・プロセス・アウトソーシング、一定の研究開発(contract R&D)を含む統一的な「情報技術サービス」区分が提案され、共通のセーフハーバーマージンを15.5%とする。当該セーフハーバー適用の売上高基準は、従来の32億インドルピー(約3,300万米ドル)から、200億インドルピー(約2億2,000万米ドル)へ大幅に引き上げられ、自動化されたルールベースでの承認の下、中堅・大手のITサービス・プロバイダーやグローバル・ケイパビリティ・センター(Global Capability Center)の多くが対象となる。セーフハーバーは、5年間利用可能である(選択制)。
第一審不服申立機関における争訟税額の前払に係る要件を、従来の20%から10%に引き下げることが提案されている(改訂指針/通達の公表が見込まれる)。
修正所得税申告書(ROI)の提出期限は、関連課税年度末から12カ月以内(従来は9カ月以内)に延長される。なお、所定の手数料が適用される。
追加税(不記載所得については100%、説明困難な税額控除・費用等の場合は120%)を納付した場合、訴追が開始されていないことを条件に、過少申告に係るペナルティーおよび訴追が免除される。
納税者は既に計上した欠損金を減額するために、修正申告を提出できるようになる。再調査通知の発出後であっても、追加10%の賦課(levy)を条件に修正申告が可能である。これら修正申告に係る所得には、過少申告・誤申告に関するペナルティーは適用されない。
政府告示のスキームに基づき役務提供を行う初回訪印の適格非居住者(個人)について、5年間の外国源泉所得の非課税が提案されている。
航空機およびその部品の製造に用いられる原材料について、基礎関税の免除が提案されている(所定の規定が適用される)。
仲介(販売・マーケティング代理店等)サービスに対し、「輸出ステータス」を付与し、海外顧客向けに提供されるこれらサービスに対するGSTをゼロとする提案がある。
Source:PwC, Tax Insights
2026年2月18日、財務省と内国歳入庁(IRS)は、法人代替ミニマム税(CAMT)に関する追加の暫定ガイダンス(Notice 2026-7)を公表した。多くの法人にとって、CAMT税額の軽減(または解消)が見込まれる。調整後財務諸表所得(AFSI)の算定に用いる複数の調整項目を新設・拡充したほか、財務的に困難な状況にある法人に係る指針を示し、外国法人が関与する特定の取引(covered asset transactions)に係る濫用防止規定を見直し、さらに、無形資産の国外移転に係るCAMT上の影響(内国歳入法 Section 367(d)関連)にも対応している。本ガイダンスは2026年2月18日に発効し、今後の規則案が公表されるまでの間に開始する課税年度については、この暫定ガイダンスに依拠できる。本Noticeでは、複数のインパクトが大きい費用区分における会計処理と税務処理のギャップを埋めることで、一般的な期間差異や資産計上(資本化)に係る会計税務の取扱いの差異に対処する。多くのケースで遡及的な影響があり、過年度にCAMTを納税した法人は、修正(還付)申告を行うことも考えられる。さらに、本Noticeでは、「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」における国内の研究開発(R&E)費用の取扱い変更(本誌2025年8月号参照)にも対処し、破産手続から再建中の法人に対する保護を復活させている。財務省は、パブリックコメントを受けてCAMTに関するガイダンスの見直しを継続しており、本Noticeは、この取組みの延長線上にある。他の暫定ガイダンス(注1)との累積的効果により、CAMTの枠組みは実質的に再構築され、多くの法人でCAMT税額がかなり減少するか、あるいは解消されるとみられる。なお、原則として、一貫性ルールが適用されるため、各調整項目に係る長期的な影響の評価が重要となる。OECD第2の柱(グローバルミニマム課税)への影響も検討する必要があろう。(注2)
(注1)2024年に規則案が公表されて以降、財務省とIRSは追加の暫定ガイダンスを一連のNotice(2025-27、2025-28、2025-46、2025-49)(本誌2025年12月号等参照)で示してきた。
(注2)本Noticeに係る見直し項目として、特定の税務上の修繕費控除に係るAFSI調整(適格修繕資産に係るすべての税務上損金算入される修繕費を対象(2019年12月31日以前に終了する課税年度を含む))、適格無形資産に係るAFSI調整(取得したのれんや特定の無形資産について、2021年10月28日後に公表/完了した取引で取得したのれんにも適用)、国内R&E費用の償却に係るAFSI調整(2024年12月31日後に開始する課税年度について、TCJA(2017年税制改革法)に係る国内R&E費用の税務上の償却額(移行規定に基づき損金算入した金額を含む)分を減額)、適格製作費に係るAFSI調整(2019年12月31日以前に終了する課税年度に発生した費用を含む)、適格材料・消耗品に係るAFSI調整(2019年12月31日以前に終了する課税年度に取得した品目を含む)、財務的困難企業に係るAFSI調整等(破産からの再建に関する会計基準の適用によるCAMT上の影響を排除)、Section 358に係る租税回避防止規定(一定の対象資産取引で外国株式の簿価がSection 358により決定される場合には、2年トリガーを自動的な結果ではなく反証可能な推定として機能させる)、Section 367(d)の対象となる無形資産取引に係るAFSI調整(米国側と外国法人側のCAMTに係る取扱いを調整してミスマッチを軽減)、が含まれる。
Source:PwC, Tax Insights
2026年2月20日、連邦最高裁判所は、国際緊急経済権限法(IEEPA)が明確な議会授権なしに大統領が関税を賦課する権限を与えるものではないとする判決を下した。最高裁は、IEEPAが宣言された国家緊急事態の下で大統領に輸入の「規制」を認めるとしても、その文言は関税の賦課を明確には認めていないと判断した(6対3)。憲法は租税・関税の賦課権限を議会に付与しており、重大な経済的・政治的影響を有する関税賦課権限には明示的な法定委任が必要との権力分立の原則が強調された。この判決により、国家緊急事態宣言に基づく関税について、IEEPAは単独の法的根拠たり得ないことが明確になった。裁判所は遡及的影響や還付の詳細な指針は示さず、還付に関する論点は下級審および執行プロセス(税関・国境警備局(CBP))に委ねられた。これまでにIEEPA関連関税で1,700億米ドル超が徴収されており、大規模な還付の機会が生じ得るが、その手続や道筋は不透明である(これら論点の解決には、個別の状況に応じて、相当の時間を要し得る)(注)。IEEPAによる関税賦課権限は無効化された一方で、他の通商関連の法定手段は引き続き利用可能である。判決当日、トランプ大統領はIEEPAに基づく追加徵収の停止を命じる大統領令を発し(免税のデミニミス(de minimis)扱い停止の継続も別個の大統領令で行っている)、その後1974年通商法122条に基づき一時的な10%の従価関税(2026年2月24日発効で、最長150日間)を多くの輸入品に課す宣言を発した(後に15%への引上げ意向を表明している(正式な更新措置は未了))。
(注)還付可能となる場合、顧客への関税コストの転嫁を行っていた企業は、契約等によりその還元を求められる可能性があり、また、サプライヤーとのコスト分担なども論点となろう。税務上は、移転価格を含む連邦法人所得税上の論点に加え、州・地方税上の考慮事項(売上税への影響を含む)もあろう。なお、上院民主党議員グループは、IEEPA関税の還付に係る法案(Tariff Refund Act of 2026)を出している。本法案によると、CBPに対し、IEEPAに基づき課された「違法な」関税を、利息付きで輸入者に還付することを義務づけ、手続の迅速化(180日以内還付)、中小企業への優先支払を求める内容となっている(価格転嫁を行った事業者は、関税還付がある場合は顧客にも還元すべきことが示されている)。また、CBPによるドローバック関税払戻制度に係る取扱指針の公表も義務づけるものになっている。本件に関しては、2026年3月4日米国国際貿易裁判所(CIT)がCBPに対して、IEEPA関税の対象となっている未清算分の清算および未最終清算分の再清算を、IEEPA関税を適用することなく行うよう指示する命令を出しており、またCBPは自動化手続でIEEPA関税の還付を行う旨を表明している。
Source:PwC, Tax Insights
2026年2月17日、ECOFIN理事会は、Annex I(税務上の非協力的第三国・地域リスト(ブラックリスト))を承認した。理事会は、フィジー、サモア、トリニダード・トバゴをEUのブラックリストから削除し、タークス・カイコス諸島およびベトナムをブラックリストに追加する決定を行った。また同日、理事会はAnnex II(合意したコミットメントの履行を前提に協力的とされる第三国・地域リスト(グレーリスト))にも修正を加え、アンティグア・バーブーダおよびセーシェルをグレーリストから削除することを決定した。EUのブラックリストとグレーリストは2017年12月5日に初めて採択され、その後数回更新されている。2019年3月12日の理事会決定により、2020年以降の更新は年2回以内とする方針が示されており、今回が2026年最初の更新となる。今回の理事会決定は、EU租税行動規範グループ(事業課税)の勧告を実質的に採用するもので、EU官報への公表日(2026年3月6日)から効力が生じる。
理事会は、タークス・カイコス諸島について、経済実体要件の執行に関連して、OECDの有害税制フォーラムから提起された懸念を踏まえ、ブラックリストに追加することを決定した。また、ベトナムについては、OECDグローバル・フォーラムのレビューにより、要請に基づく情報交換の基準を満たしていないと評価されたことから、ブラックリストに追加することを決定した。さらに、フィジー、サモア、トリニダード・トバゴについては、合意された国際基準に全面的に適合したとして、ブラックリストから削除することを決定した。一方、米領サモア、グアム、米領ヴァージン諸島は、一定の税務協力基準への適合に向けた継続的な取組みを反映するよう更新されたが、ブラックリストからの削除に値するほどの進展とはみなされなかった。これにより、ブラックリスト掲載国・地域は10(米領サモア、アンギラ、グアム、パラオ、パナマ、ロシア連邦、タークス・カイコス諸島、米領ヴァージン諸島、バヌアツ、ベトナム)となる。
理事会は、アンティグア・バーブーダおよびセーシェルが、要請に基づく情報交換制度についてグローバル・フォーラムから肯定的評価を受けたことから、グレーリストから削除することを決定した。さらに、ブルネイについては、外国源泉所得免除制度の改革に関して、6カ月の延長が認められた。この結果、グレーリスト掲載国・地域は9(ベリーズ、英領ヴァージン諸島、ブルネイ、エスワティニ、グリーンランド、ヨルダン、モンテネグロ、モロッコ、トルコ)となる。
ブラックリストに掲載された国・地域に所在する納税者には、モニタリングや税務調査の強化、特別な文書化要件、源泉税率の引上げ、およびEU加盟国によるその他の防御的税制措置といった影響が及ぶ可能性がある。特にキプロスでは、受益者がブラックリスト掲載国・地域の法人である一定の場合に、源泉税が適用される(受益者が個人である場合には適用されない。なお、本取扱いは、2022年12月31日以降に適用されており、適用される租税条約(DTT)に基づく減免の余地がある)。さらに、キプロス税務当局は、当該源泉税制度の解釈を明確化する見込みであり、いかなる時点でどの版のブラックリストを適用するかなどを含む指針が示されるとみられる。また、EUの納税者とブラックリスト掲載国・地域の納税者との関連者取引の一部について、DAC6(一定のクロスボーダー取引に係る報告義務)が強化されることになろう。なお、キプロスにおいては、DAC6義務に関して、当該義務が生じた日にEU官報に掲載されているリストが関連リストとして用いられるとみられる。
Source:PwC Cyprus
2025年12月29日、オーストリアは、CFC(被支配外国法人)およびスイッチオーバー規定(軽課税法人に係る受動的所得)ならびに関連者に対する利子・使用料の損金算入制限(軽課税となる利子・使用料の支払い)における、軽課税の判定基準を改定する措置を導入した。本改正により、これまでの12.5%(CFC/スイッチオーバー)および10%(利子/使用料)の基準に代えて、15%の一律の軽課税判定基準が導入される。これにより、外国法人は、国外における実効税負担が15%未満(2025年までは12.5%未満)の場合、軽課税とみなされる。新たな基準は、2025年12月31日後に開始する会計年度に適用される。なお、スイッチオーバー規定には経過措置が適用されないため、2026年1月1日以降に行われる一切の分配については、その原資となる利益が、その発生年において15%で課税されていたかどうかを確認する必要がある(発生年が2026年前であっても同様)。
Source:PwC, International Tax News
政府は、政令(Government Ordinance no. 6/2026)において、税務手続法典および税法典を改正した。税法典に係る主な改正点として、税法典第251条の廃止がある。これに伴い、ルーマニアに設立/組織されておらず、かつルーマニアに実質的管理の場所を有しない関連者との取引において、売上高が5,000万ユーロ未満の納税者が計上する費用の損金算入に関する1%の上限は撤廃される。法人税納税者は、税法典第25条に定める損金算入の取扱いを、年次で法人税を申告・納付する者について、2026年第1四半期から適用し、2026年の課税標準の算定に当該取扱いを適用する。
Source:PwC Romania
その他、海外税務ニュースを含む当法人発行ニュースにつきましては、https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/tax/tax-news.htmlをご参照ください。
本ニュースは、各国の税制改正の動向をお知らせする目的で、各国のPwCメンバーファームが作成する速報ニュースや各国省庁等のホームページ掲載の情報等を翻訳してお伝えしています。税制改正案の段階の情報が多いため、最終的な法制度につきましては、専門家にご確認くださるようお願いいたします。
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