これからどうなる?─「排出量取引制度」Q&A

第3回 排出量の算定および排出枠の割当

  • 2025-05-20

※本稿は、2025年4月20日号(No.1741)に寄稿した記事を転載したものです。
※発行元である株式会社中央経済社の許諾を得て掲載しています。無断複製・転載はお控えください。
※法人名、役職などは掲載当時のものです。

この記事のエッセンス

  • 排出量取引制度の対象企業は、毎年度、自らの直接排出量を算定し、これと等量の排出枠の償却が義務づけられる。直接排出量の算定ルールの詳細については、省エネ法や温対法、SHK制度等の関連制度における考え方を基礎として定めるとされている。カーボンクレジットの活用については、政府が運営するJ-クレジットおよび二国間クレジット制度について認められるとされているが、二酸化炭素回収・貯留や森林吸収の取扱いについては、将来的に検討が行われるとされている。
  • GX推進法に基づく「政府指針」において、産業分野別に割当量の算定方法を提示し、ベンチマーク方式およびグランドファザリング方式を基礎とした業種別基準の適用が想定されている。その他の勘案事項として、早期削減や、足下で削減効果が発現しない研究開発投資の状況、リーケージリスクおよび活動量の変動等があり、これらを勘案して、排出枠の割当量を調整する取扱いが想定されている。

はじめに

カーボンニュートラル目標を表明する国および法域が増加するなか、海外において、排出削減と経済成長および産業競争力の強化を共に実現するグリーントランスフォーメーション(以下、「GX」という)に向けた投資が進んでいる。

国内では2023年5月に、GXに向けた投資(以下、「GX投資」という)の促進を目的とした政策パッケージである「成長志向型カーボンプライシング構想」を反映した「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(以下、「GX推進法」という)が成立した。これは、GX経済移行債を財源とする20兆円規模の先行投資支援と排出量取引制度を含むカーボンプライシングとの組み合せにより、企業のGX投資の促進を企図している。2023年度から排出量取引制度が試行され、クライメート・トランジション利付国庫債券は2024年2月から発行されている。

また、内閣官房のGX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ(以下、「CP専門WG」という)において、排出量取引の制度化に向けた論点整理が行われた。議論は排出量取引制度の骨格の形成を中心に行われ、制度運営における詳細は、今後の法制化において明確にされるが、現在試行されている排出量取引制度とは異なる点が多い制度の本格稼働が予想されている。本連載においてはCP専門WGにおける資料をもとに排出量取引制度の議論を中心に解説していく。

第3回は、排出量の算定および排出枠の割当についての概要を解説する。なお、記載については、筆者の私見であることをあらかじめ申し添える。


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執筆者

川端 稔

監査事業本部 パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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石川 剛士

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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