Social Impact Initiative 社会を変える旅に出る ―社内外で仲間を集め、コレクティブインパクトを創出していく―

第6回 コレクティブインパクトアプローチ「共通のアジェンダ」の重要性(前編)

  • 2023-12-14

コレクティブインパクトアプローチを考えるにあたって

より良い社会を作るため、私たちは個人で、または所属する企業や団体で、あるいはそれらの枠組みを超えた仲間と一緒に社会の難問の解決に挑まなければなりません。私たちSocial Impact Initiativeは、意思のある人たちが手を組み、社会全体の重要な課題を解決するような方法を編み出していきたいと考えています。

筆者の関心事は、コレクティブインパクトアプローチを解明し、分かりやすく説明し、日本社会で皆が使えるものにすることにあります。

2011年にジョン・カニア氏とマーク・クラマー氏が共同で執筆し、スタンフォードソーシャルイノベーションレビューに発表された論文「コレクティブインパクトアプローチ」は、世界中で大きな反響がありました。そこでは、個々のインパクトをそれぞれが生み出すのではなく、皆が同じ方向を向いて集合的なインパクト(コレクティブインパクト)を創出していくための5条件が解説されています。筆者もこの論文に非常に共感し、複雑な社会課題解決には、このアプローチが有効であると確信しています。

この論文では、コレクティブインパクトアプローチに必要となる5つの条件が紹介されています。

  1. 共通のアジェンダ
  2. 共通の測定システム
  3. 相互に補強し合う仕組み
  4. 継続的なコミュニケーション
  5. 活動をサポートするバックボーン組織

このうち、「1.共通のアジェンダ」の重要性を本稿ならびに、本連載の次回となる第7回で解説していきます。そのためには、問題の性質をどのように読み取るのか、課題やあるべき姿をどのように設定するのか、またステークホルダーがどう影響してくるのかについての説明が必要になります。それらを踏まえて、コレクティブインパクトアプローチの真髄に迫ります。

執筆者

下條 美智子

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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