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2023-01-23
企業を取り巻く環境が複雑化し、多様な課題に対応することが求められる時代になりました。このような経営環境下にあるクライアントをより強力に支援するため、PwCコンサルティングはインダストリーとサービスを掛け合わせることによってクライアントの課題解決をサポートする組織横断的なイニシアチブを新たに立ち上げました。
PwCのグローバルネットワークでは多様な分野のプロフェッショナルが活躍しており、PwCコンサルティングには彼らと国境、そして業界をまたいで協力し合うカルチャーが根付いています。イニシアチブはこの強みを活かし、クライアントの経営変革を支援していくための取り組みです。
本稿ではこのイニシアチブの1つである地域共創をテーマに、ナビゲーター・フリーアナウンサーの魚住りえ氏がPwCコンサルティングの専務執行役パートナーの安井正樹、執行役員パートナーの金行良一にPwCの取り組みと今後目指すべき姿について聞きました。
専務執行役パートナー
プラクティス本部 兼 クライアント&マーケット
安井正樹
執行役員パートナー
地域共創推進室室長
金行良一
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魚住:PwCコンサルティングは、インダストリーとサービスの掛け合わせによる課題解決支援を推進するため、組織横断的なイニシアチブを立ち上げました。
安井:時代の流れとともに経営環境が目覚ましいスピードで変化するなかで、企業は複雑な課題に対応しなければなりません。そのような企業を支援するため、PwCコンサルティングは「Design 描き・創る」「Disruption 従来の概念を覆す」「Dimension 多次元から考える」の「3つのDによる変革プラン」を戦略とし、インダストリーとサービスを掛け合わせることでクライアントの課題解決に挑んでいます。このイニシアチブはそのための目玉とも言える取り組みであり、PwCが持つ多様な知見を結集することで、新たな領域においてこれまでにないサービスを創出することを目指すクライアントの変革を支援します。
魚住:イニシアチブの1つである地域共創について、まず地域の現状をどのように見ていますでしょうか。
安井:地域の街を歩いていて実感するのは、活気が失なわれているということです。昔と比べて歩いている人の数が減り、商店街では閉まっている店の数が増えました。少子高齢化も進み、若い人が少なく、高齢者が働いています。私個人の見解として、以前から「これでいいのだろうか」という思いがありました。
魚住:地域それぞれが考えるだけでなく、国や企業などを含めて社会全体で考えなければならない深刻な課題ですね。
安井:日本が抱える構造的な課題の1つとして、東京への人口一極集中が挙げられます。ただ、少子高齢化が進むことや中小企業の生産性が低いことなどに目を向けていくと、日本が抱えている課題は東京だけにあるわけではなく、むしろ地域にあることが見えてきます。
金行:私も同じように感じています。人口問題を解決することは地域の活気を取り戻すことにつながりますし、地域にあるさまざまな文化や産業を維持し、伝承していくことは、日本の力そのものになっていくと思います。特に近年は多様性やダイバーシティの重要性が注目され、PwCもインクルージョン&ダイバーシティの取り組みに力を入れています。お互いの違いを認め合い、生かしていくことが企業を強くするように、各地域が持つ多様な価値をインクルードしていくことが重要だと思います。
魚住:地域共創をイニシアチブの1つに選んだ理由を教えてください。
安井:PwCは「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことをPurpose(存在意義)に掲げています。この考えを体現するために、世の中にとって重要な「地域の課題」に目を向ける必要があると考えました。
金行:イニシアチブを立ち上げる以前から、私たちは地域での活動を展開し、課題解決に取り組んできました。例えば、自治体や地域の企業が抱える課題の解決を支援するといった取り組みです。それをイニシアチブにしたということは、もう一段ギアを上げて取り組むことを意味しています。PwCグローバルネットワークには多様な知見を持つプロフェッショナルが大勢いますので、私たちは彼らの力や、ネットワーク外の力も組み合わせながら、地域の課題を解決していきたいと考えています。
魚住:地域活性化は以前から政策として取り組まれてきた経緯があります。
金行:そうですね。地域の活性化は最近になって注目されたことではなく、50年前の1972年には当時の田中角栄首相が日本列島改造論を発表しました。この時からすでに地域の過疎化と都市の過密化が注目され、この問題を解決するために「地域を元気にしていかなければならない」と語られてきました。
直近でも、2014年に当時の安倍内閣が「地方創生」をスローガンとして地方創生担当大臣や「まち・ひと・しごと創生本部」を新たに創設しています。その背景も同じで、東京の一極集中を解消し、地域の人口減少と超高齢化といった構造的な課題を解決するための取り組みとして、「地域を元気にしたい」という思いがあったと考えています。
魚住:どのような成果が得られているのでしょうか。
金行:正直なところ、成果はそこまで芳しくないと思っています。例えば、人口減少についてのKPIを見ると、日本全体の人口減少も地域から都市部への人口流出も、残念ながらいずれも歯止めがかかっていません。また、全国には1,718の自治体があるわけですが、これら全ての地域で人口減少を食い止めるということはなかなか難しいと思っています。ただ、だからといって諦めたわけではなく、各自治体がさまざまな施策を考え、実行し、自分たちの地域を盛り上げていこうと活動しているのも事実です。
魚住:イニシアチブの名称を「地域“創生”」ではなく「地域“共創”」とした背景を教えてください。
安井:地域が抱える課題は多様で複雑です。例えば、高齢者の移動手段の問題、ヘルスケアの問題、一次産業および二次産業の維持と活性化などがあり、課題の規模の大小だけでなく、課題解決のために求められる知識や専門性は異なります。この状況を1つの企業や1つの組織の力で変えていくことは難しく、複数のプレーヤーが力を合わせて取り組むことが重要です。そのような考えから、「共に活動しよう」という思いを込めて、“共創”としました。
魚住:課題解決には何が必要でしょうか。
安井:産、官、学、金、人だと思います。
「産」は産業で、企業のスピード感ある意思決定とリソース導入により、まずは地域活性化の取り組みにインパクトを出す必要があります。
「官」は国や自治体です。地域活性化を継続的に行っていくためには、行政の後押しは欠かせません。
「学」は大学などです。どの地域にも大学があります。大学にいる高度な人材と上手に連携しながら問題を解いていくことが重要です。
「金」は、お金そのものが必要というよりも、「産」「官」「学」のプレーヤーたちが同じ方向に動き出すための仕掛けとして、お金の面でのインセンティブ作りが必要だと思っています。この点は地域の金融機関を巻き込んでいくことが大事だと考えています。
最後は「ヒト」です。例えば、NPOやNGOはファインディングがうまく、「産」「官」「学」の間に入って橋渡しをする力を持っています。プレーヤーの連携をスムーズにするためにも、彼らを巻き込むことが重要なポイントになります。
PwCコンサルティングが課題解決のための立ち上げたイニシアチブでは、「3つのDによる変革 」を軸に、 企業が抱える課題を多面的に捉え、デジタルを活用してこれまでにない解決策を模索し、サービスや業界を超えてコレクティブに協働することで、クライアントの経営変革を加速していきます。