{{item.title}}
{{item.text}}
{{item.text}}
前回の記事では、IPA(情報処理推進機構)が公表した「企業における営業秘密管理に関する実態調査」について紹介しました。その中で、営業秘密の漏えいルートの一つとして、中途退職者が大きな割合を占めており、退職者管理の重要性が増していることに触れました。本稿(第6回前編)および次稿(第6回後編)では、退職者に対する情報漏えいの禁止および競業避止について解説します。
退職者による情報漏えいおよび競業(使用者と競合する業務を行うこと)は現実に重なり得る(すなわち、退職者が競業を行う場合、情報漏えいも併せて行っている場合がある)ところですが、法的観点からは、情報漏えいの禁止と競業避止とで分かれており、その有効性の判断基準や違反時の制裁として認められる範囲も異なります。また、情報漏えいの禁止および競業避止に関する退職者管理を実効的に行うためには、在職中から適切な対応をしておくことが肝要です。
そこで、まず本稿では、在職者および退職者に対する情報漏えいの禁止および競業避止に関する法的整理について解説します。そしてこの法的整理を前提に、次稿の後編で、効果的な退職者管理に向けた在職中および退職時における実務的な対応について解説する予定です。
情報漏えいの禁止に関しては、法令に規定されているものとして、不正競争防止法上の営業秘密の不正開示の禁止があります。
営業秘密に該当しない情報(例えば、秘密管理性の要件を満たさない情報)については、不正競争防止法では保護の対象とはなりません。このような情報の保護については、以下のとおり、従業員(労働者)の在職中か退職後かで法的整理が異なります。
従業員(労働者)に対し、使用者と競合する業務を行わないようにする競業避止義務(自ら競業事業を行うことの他、他の競合他社への就職などもこの義務違反となる)については、特段法令に規定されておらず、解釈の問題となります。この点についても、従業員の在職中と退職後とで、異なる整理がなされています。
Section1および2に記載のとおり、情報漏えいの禁止については、法令(不正競争防止法)上の義務が在職中か退職後かを問わず発生します。また、契約上の義務として退職後にも情報漏えいの禁止を課すことについても特段の問題はありません。一方、競業避止義務については、その内容などによっては退職後の義務が無効となる場合があります。
このような義務付けの可否という観点では、情報漏えいの禁止の方が有用に思われるかもしれません。もっとも、実際の執行(エンフォースメント)の観点、例えば、そもそも違反行為を発見できるのかという点では、競業避止義務の方が優れている部分もあります。すなわち、情報漏えいの禁止義務が及んだとしても、特に退職者の場合、使用者が情報の不正使用を発見し、その客観的な証拠を収集することは、必ずしも容易ではありません。一方で、競業避止義務については、その違反行為(競合他社への就職など)が客観的に明らかになる場合が比較的多いと考えられます。
このように、情報漏えいの禁止と競業避止にはそれぞれ一長一短があり、相互に補完し合う関係にあります(図表1)。そのため、退職者管理においては、両者を組み合わせながら対応することが重要です。
図表1:情報漏えいの禁止と競業避止の義務付け可否
本稿(第6回前編)では、在職者および退職者に対する、情報漏えいの禁止および競業避止に関する法的整理について解説しました。
次稿(第6回後編)では、この法的整理を前提に、退職者管理を実効的に行うための在職中および退職時の実務的な対応について解説します。
【PwC弁護士法人】
1. 情報漏えい防止・営業秘密保護に関する法的支援
2. 競業避止義務に関する契約および労働法的支援
3. 退職者管理に関する法的リスク評価
【PwCコンサルティング合同会社】
{{item.text}}
{{item.text}}
{{item.text}}
{{item.text}}