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2015年のパリ協定締結以降、グローバルで脱炭素化の取り組みが加速し、世界各国で太陽光や風力といった再生可能エネルギー電源の導入量が大幅に増加しました。一方で、その出力が天候に左右される再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)の特性から、再エネ電源の導入拡大によって、電力需給バランスの不一致や、電圧や周波数などの系統の不安定化といった悪影響が生じることが懸念されます。この悪影響への対策として、需給バランスの一致・系統安定化を担うキーデバイスとして蓄電池の活用が期待されています。
国内の事業環境も蓄電池の活用に向けて、大きな変化が続いています。2023年度には系統用蓄電池が長期脱炭素電源オークションへの入札機会を得て、長期的な収入機会の獲得が可能になったことから、導入プロジェクト数が増加しました。高圧の需要家向け導入も、BCP目的だけでなくピークカット用途での導入も増加し、定置用蓄電池案件は拡大しつつあります。
従来、調整力はガス火力発電や揚水発電などが担ってきましたが、これらに代わり、ここ十数年で大幅に価格が低下した蓄電池の活用が期待されています。
国内では2022年に系統用蓄電池の位置付けが電気事業法上で明確化され、政府の補助金や長期脱炭素電源オークションへの入札が可能になったことなどを背景として、定置用蓄電池の積極的な導入が進んでいます。
系統用蓄電池のシーンとしては、卸電力市場での値差取引や容量市場の発動指令電源に加え、需給調整市場での一次調整力や三次調整力②への供出を中心として活用が進んでいます。また、高圧需要家においても、BCP目的に限らない、ピークカット用途やPV自家消費の最大化といった目的でも導入される案件が生じており、活用の機運が高まっています。
再エネ導入の先行国では、政策的な誘導(導入の義務付け、補助金など)や定置用蓄電池の価格低下により経済合理性のある形で導入が進んでいます。
また、蓄電池の放電・充電の管理システムを開発するベンチャー企業などが、蓄電池活用ビジネスにおいていかに収益性を高めるかを競って、エネルギー市場に参入しています。
例えばオーストラリアでは、送配電事業者がグリッドスケールの定置用蓄電池を導入し、卸電力市場での値差取引(kWh)、アンシラリーサービス(ΔkW)、系統運用者への調整力提供(ΔkW)など、多様な価値提供を組み合わせることで蓄電池の収益性を高めています。
蓄電池価格はここ十数年で大幅に低下しましたが、蓄電池主要原料の産出国による輸出規制や地政学リスクに伴う原材料価格の高騰によって蓄電池の製造コストが上昇するリスクもあります。
こうした蓄電池製造・調達におけるリスクから、世界的にも、蓄電池製造への事業拡大やEV用蓄電池のリサイクル・別用途へのリパーパスなどのエコシステム構築に関連する新規投資やM&Aの動きが拡大しています。
また近年では、経済安全保障が課題として顕在化してきたことや、蓄電池の導入量増加に伴って、サプライチェーン全体でのリスク管理やITセキュリティの要件具体化・対策徹底の動きも進んでいます。
定置用蓄電池活用ビジネスの国内展開にあたっては、先行する海外事例から成功・失敗要因や必要な技術・ケイパビリティを学び、それを日本の電源構成や電力取引市場制度、各種法制度などを踏まえてアレンジすることが有効だと考えます。
また、定置用蓄電池活用ビジネスは蓄電池導入において大きな初期投資を伴うことから、事業立ち上げにあたってはその収益性を適切に見極めることが肝要です。近年要求が厳しくなりつつあるサイバーセキュリティ対策の対応や、適切なオペレーション/システムの構想と実現もより重要となっています。
PwCは、そのグローバルネットワークを活用することで海外での事例収集や蓄電池活用が先行する国・地域でのナレッジ提供が可能です。
また国内のエネルギー業界における規制・制度変革支援に係る豊富な実績を有しており、政策動向も踏まえたビジネスモデル策定を支援することができます。
さらに電力市場価格や蓄電池の最適運用に関するシミュレーションツールを独自に開発しており、蓄電池システムへの投資判断における収益性評価をクイックに行うことも可能です。
PwCコンサルティングは、電力事業に対するサイバーセキュリティ向上の要請が高まる現状を踏まえ、定置用蓄電池のビジネス開発・推進に必要となる、さまざまな支援を提供しています。
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