行動3:効果的なCFC税制の構築

概要

行動3(効果的なCFC税制の構築)では、BEPSに対して効果的なCFC税制(外国子会社合算税)を構築するため、各国における国内法の設計に関する勧告を行うことを目的とした取組みです。

行動3に関する議論については、2015年4月3日にディスカッションドラフトが公表され、パブリックコメントおよびパブリックコンサルテーションを経て、2015年10月5日に最終報告書が取りまとめられました。

最終報告書では、既に多くの国でCFC税制が導入されているもののBEPS防止に必ずしも有効に働いていないのではないかという問題意識のもと、BEPSに対して効果的なCFC税制として、CFC税制を構成する6つの基本的要素(Building Block)ごとに推奨される選択肢が示されています。

  1. Rules for definining a CFC: CFCの定義
  2. CFC exemptions and threshold requirements: CFC除外・閾値要件
  3. Definition of CFC income: 所得の定義
  4. Rules for computing income: 所得計算のルール
  5. Rules for attributing income : 所得帰属のルール
  6. Rules to prevent or eliminate double taxation: 二重課税の防止および除去

これらのビルディング・ブロックは、CFC税制がない国で新たにルールを導入する際にそのまま導入することができるものとして、また既存のCFC税制がある国では本勧告に沿った形に改正するためのものとして提示されています。これらは、CFC税制のミニマムスタンダードを示すものではなく、各国が異なる政策目的に沿った形でBEPSに対処できるようにCFC税制の設計についての柔軟性を提供しています。

我が国では、最終報告書の提言内容を踏まえ、平成29年度税制改正において、租税回避リスクを外国子会社の所得や事業の内容によって把握する制度、具体的には、一見して明らかに利子・配当・使用料等の受動的所得しか得ておらず、租税回避リスクが高いと考えられるペーパー・カンパニー等である場合には、原則としてその外国子会社の全所得を合算対象とすることとされ、他方、経済活動の実態がある事業から得られた能動的所得は、租税負担割合に関わらず合算対象外とする改正が行われました。