
サプライチェーンのレジリエンスを高めるKPI管理の重要性
現在のビジネス環境は、消費者ニーズの多様化やグローバル競争の激化に加え、気候変動や地政学的リスクなどの外部環境の急速な変化が企業の事業ポートフォリオに影響を与えており、予測の不確実性を前提にした柔軟な対応策が不可欠です。その対策として、KPI管理の高度化に向けた取り組みについて解説します。
企業のグローバル化や事業拡大・強化、再編(M&A)等による国内外の関連会社・子会社の増加といった経営環境変化に伴い、ソフトウェアライセンス管理はより一層複雑化し、「把握されていない・把握しにくいIT資産」が増加しています。また、AIやクラウドサービス、SaaS等の部門独自の導入等による委託先の増加、従業員の持ち込みデバイスやソフトウェア利用、サーバー環境の仮想化によって、ライセンス体系も複雑化が進んでいます。
ライセンスの管理や体系が複雑になるなか、主な「購入パターン」ごとの「ライセンス違反事例」として3つのパターンが挙げられます(図表1)。故意ではない違反が事例としては多く、管理者や担当者は気づかず違反を犯している可能性があります。
図表1:購入パターンごとのソフトウェアライセンス違反事例
ライセンスのライフサイクル(導入、利用・モニタリング、削除)の各フェーズでも、ライセンス違反の課題が挙げられます(図表2)。導入時のみではなく、ライフサイクル全体を通して管理を進める必要があります。
図表2:ソフトウェアライセンスのライフサイクルにおける課題
ライセンス管理を怠ると、ライセンス違反等の「一次課題」のみならず、派生する「二次課題」「三次課題」のリスクが顕在化する可能性があります(図表3)。
図表3:ライセンス管理の課題から派生する二次課題、三次課題
二次課題、三次課題に関する具体的な事象としては、セキュリティインシデントの発生や拡大等があります。その他には情報漏洩に起因し、顧客離れや取引停止等の発生、ネガティブな噂・評判が拡散することによる企業への被害拡大が考えられます。
図表4:ライセンス管理の課題から派生する二次課題、三次課題の内容
このようにライセンス管理が適切に実施されていないことによる課題や影響は大きいため、企業にはライセンス管理の高度化が求められます。
PwCコンサルティングは、そもそもの課題を特定するための「1.課題把握」、全体方針を示す「2.指針・ポリシー策定」、共通の品質担保するための「3.プロセス策定」、PDCAを組織として回すための「4.体制構築」、効率的・効果的に管理するための「5.ツール利用改善・状況可視化」、体制やプロセス等を維持・継続改善するための「6.研修/教育」を通じて、ソフトウェアライセンス管理の高度化を支援します(図表5)。
図表5:PwCのソフトウェアライセンス管理高度化支援サービス
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