テクノロジーとプロセス変革型での財務報告マネージドサービス(連結決算)

企業を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化しています。IFRS会計基準の適用拡大や開示基準の相次ぐ改訂、さらにはM&Aによるグループ構造の複雑化やグローバル展開の加速――こうした変化に伴い、多くの企業において連結決算の業務負荷とリソース不足は年々増大し、継続的かつ深刻な経営課題となっています。

連結決算は、グループ全体の経営実態を正確に映し出し、経営判断の根幹を支える極めて重要な業務です。経営管理システムとの整合性を保ちながら、グループ全体を一元的に捉える連結管理は、まさに企業経営のコアと言えるでしょう。その一方で、連結決算業務の現場では、データ収集・照合・仕訳入力・注記作成といったオペレーショナルな作業が大きな割合を占めているのも事実です。

真の経理業務の高度化を実現するためには、絶え間ない業務プロセスとその手順の最適化に加え、「経営判断に貢献するために内部リソースをどこに注力させるか」という戦略的な判断が不可欠です。限られた人材と時間を、付加価値の高い業務に集中させることで、経理部門は単なるバックオフィスから、経営を牽引する戦略的パートナーへと進化することができます。

PwC Japan有限責任監査法人は、企業ごとの状況や課題、目指す姿に寄り添い、単なるリソース補完型のBPOサービスにとどまらず、業務効率化・高度化を含め、マネージドサービスとして包括的に支援します。専門家が伴走しながら、貴社の連結決算業務を「今」も「未来」も支えるパートナーとして、最適解をともに創り上げます。

十社十色――連結決算業務の課題は企業ごとに異なる

事業構造・グループ構成が生む多様な課題

連結決算の複雑さは、企業が展開する事業の種類、子会社・関連会社の数、進出地域の広がり、会計方針によって大きく異なります。一口に「連結決算業務」と言っても、その実態は企業によって千差万別です。

例えば、グローバルに事業を展開する製造業では、各国の会計基準の差異調整や為替換算処理が膨大となり、現地とのコミュニケーションにも大きな負担が生じる可能性があります。一方、M&Aを積極的に進めるIT企業では、子会社数の増加に伴い、取得時の暫定的な会計処理やのれんの減損テスト、新規連結範囲の判定など、高度な判断を要する論点が次々と発生することがあります。

このように、連結決算業務の課題は業種・規模・成長ステージによって多岐にわたり、画一的なソリューションでは対応しきれないのが現実です。

深刻化する経理人材の確保問題

連結決算業務の課題は、業務そのものの複雑性だけにとどまりません。その業務を担う「人材」の確保もまた、多くの企業が直面する大きな課題です。

連結決算には、会計基準への深い理解、グループ全体を俯瞰する視点、そしてシステムリテラシーなど、高度かつ複合的なスキルが求められます。またAIの進化が加速する中、業務環境へのインパクトは既に看過できないトピックです。しかしながら、少子高齢化による労働人口の減少、経理人材の流動化、若手人材の育成に要する時間的コストなどを背景に、中長期的に必要な人材を安定的に確保し続けることは年々困難になっています。経験豊富な社員の退職による知見の流出リスクや、属人化した業務の継承問題も、多くの企業で顕在化しつつあります。

「今」に追われ、「未来」への対応が後手に

こうした状況の中で、経理部門の現場では日々のオペレーション、四半期ごとに繰り返される決算業務を確実にこなすことが最優先とならざるを得ません。期限厳守のプレッシャーの中、足元の決算を滞りなく完了させることに全エネルギーが注がれ、本来取り組むべき連結決算業務の改革――付加価値業務へのシフト、AIを活用したプロセスの抜本的な見直し、システム刷新の検討、人材育成計画の策定――は常に後回しになりがちです。

「課題があることは分かっている。しかし、手を付ける余裕がない。」

この悪循環こそが、連結決算業務における最も根深い課題と言えるのではないでしょうか。

本質を捉えた課題解決――断片的な対策から全体最適へ

認識はあるのに、分析が追いつかない

多くの企業において、連結決算業務に課題があるという認識そのものは共有されています。経営層も経理部門も、現状のままでは立ち行かないという危機感を持っている場合がほとんどです。しかしながら、その課題を体系的に分析し、根本原因を特定し、優先順位を付けて対策を講じるための十分な時間とリソースを確保できている企業は、決して多くありません。課題の「認識」と「解決」の間には、大きなギャップが存在しているのです。

局所的・断片的な対策の限界

もちろん、多くの企業が手をこまねいているわけではありません。業務フローの一部見直し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入による定型作業の自動化、連結会計システムのリプレイスなど、さまざまな改善施策が実行されています。しかし、これらの取り組みが「局所的」あるいは「断片的」に行われている場合、期待した効果が十分に発揮されないことが少なくありません。

例えば、特定の作業工程だけを自動化しても、その前後のプロセスにボトルネックが残っていれば、全体としてのリードタイム短縮にはつながりません。また、システムを刷新しても、業務プロセス自体が旧来のまま温存されていれば、新システムの機能を最大限に活用できないという事態も生じます。

求められるのは「全体俯瞰」と「戦略的優先付け」

真に効果的な連結決算業務改革を実現するためには、連結決算という一連のプロセス全体を俯瞰した上で、課題を可視化し、自社の経営環境・リソース状況・中長期ビジョンを踏まえた優先順位付けを行うことが不可欠です。

個別の作業改善は重要ですが、それが全体の中でどのような位置付けにあり、どの順序で取り組むことが最も効果的かという視点がなければ、限られたリソースを有効に活用することはできません。

マクロ×ミクロの両面分析がもたらす真の高度化

連結決算業務の課題を、マクロレベル(経営戦略・グループガバナンスとの整合性、連結決算業務が経営判断にどう貢献するか)とミクロレベル(個々の作業工程における業務品質・効率性・正確性の向上)の両面から分析することで、初めて連結決算業務の全体像が明確になります。

マクロレベルの視点は、連結決算業務を単なるルーティンワークではなく、経営課題解決への貢献手段として位置付け直すことを可能にします。一方、ミクロレベルの視点は、日々の実務における具体的な改善ポイントを明らかにし、現場の負荷軽減と品質向上を実現します。

この二つの視点を統合し、経営レベルでの意思決定と現場レベルでの実行を一貫した戦略のもとに結び付けること――これこそが、本当の意味での「連結決算業務の高度化」なのです。

課題解決に向けたアプローチ――専門性とフレームワークで実現する伴走型支援

監査法人の知見を最大限に活かした専門チーム

私たちは、監査法人としての長年の経験と専門性をフルに活かし、連結決算領域において幅広い知見と、高度な専門スキルを備えた人材を擁しています。

数多くの企業の連結財務諸表の作成やプロセス改善に携わってきた実績から蓄積された知見――会計基準の解釈・適用、複雑なグループ構造への対応、グローバル連結の実務ノウハウ――を、アドバイザリーサービスとして企業の皆さまに還元します。「あるべき姿」を熟知した専門家が、貴社の現状を的確に診断し、最適な改善の道筋を示します。

3つのフレームワークによる体系的アプローチ

当法人では、連結決算業務の課題整理と高度化の実現に向けて、独自に開発した3つのフレームワークを活用しています。これらのツールを組み合わせることで、業務とITの側面をプロセスとして総合的に捉えながら、企業それぞれの状況に応じた「連結決算プロセスの高度化」への道筋を具体的かつ実行可能な形で描き出し、伴走型の支援を行います。

①連結高度化ロードマップ――中長期ビジョンを描く

連結決算プロセスの成熟度を複数のステージに区分し、貴社の現在地と目指すべきゴールを明確化するフレームワークです。

連結決算プロセスを「正確性の確保」「効率性の追求」「経営貢献の実現」といった成熟度の観点から段階的に整理し、貴社が中長期的にどのステージを目指すのかを具体化します。現状のステージを客観的に診断した上で、次のステージへ進むために必要な施策・体制・投資を明らかにし、実現可能なロードマップとして落とし込みます。

これにより、「何をすべきか」だけでなく「いつまでに、どの順序で取り組むべきか」が明確になり、経営層・現場双方が共通のビジョンのもとで改革を推進することが可能になります。

連結高度化ロードマップ―― 中長期ビジョンを描く

②連結プロセスチャート――課題を可視化し、マッピングする

連結決算の一連の業務工程を体系的に整理・図示したチャートを活用し、貴社固有の課題がプロセスのどこに、どのような形で存在するかを可視化するフレームワークです。

子会社からのデータ収集、基準差異調整、内部取引照合・消去、連結仕訳、開示資料作成――連結決算プロセスを構成する各工程を一覧化し、それぞれの工程において「時間がかかっている」「エラーが発生しやすい」「属人化している」「手作業が多い」といった課題を特定し、チャート上にマッピングします。

連結プロセスチャート―― 課題を可視化し、マッピングする

プロセス全体の中で課題の分布を一目で把握できるため、「どこにボトルネックがあるのか」「どの工程に改善の余地が大きいのか」を直感的に理解でき、関係者間での認識共有やディスカッションの基盤としても機能します。

③業務処理マトリクス――作業レベルで課題とソリューションを整理する

連結プロセスチャートで特定した各工程を、さらに細分化した作業ステップ単位にまで分解し、それぞれの業務処理内容・現状の課題・具体的なソリューションをマトリクス形式で一覧化するフレームワークです。

例えば「内部取引消去」という工程であれば、「取引データの収集」「差異の照合」「不一致原因の調査」「消去仕訳の作成」「検証・承認」といった作業ステップに分解し、各ステップについて以下を整理します:

  • 現状の業務処理方法(手作業/システム処理/外部委託 等)
  • 実務レベルでの課題(時間超過/エラー頻発/属人化/非効率 等)
  • 具体的なソリューション案(自動化/テンプレート標準化/ツール導入/アウトソーシング 等)

このマトリクスは、個々の作業レベルでの改善が連結プロセス全体の中でどのような位置付けにあるかを明示するとともに、限られたリソースの中で「どの改善から着手すべきか」という優先度判断の基盤となる重要な情報を提供します。

業務処理マトリクス―― 作業レベルで課題とソリューションを整理する

マネージドサービスとしての包括的支援

当法人の連結決算プロセス支援は、課題の分析・可視化にとどまりません。上記3つのフレームワークを活用しながら、貴社の連結決算における課題を一つひとつ着実に解決し、作業・プロセスの効率化を実現していきます。

そして、私たちが提供するマネージドサービスの最大の特長は、柔軟な役割分担モデルにあります:

  • アウトソースモデル:貴社が内製すべきコア業務に社内リソースを集中させ、それ以外のオペレーショナルな作業や高度な専門判断を要する業務は当法人が継続的に担います。これにより、社内人材の不足や離職リスクに左右されない安定した連結決算業務体制を構築できます。
  • リターンモデル:当法人が作業・プロセスを分析・再設計し、効率化・標準化した上で貴社にお戻しします。業務の「型」を整え、マニュアルやツールとともに移管することで、貴社内での自走を可能にします。

いずれのモデルにおいても、当法人は単なる外注先ではなく、貴社の連結決算プロセスの高度化を共に目指す「伴走者」として、継続的な改善と進化を支え続けます。

変化の時代に、確かな伴走者を

開示基準の変化、グループ構造のグローバル化・複雑化が加速する中で、連結決算業務の高度化は一度きりのプロジェクトではなく、継続的に取り組むべき経営テーマです。

しかし、その道のりを自社だけで歩む必要はありません。

PwC Japan有限責任監査法人は、会計・監査の深い専門知識と豊富な実務経験、そして体系化されたフレームワークを武器に、貴社の連結決算業務課題を的確に捉え、優先順位を付け、一つひとつ確実に解決へと導きます。内部リソースを真に付加価値の高い業務へ集中させ、経理業務の高度化を実現するために――当法人は貴社の強力な伴走者として、「今」の業務安定と「未来」の業務変革の両方を支え続けます。

まずはお気軽にご相談ください。貴社の連結決算業務の「現在地」と「目指す姿」を共に見つめることから、すべてが始まります。

当法人の連結決算プロセスマネージドサービスに関するお問い合わせは、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。

主要メンバー

尻引 善博

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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濵田 大輔

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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堤 俊輔

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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德山 馨一

ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人

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長谷 淳史

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

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岸野 将也

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

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