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2021-08-25
PwCコンサルティング合同会社は厚生労働省令和3年度障害者総合福祉推進事業の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。
【事業の概要】
難聴児・ろう児支援においては、令和元年6月に報告された厚生労働省および文部科学省「難聴児の早期支援に向けた保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト」や、令和元年「Japan Hearing Vision~ライフサイクルに応じた難聴者(児)支援を実現するために~」、令和元年度障害者総合福祉推進事業「難聴児の言語発達(コミュニケーション)に資する療育に関する調査研究」などにおいて、課題および今後取り組むべき方向性に関する提言がなされてきた。
それら提言においては、特に難聴児・ろう児支援の専門人材についてその専門性と質を担保するための取り組みや、保護者や当事者が入手したい情報を必要な時期に遅滞なく入手できる体制の検討が求められている。
こうした背景を踏まえ、本調査研究では難聴児・ろう児のライフサイクルに応じて必要となる情報とはどのようなものかを明らかにした上で、保護者や当事者向けの情報提供の仕組みの充実に関して検討する。また、好事例に見る地域の専門人材がどのような人物かを明らかにし、その充実のための施策についても検討する。
地域生活支援事業は、地方公共団体が地域の実情や障害児・者のニーズに応じ、柔軟に実施する事業として平成18年度に創設された。
近年、障害児・者の社会参加などが進み、多様化するニーズに対応するため、本事業の利用実態の把握や将来の見込み量の推計が必要となっている。
このため、過去の調査結果や厚生労働省が保有する資料などを集約・再整理し、こうした実態や課題をあらためて浮き彫りにするとともに、定点的な実態把握の方法・項目の検討や、ヒアリングによる各事業の好事例の収集を行う。
地方自治体や障害福祉サービス事業所における各種手続きでは、文書削減や業務効率化の観点からは、国から示されている標準様式を活用することが考えられるが、これを活用しやすいものとすることが重要である。これについて、障害福祉サービスなどの指定申請などの手続きについて、各自治体の取り扱い状況を調査する。
また、計画相談支援および障害児相談支援におけるモニタリング頻度は実施標準期間および本人の心身の状況などを勘案しながら設定することとされ、ただし利用するサービスの種類のみをもって一律に期間を決定することがないよう、相談支援専門員の提案を踏まえつつ、利用者ごとに柔軟かつ適切な期間を設定することとされているが、実際には一律に期間を設定している例があるとの声がある。
さらに、放課後等デイサービスについては、就学児の発達支援に必要となるもので、本人の発達支援に必要な量を軸として、周辺事情も勘案して日数が決定されるべきところ、現在、さまざまな事項を総合的に勘案して支給量が決定されているが、それらの事項をどのように勘案し、その結果に応じて日数が決定されるのかのロジックは明らかではない。
以上の状況を踏まえ、計画相談支援および放課後等デイサービスの支給決定状況について、各自治体の取り組みを調査する。
社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により、一定の研修を修了した介護職員等が一定の条件の下でたんの吸引等を実施することができるようになり、令和3年に10 年目を迎えた。これまでにも喀痰吸引等研修の実施状況を中心に実態調査が実施されてきたが、訪問サービス事業所や障害者支援施設等が医療的ケアを実施する際の具体的な対応状況は明らかになっていない。本事業は、全国の登録喀痰吸引等事業者及び登録特定行為事業者のうち、居宅サービス事業所や障害者支援施設、障害児通所サービス事業所とそこで働く職員、利用者(家族)を対象としたアンケート調査、ヒアリング調査を通じて、利用者における医療的ケアのニーズや医療的ケアの提供状況、介護職員における医療的ケアを実施するに当たって抱えている課題等について明らかにすることを目的として実施した。
医学の進歩を背景として、NICU(新生児集中治療室)などに長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童(医療的ケア児)は増加傾向にあり、令和元年時点、在宅の医療的ケア児(0~19歳)は2万人超と推計されている。
自治体においては「障害児福祉計画」の策定にあたり医療的ケア児数を把握する必要があるが、医療的ケア児の状態像は多様であるためその人数の把握は容易ではない。また、自治体において「医療的ケア児等コーディネーター」や「医療的ケア児支援センター」といった医療的ケア児支援のための人材や組織の配置・設置が進められているが、その望ましい方向性については十分な検討が必要である。
そこで、本調査研究は、アンケート調査やヒアリング調査、検討委員会での議論などを通じて、「1.医療的ケア児数等の把握」「2.医療的ケア児等コーディネーターの配置等」「3.医療的ケア児支援センターとして期待される機能」「4.医療的ケア児の災害支援」の4つのテーマについて整理・検討し、好事例とともに方向性を取りまとめることを目的として実施する。
平成28年の障害者総合支援法改正において、障害者支援施設やグループホームなどから一人暮らしへの移行を希望する知的障害者や精神障害者などについて、本人の意思を尊重した地域生活を支援するために自立生活援助事業が創設された。
しかし、自立生活援助事業の実施状況は低調となっており、取り組みの推進が課題となっている。また、住宅確保要配慮者の入居に関しては、賃貸人の約7割が障害者に対して拒否感があるとしているなど 、居住支援施策と自立生活援助の連携を進めることが団体からも求められている。令和3年度障害福祉サービス等報酬改定により、自立生活援助事業所と居住支援法人などとの連携が加算で評価されることとなったが、効果的な連携方法などを示していく必要がある。
以上を踏まえ、本事業では自立生活援助事業者と居住支援法人との連携構築のためのモデル研修を開催する。また、その成果も踏まえ、連携構築のための研修カリキュラムなどを作成する。
グループホームは、平成18年度に障害者自立支援法のサービスとして位置づけられ、入所施設や精神科病院などからの地域移行を進めるために整備が推進されてきたところであり、令和元年11月には入所施設の利用者数を上回り、利用者数は13万人に増加している。
施設入所者は 重度化傾向にあり、グループホームにおける重度障害者の受け入れ体制の整備が課題となっている。これに対し、 平成30年度報酬改定において、障害者の重度化・高齢化に対応する「日中サービス支援型」のグループホームが創設されたところであるが、既存の「介護サービス包括型」のグループホームとの差別化が十分ではないとの指摘がある。
一方、グループホームの利用者は、障害程度の軽い者・重い者が混在するとともに、アパート型などさまざまな運営形態が存在しており、利用者の中にはグループホームではなく一人暮らしを希望する者が一定数存在する。
以上の状況を踏まえ、グループホームの運営および支援の実態などを把握することを目的とした、指定事業所の悉皆調査およびヒアリング調査を実施する。調査結果については、今後のグループホームの施策の検討における参考情報として活用する。
障害福祉の領域においては、利用者の権利擁護、障害者虐待に関する研修、責任者の配置、委員会の開催や、身体拘束の適正化についての効果的な取り組みについて調査研究を行い、その成果を広く周知し、体制の整備を推進する必要がある。また、精神科医療の領域においては、自治体に対して精神科医療機関における虐待防止などの取り組み事例を周知するなど、虐待が疑われる事案の発生防止や早期発見の取り組み強化に努めるよう要請しているところであり、精神科医療機関などの医療従事者を対象とした虐待事案発生防止のための啓発資料を作成し、医療機関が虐待防止にかかる取り組み強化のための研修などを行う際に活用することが求められている。
以上を踏まえ、障害福祉サービス事業所などにおける、利用者の権利擁護、障害者虐待に関する研修、責任者の配置、委員会の開催や、身体拘束の適正化に関する効果的な取り組み、および精神科医療機関などの医療従事者を対象とした虐待事案発生防止のための啓発資料を作成し、その普及に資する検討を行う。
現在、強度行動障害のある障害者の数は全国でおよそ8,000人とも見積もられている。また、近年では、強度行動障害のある障害者が地域において安定して暮らすための取り組みが多くの地域で実施されており、環境整備は着実に進展していると考えられる。
しかしながら、国内における強度行動障害のある障害者および支援状況の全体像を明らかにした調査研究はなお数少なく、地域で生活する強度行動障害のある障害者の実数やサービス利用状況を自治体単位で調査した事例はあるものの、全国単位で推計を試みた事例は見られない。また、障害福祉サービスにおける強度行動障害に対する支援の実態を調査し、体系的に整理した事例も少ない。今後、強度行動障害に対する支援を一層展開・推進する上で、こうした強度行動障害のある障害者の地域生活や支援の実態を明らかにする必要がある。
こうした背景を踏まえ、本調査研究では地域で生活する強度障害のある障害者の数、サービスの利用状況、サービス不足の場合の具体的な状況、および支援を行う事業所の支援内容・体制の実情などを明らかにする。
平成29年度の国民医療費は43兆710億円で、医科診療医療費に占める精神および行動の障害の割合は6.2%となっている。特に、65歳未満においては、精神および行動の障害の医療費は第4位となっており、最近の10年間においても増加傾向にある。諸外国と比較し、多剤投薬が多いこと、平均在院日数の長さや病床数の多さなどが医療コストに影響を与えているという、OECD(経済協力開発機構)の報告もある。また、精神疾患の治療においては、インフォーマルケアの費用や、患者の休職や離職による労働損失など、社会的負荷が大きいことが知られているものの、諸外国との比較は明らかではない。
各国の保健医療福祉制度は大きく異なることから、本事業においては、諸外国におけるデータの定義の違いを踏まえて、精神疾患にかかる諸外国の社会的コストおよび保健医療福祉提供体制の比較を行い、日本における課題の抽出を行う。また、今後の施策への反映にかかる検討に資する基礎資料を作成する。
令和3年度、社会保障審議会障害者部会において障害者総合支援法施行後3年の見直し議論が行われていることを踏まえ、諸外国(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、韓国)の障害福祉サービス・予算の在り方を比較・分析し、今後の議論に資する形で調査結果をとりまとめる。調査項目については、予算等の個別の数値のみでなく調査対象国の障害福祉制度の全体像を踏まえた比較ができるよう、大項目として「障害児・者福祉制度の概要」を、中項目として「障害福祉制度の枠組」「障害の定義と統計」「支出額」「給付内容」を設定し、それぞれさらに小項目に細分化して調査を実施する。また、社会保障審議会障害者部会において、日本の障害保健福祉制度が直面する課題として「多様な働き方が広がる中での障害者就労の支援ニーズと可能性の拡がり」が挙げられていることを踏まえ、大項目として「就労支援」を設定し、支援対象者や支援内容について調査を実施する。これらの調査項目について各国の類似点や特徴を整理し、考察を加える。