令和8年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業の実施について

  • 2026-07-13

PwCコンサルティング合同会社はこども家庭庁令和8年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。

医療的ケア児等への教育・保育の実施状況等に関する調査研究

令和3年9月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、国の支援事業の充実や自治体の取組が進む中で、医療的ケア児の保育所等での受入は増加してきているが、地域や施設等で取組に差が生じている状況がある。また、看護師等の人材確保も課題となる中で、地域の状況に応じた効果的な支援や体制を構築していくことが重要となっている。

さらに、令和6年12月には「保育政策の新たな方向性」として、待機児童対策中心の量的拡充から、地域ニーズに対応した質の高い保育の確保や、多様なニーズに対応した保育の充実等へと政策の重点が移行している。

本調査研究においては、医療的ケア児の保育所での受入状況、地域や園の体制や取組、予算事業の実施状況等について調査・分析等を行い実態の把握と課題分析を行い報告書にまとめるとともに、直近の医療的ケア児の保育所での受入や実態、好事例等を踏まえて「保育所等での医療的ケア児の支援に関するガイドライン」(令和6年3月改訂)の改善を検討し、改訂ガイドライン素案を提出することで、今後の施策の充実に向けた検討に資する知見を得ることを目的とする。

ひとり親家庭等の多様化を踏まえた支援の全体像の可視化に関する調査研究

ひとり親家庭については、約20年前には年間就労収入「200万円未満」の母子家庭の母の割合が約7割を占めていたが、直近では5割弱に減少し、「300万円~400万円未満」、「400万円以上」の割合が大幅に増えるなど多様化が進んでいる。このため、画一的な支援ではなく、きめ細かな支援体系の整備が求められている。

ひとり親家庭等の支援を実施する上では、こども家庭庁以外の施策も含め、活用可能な施策が数多く存在するが、ひとり親家庭等の多様化を踏まえ、世帯・家族の状態像(所得階層など)や親もしくは子の年齢等に応じて、関連施策を「仕事」、「生活」、「子育て・教育」といった分野ごとにマッピングすることで、支援の全体像を可視化するとともに、どの部分の支援が十分でないのかを明らかにする。

認定資格の活用によるこども家庭福祉人材の確保・育成・定着及びキャリアラダー・パスに関する調査研究

こども家庭福祉に関わる者の専門性の向上に関しては、一定の実務経験のある有資格者や現任者が、国の基準を満たす認定機関が認定した研修等を経て取得する認定資格(こども家庭ソーシャルワーカー)が令和6年度より導入されている。

認定資格に関する過年度の調査研究では、令和5年度に認定資格創設による評価項目等を検討し、令和6年度に短期的な評価指標の収集と中長期的な評価の在り方等を検討し、令和7年度に各評価指標の収集と資格取得者の期待役割の整理等を行ってきた。

本調査研究では、過年度に引き続き認定資格創設に関する各評価指標の収集や、認定資格等の現任者研修をこども家庭福祉人材の確保・育成・定着に結び付けるための課題を把握するとともに、認定資格の取得を含むこども家庭福祉人材のキャリアラダー・パスの在り方を検討することを目的に、認定資格研修の実施・受講状況、認定資格創設による効果、資格取得者の養成・活用意向、認定資格等の現任者研修課題の把握やキャリアラダー・パスの検討を行う。

都道府県による市町村支援の在り方に関する調査研究

都道府県による市町村支援(以下「市町村支援」という。)は児童福祉法第10・11・14条に規定されているほか、政令により市町村支援児童福祉司の配置基準を定めている一方で、具体的な業務マニュアル等はこれまで国から示しておらず、各都道府県の実情に合った取組が行われている。国で「新たな児童虐待防止対策体制総合強化プラン」以降の児童相談所の人員体制を検討するにあたり、市町村支援の在り方及び市町村支援児童福祉司の具体的業務内容を都道府県や市町村に示すことで、こども家庭福祉の実施体制の一層の強化を図ることが重要である。

そのため、過年度の調査研究で把握されている市町村等のこども家庭福祉に関するニーズも考慮しながら、市町村支援の実施体制、取組内容、工夫、課題等について、都道府県へのアンケートや市町村等への個別ヒアリング等の調査を通じて実態把握し、効果的な市町村支援の在り方を検討するために本調査研究を実施する。

こども家庭センターにおけるケースマネジメント実践モデルの実証的調査研究

こども未来戦略及びこども大綱(令和5年12月22日閣議決定)に基づき全市町村設置を推進している「こども家庭センター」については、妊産婦・こども・子育て家庭への包括的・継続的な支援の要を担う機能の全国的な底上げが課題となっている。特に、各家庭とともにサポートプランを作成して相談や支援調整を続ける市町村こども家庭相談におけるケースマネジメントの質的向上は、今後、こども分野における包括的支援が全国的に定着・充実していくための中核的課題である。そこで、令和7年度の調査研究では、ケースマネジメントの価値基準や実践内容を示す試行モデルが作成され、市町村が包括的・継続的な支援を進める上での基盤が整備された。

本調査では、今後の市町村での包括的支援の定着・充実を見据え、試行モデルの実効性と汎用性を高めたケースマネジメント実践モデルを構築すること、実践モデルと整合性のある関連指針の改正案を示すこと、実践モデルの円滑な実施に必要な実践基盤(把握・引継ぎの仕組み/業務環境/人材育成/支援事業整備/地域資源開拓/関連指針/法制度/等)整理を目的とする。

高次脳機能障害を有する児への支援及び支援体制に関する実態把握

令和6年度障害者総合福祉推進事業「高次脳機能障害に関する支援の実態調査及び適切な支援を提供するためのガイドラインの作成」において、高次脳機能障害者への支援の手引き(令和7年3月)が策定されたが、その中で、「高次脳機能障害のあるこどもへの支援は、全国的に必要性が指摘されながらも提供が難しい領域である。これには、18歳未満の高次脳機能障害のある患者が少なく、小児診療に対応できる医療機関や、特別支援教育・障害児支援の知見を十分に有する専門人材が限られている」ことが指摘されている。また、「高次脳機能障害による直接的な困難だけでなく、いじめや孤立といった環境により、うつ状態や攻撃性などの二次的障害が生じる」場合もあり、「こどものライフステージ全体を見通した切れ目のない支援」の必要性が指摘されている。

さらに、令和8年4月には高次脳機能障害者支援法が施行され、高次脳機能障害者支援センターや地域協議会の設置が支援体制の整備として盛り込まれている。

本研究では、上記の背景を踏まえ、高次脳機能障害を有する児とその家族への支援や地域での支援体制の実態について把握することを目的とする。

企業主導型保育事業における事業の在り方及び指導・監査の効率化に関する調査研究

企業主導型保育事業は事業創設から間もなく10年を迎え、待機児童対策としての量的拡大から、質の確保のフェーズへの転換期にあり、例えば、病児・病後児保育や夜間保育等の多様な保育ニーズへの対応が求められている。また、利用児童数の減少傾向や、特定の地域等に顕著に傾向が表れ始めているといった状況にないものの、今後、児童数全体の減少は確実とみられるため、これに伴う施設や利用児童の減少を見込んだ制度設計を現段階から行っていくことが重要である。このため、事業の持続可能性を確保し、限られたリソースを保育の質や機能強化に振り向ける上でも、現場の過度な事務負担となっている指導・監査業務(自治体と実施機関の重複)を見直し、効率的かつ実効性の高い実施体制へ再構築する必要がある。

本調査は、事業の現状把握と次期基準改正に向けた基礎資料を得るため、多機能化と事業継続性の検証、指導・監査の効率化・高度化の実証及び新たな監査基準案の策定を目的とする。

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