部品メーカーの事業再生をリードアドバイザーとして支援 ― 海外子会社を含むグループ全体で事業再生ADRを利用

2020-11-06

プロジェクトの背景と概要

対象会社(以下、「同社」)は、高い技術力とブランド力を誇る日本有数の部品メーカーであり、年間数千億円の売上高を上げています。日本国内はもちろん、海外においても非常に強い事業基盤を有していましたが、数年前に発生した海外事業での経営問題などにより、将来的に売上が大幅に減少する見通しとなりました。そこで各種施策により事業の立て直しに取り組んだものの、売上急減の影響による財務状況の悪化を挽回するには至りませんでした。このような状況下、抜本的な事業再生を図るべく、PwCアドバイザリー合同会社(以下、PwCアドバイザリー)に支援を依頼しました。

PwCアドバイザリーはリードアドバイザーとして、同社のグローバルな事業再生計画案の策定を支援し、過去に例のない、海外子会社を対象債務者に含めた産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下、「事業再生ADR手続」)の成立をリードしました。この結果、同社は取引金融機関より数百億円の金融支援、ならびにスポンサーから百億単位の出資を得て、経営体制を刷新しました。現在、抜本的な構造改革計画の実現に取り組むに至っています。

PwCのアプローチ

事業再生ADR手続の正式申込前の支援

PwCアドバイザリーは事業および財務デューデリジェンスなどを通じて、同社の経営環境および財務体質は極めて厳しい状況にあると分析しました。

厳しい経営状況を踏まえ、事業再生ADR手続を利用して、取引金融機関の合意のもとで、今後の再成長に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を目指すことが必要であると同社に助言し、事業再生ADR手続の利用申請に向けた諸準備を支援しました。

事業再生ADR手続の正式申込後の支援

事業再生ADR手続の正式申込の後、複数回にわたる債権者会議(取引金融機関数十行)を経て、抜本的な収益性改善およびキャッシュフローの安定化に向けた構造改革や、取引金融機関による金融支援を含む事業再生計画が成立しました。

事業再生計画案の策定に際しては、同社がグローバルに展開している各製造販売拠点における再建計画を作成、統合する必要があったため、PwCグローバルネットワークの海外ファームと緊密に連携しながらサポートしました。特に、同社の重要拠点であった北米については、業界知見を豊富に有するPwC米国のStrategy & チーム(戦略コンサルティング部門)と連携して抜本的な再建計画を作成しました。また、欧州については、PwCドイツの事業再生チームと連携して再建計画の策定を支援しました。

事業再生ADR手続の実施に際しては、海外の調達先の動揺や支払いサイト短縮要請への対応、海外取引先および従業員への説明、海外金融当局への対応、海外子会社を含む金融支援の枠組みと税務上の論点など、グローバル事業再生ADR手続案件固有の論点も数多く、PwCグローバルネットワークの総力を挙げて同社を支援しました。

また、多数の取引金融機関に対して、再建計画の内容と金融支援についての理解を得るために、同社とともに説明、協議を重ねました。

さらにPwCアドバイザリーは、同社が抱える財務面および事業面の抜本的な改善を図るべく、資本性資金の提供や事業支援を受けるためのスポンサー選定を実施しました。その結果、同社は候補者の中で一番良い条件を提示したフィナンシャルスポンサーとの間で出資契約を締結し、上記事業再生計画の成立を経て、第三者割当増資を実行しました。

PwCアドバイザリーは以下のような業務によって、同社の事業再生計画案の策定から事業再生ADR手続の終結に至るまで、国内外を問わず幅広く支援しました。

  • グローバルな事業再生計画案の策定支援
  • 数値計画の策定支援(財務モデリング)
  • 海外子会社を含むグローバルでの資金繰り管理支援
  • 短期的な資金捻出策の検討・実行の支援
  • 事業再生ADR手続の推進
  • 財務デューデリジェンス(事業再生ADRに係る資産評定基準に基づく)
  • 取引金融機関への事業計画の説明および金融支援に関する各種の調整・協議に関する支援
  • フィナンシャルアドバイザリー業務(スポンサー選定および出資条件の交渉などに関する支援)
  • 金融支援などに関する税務論点に関する助言

など
 

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